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2022年 光の家庭  作者: ヒトミ
第一部 本然の自分に還る
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新しい交流

 新しい生活を始めて以来、教会からはしばらく足が遠ざかっていた。経典の音読、お祈りといった信仰生活もどこかへいってしまった。気が向いた時だけ少しやる程度だった。

 それでも、月一回だけは野村さんとお茶をするために教会に行っていた。野村さんは気さくなおかあちゃんみたいな雰囲気を持つご婦人で、いつもよく私の話を聞いて下さっていた方だった。そして、二○二○年秋頃のある日、野村さんは私に言った。

「紹介したい人がいるの」

 一年半くらい祝福の話からは離れていた。自分を取り戻すことに集中していた時期だったから、誰かと交流する気にもなれず、進めようともしていなかった。祝福を受けたい思いはまだどこかであったけれど、信仰生活がこんなにも置き去りになってしまった今、どうしたらいいのかもよくわからなかった。

 そんな時にポンっと降ってわいた祝福の話である。私のことをよく把握している野村さんからの紹介だったので、とりあえず写真とプロフィールを見てみることにした。

 相手は私より数歳年下で、誠実そうで良さそうなアジア系の外国人の男性だった。

 少し迷ったけれど、三日間祈った後、神様から与えられたこの機会を受け入れてみようと決め、オンラインで話してみる流れとなった。

 初回の交流の時から、相手の方はとても気さくで話しやすく、話はテンポよく進んでいった。私も自分のことを正直に話していった。教会からしばらく離れていること、信仰生活も真面目にしていないこと──。それでも、彼は私のことを受け入れ、前向きに進めようとしてくれていた。   

 何回か交流を重ねて、ラインでもメッセージのやりとりを続けていった。とても楽しかったし、彼と家庭を持ったら幸せになりそうなイメージもできていた。

 けれども、心の底でなにかが引っかかる。相手の問題ではない。そう、それは恐らく自分自身のことだった。教会の中で出会えた最高の人だということは分かるのだ。

 でも、教会の枠を超えてしまった自分の心の声はその人ではないという。心の声はとても正直だった。ずっと願ってきた祝福という夢が目の前まで来ているのに、心の底から喜んでいない自分が存在していることに気付いていた。

 運命の人に辿りつけるかもわからない不確定な未来を信じるのが怖かった。

 もう、三十六歳──、真剣に祝福を目指してもう四年がたとうとしている。周りはみんな家庭を持って、子供もいる。私も早く家庭をもって、子供も産みたいと叫ぶ頭の声と焦る気持ちに寄り添いながら、悩みに悩んで、それでも結局、最後は心の声に従うのだった。

 ──もう、いいや。もし、全知全能の神様がこの世にいるのだったら、教会だけでなく、道端でもどこでも、私が自然体で歩む人生の中で出会えるのだろう。

 相手の方に断りの連絡をいれ、心は決まった。神様と自分自身を信じて、未知の世界を一歩踏み出していくのだった。

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