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白兎令嬢の取捨選択  作者: 菜っぱ
第一章 大領地の守り子
13/157

13下準備は重要です


 『魔法陣作成者は魔力を使わずとも魔法陣を作動することができる』と言うことを知ったわたくしは、魔法陣作成を学ぶと心に決めた……ところまでは良かったのですが、一人で勉強しても魔法陣を描く技術なんか身につきそうにありません。


 ——クゥール様はオルブライト家のお抱え魔術師ですし、魔法陣の描き方を教えてくれたりはしないでしょうか。どうしても魔法陣がかけるようになりたいわたくしは、無理は承知で、聞いてみることにしました。


「あの……もし良ければなんですけど、魔法陣を勉強する中でわからないところがあったら、クゥール様に教えてもらうことは可能でしょうか?」


 ちらりとクゥール様の方を見るとその顔には穏やかな微笑みが浮かんでいました。


「うちに来ればいつでも教えてあげるよ? 僕、暇だから」

「本当ですか!?」


 喜びで、前のめりになってしまいます。もしかしたら社交辞令かもしれない! そう思ってクゥール様の目をチラリと確認しますが、その草木のように深い緑の瞳は先ほどと変わらずに穏やかに凪いでいました。


「今まで、魔法陣を買いにくる人はいたけれど、習いにくる人はいなかったから、なんだか新鮮な体験ができそうだしね。それになんと言っても僕はとっても暇だから」


 良かった。無理を言ってしまっていたらどうしようと思っていましたが、クゥール様はそこまで嫌そうではありません。


「最近ほんと暇なんだよね。ヨーナスが騎士学校に入る前は遊びにきてくれたりしたけれど、今は誰も尋ねて来ないし……。君たちのお父さんが魔法陣を買いに来ることもあるけれど、あの人は立ち話もせず、用事が終わるとすぐに帰っちゃうからね。……寂しいよね。暇つぶしにもならない」


 一人はつまらないものだよ、と先生は呟きます。こんなに暇暇繰り返すように呟くなんて、クゥール様はよほどお暇なのですね。でしたら甘えてもいいのでしょうか?


「クゥール様、今日からあなたのことを師匠と呼ばせてください!」

「うーん、僕は師と呼ばれるほど優れた人間ではないのだけれども」


 クゥール様は師匠と呼ばれることにあまり乗り気ではないようです。


「だったら、先生と呼ばせてください!」

「まあ先生だったら先に生まれてるだけだし……。いいかな?」


 ……い、いいのですね。てっきりまた嫌がられると思っていました。

 でも魔法陣を極めたら、より一層深みのある騎士になれそうです。

 よーし! わたくしは魔法陣が描けるハイブリットタイプの騎士になります!


 ——こうして魔術師のクゥール様はわたくしの先生になったのです。


「じゃあ一週間後の水の日、ここにきてもいいですか?」

「いいけれど、君のお父さんは許可するかな?」

「許可なんてどうにでもして取り付けます」

「おや? 君って結構行動派なんだね」

「ええ。リジェットは行動派ですよ。私を味方に取り込むために喉元に剣を突き立てるような娘ですからね」


 ヨーナスお兄様はそういって顔を顰めながら言います。


「え……。僕大丈夫かなあ……」


 魔法陣を教えることに乗り気だった先生の顔が一瞬曇ります。


「ヨーナスお兄様! それは内緒にしてくださいっ! 先生の気が削がれたらどう責任とってくれるんですか!」

「でも、後から気づくよりいいだろう。……リジェットは残念な位、見た目と中身が釣り合わない子供だからな……」

「自分も子供のくせに! もうっ……。大丈夫です、先生、わたくし自分の道を塞ごうとする人間以外には剣を突き立てませんから!」

「あ、じゃあ僕も何か不都合があったら剣を突き立てられるんだ……。気をつけよう。それはそうと、オルブライト家のお嬢様が一人で外出なんて、そんなこと許されえるの? 君の父であるセラージュは許可するかなあ」

「許可だってなんだってとってやりますよ。どんな手を使っても」


 そう言って握り拳を作るポーズをとると先生が「わあ、勇ましいなあ」と呟くのが聞こえました。勇しくないとオルブライト家の令嬢なんてやっていけませんから。


 それにお父様はこちらに来るの反対しないと思うのですよね。今のお父様の優先順位はわたくしの騎士への夢を諦めさせることですもの。

 きっとお父様も魔法陣を極めたい、といえばわたくしが騎士になるのを諦めたと勘違いしてここに通うのを許してくれるでしょう。


 ふふふ……。絶対にお父様を説得して見せます!



 魔法陣を習いに先生の家に伺うことが決まったのはいいのですが、残念ながらわたくしは既存の魔法陣を一人で使うことができません。今回はヨーナスお兄様主導の転移に付随するような形でこちらに来られましたが、お兄様は休暇が終わったら、王都に帰ってしまいます。


 ヨーナスお兄様が帰ったあとも、自分一人でこちらに来るためには、わたくしの手で描かれたわたくし用の魔法陣が必要です。先生の家から帰る前に、この場でわたくし用の転位の魔法陣と防御の魔法陣、それから行き来の前の連絡用のお手紙の魔法陣を作らなければなりません。


 正式に魔法陣を描く際は、自分の手で魔力を付加したガラスペンや万年筆を使うそうです。先生も自身の魔法陣作成に、太さの違う線を描くために二種類のペンを使い分けているとか。

 わたくしはそんなもの、もちろん持っていないので、どうしようかと悩んでいると、先生は薬棚のような抽斗の多いキャビネットの上段をガサゴソと漁り始めます。そこに入っていた予備のガラスペンをわたくしに向かって渡してきました。

 

「余っていたものだけど、使う? 使い続けていれば魔力が少なくても、少しずつペンに移っていくはずだ」

「まあ! なんて素敵なんでしょう!」


 それはまるで、満点の夜空をペンの中に閉じ込めたような代物でした。ペンは、場所によって濃淡が異なる青と藍の間のような色合いのグラデーションの中に、星屑のようなキラキラとした銀色の粉末が散ったようなデザインになっていています。こんなに美しいガラスペンを、わたくしは見たことがありません。


 わたくしはすぐにそのペンの美しさに心奪われてしまいました。

 先生は予備だからあげるよ、と軽く言いましたが、絶対に高価なものに違いありません。本当にもらっていいのでしょうか。隣のヨーナスお兄様もそれを見てなんだか変な顔をしています。

 これに見合うお返しをいつかしなければなりません。


「試し書きしてみたら?」

「いいんですか?」

「どうぞ。ここにインクもあるから使ってね。試し書きが終わったら、すぐに魔法陣の作成に取り掛からないと。長くはいられないんでしょう?」

「はい! ちゃっちゃか描いていきますよ!」


 わたくしは胸を躍らせながらペンを取り、インクをつけ、紙にガラスペンの先を滑らせます。しかし……


「あれ?うまく線をかけません。滲んじゃったり、線の太さがばらついちゃったりします……」


 星空色の素敵ガラスペンは力の加減で線の太さが変わりやすく、魔法陣初心者のわたくしにはうまく使いこなすことができなかったようです。こんなに素敵なのに、使いこなせないなんて、無念すぎます!


 わたくしがあまりの悔しさにべそべそと泣きそうになりながら途方に暮れていると、ちょっと難しかったかなと呟やいた先生は、また同じキャビネットから別のペンを持ってきました。


「これでちょっと描いてみて」


 そう言って先生が手渡したそれは、忍の記憶には日常品として登場していたボールペンに形が似ている金色のペンでした。

 構造を確認すると、インクにつける必要がなく本体の中にインクが内蔵されているようです。少し見た目はレトロですが、この世界にもボールペンがあったのですね。


「なんですか、それは。ずいぶん珍しい形をしたペンに見えますが」


 あれ? ヨーナスお兄様もこのボールペンもどきは初めてみたようです。これはあまり世間に出回っていない珍しいものなのでしょうか。

 忍時代であれば、そこらじゅうにありふれていたものが、住む世界が変わり、今のわたくしになると珍しいものになるのですから、過去の記憶があると言うのは不思議なことですね。


「何ってペンだよ。珍しいかもしれないけど大したものじゃない。そんなことよりも、帰る時間が近づいているよ? 早く魔法陣描き写して」

「は! そうでした! 次の鐘がなる前にここを出なければ!」


 促されるままに、貸していただいたペンで紙に魔法陣を描いていきます。


「あ、これなら線が真っ直ぐに、強弱なく描けてとっても描きやすいです!」

「それならよかった。この魔法陣も描き写せそうかな?」

「はい!」


 先生から手渡される魔法陣をわたくしは黙々と紙に移していきます。


「よかったら、そのペンもあげるよ」

「え!?いいんですか!?」

「うん、もう僕には必要がないものだからね」


 先生は花開くような優しい微笑みで、言ってくださいます。……ですが本当にいいのでしょうか?

 そうは言っても、これは先生にとっても大切なものではないでしょうか。ヨーナスお兄様も、珍しいものだと言っていましたし、きっと高価なものに違いありません。しかもこの使い込み具合からいっても大事に大事に何年も持っていたものですよね。

 先生はくださると言っていますが、素直に受け取っていいのか……悩んでしまいます。


 会うのは今日が初めてなのに、こんなによくしてくれるなんて……。優しいにも程があります。


「大丈夫、本当に私には必要のないものだからね。処分しようにも、捨てる方が難しいものだから、もらってくれると助かるよ」

「では……。大切に使わせていただきます。ありがとうございます」

「妹のために大切なものを譲ってくれて感謝する」


 ヨーナスお兄様も先生にお礼をいってくださいます。


 とりあえずわたくしは先生の家に通えるようにすべく、必要な魔法陣を全て描き切らなければ!

 もっともっと、勉強して自分一人で魔法陣をバンバンかけるようになったら、先生のお礼になるようなものも作れるかもしれません。

 そんな先の未来のことを想像すると、いっそう気合いが入ります。

 

 今回わたくしたちが転移に使用した魔法陣と、まったく同じものを短時間で描くのは、いくら模写でいいと言われても無理なので、わたくし一人だけを運ぶことができる簡易版魔法陣を先生に考えていただき、わたくしはそれを写すことになりました。

 見た目もだいぶ、シンプルになったので、今のわたくしにもなんとか描き写すことができます。


 転移の魔法陣を描き写した後、続けて防衛の魔法陣を描き写します。転移の魔法陣はここにくるのに必要なのはもちろんですが、家の使用人たちに魔法陣を使って外出していることが知られてはいけないので、ここまで一人でこなければなりません。

 いくら私が剣のお稽古をしているからといっても、持ち歩ける剣がなくては自由に戦うこともできません。先生の作った防衛の魔法陣は相手を去なすことができるそうです。これさえあれば、ひとまず移動時は安心でしょう。


 先生がおっしゃるにはこの防衛の魔法陣は「私が考えた中で、一番相手が痛い目にあう魔法陣」だそうです。

 それを聞いたヨーナスお兄様は顔を青くしていました。


「私が知ってる魔術師の中で、一番腕のいいクゥール様が考える痛い目って……えげつないことになるんだろうな……」


 その呟きに、手元にある魔法陣がどれだけの危険物なのかと考えてしまいました。

 これに当たった人はどうなってしまうのでしょう……考えただけで背筋がゾッとします。


 使われないことを心の底から祈ります。



 先生に指摘されたところを気をつけて魔法陣を描くといつもより上手に描くことができました。

 やはり先生と一緒に魔法陣を描くと要素がどこに組み込まれているかわかりやすいです。

 この調子で、いろんな魔法陣を描けるようになりたいですね!


「で、できました! やっと必要な魔法陣を全て書き切ることができましたよ!」

「うん……、全部描き方あってるね。これなら大丈夫。これがあれば一人でこちらに来られるはずだよ。短い時間でよくがんばったね」

「先生が指導してくださったおかげです! これからもよろしくお願いします!」


 わたくしがお礼を言うと、ヨーナスお兄様も先生に向かって深々と頭を下げました。


「クゥール様今日はありがとうございました。そしてこれから、妹のことをよろしく頼みます。くれぐれも妹を傷つけることはしないように……。お願いしますよ」

「え⁉︎ こんなに穏やかな先生にわたくしを傷つける要素があるとヨーナスお兄様は思っていらっしゃるのですか⁉︎」

「そうだよ。僕、そんなことしないよ?」


 先生は虫も殺せぬ、と言った感じの儚げ美人な笑顔で微笑みます。


「……」

「ヨーナスお兄様?」

「やっぱり、リジェットは騙されやすいな……。一人で行かせて大丈夫だろうか。はあ……。心配だ……。リジェット、この魔術師がタダで魔術を他人に教えると思うか? そんなことは絶対にない。確実にクゥール様は何か企んでるし、いつかリジェットに対価を求めてくるに違いない。何かあったらすぐに逃げろ。」

「それ、本人の前で言っていいことなのかなあ?」


 先生は必死なヨーナスお兄様の方を見てからから笑っています。お兄様……、いくらなんでも本人の前で言うのは失礼ですよ。先生は笑って許してくださる方だったからよかったものの、そうでない方だったらどうするつもりなのですか。

 まあ、ヨーナスお兄様は初対面だったわたくしより先生とは長い付き合いですし、その温度感は見間違えたりしないのでしょうが。


「お兄様が失礼なことを言って申し訳ありません。とは言ってもタダでお世話になるわけにはいかない、と言うのはもちろんだと思いますので、お父様と相談して、何かクゥール様のために有益なものをお渡しできるようにしますね」

「今のところ、僕の暮らしで足りないものはないから気にしなくてもいいよ。まあ、ひとつ足りないとすると、暇をつぶせる物事が少ないくらいかな。だから、君が遊びに来てくれたら、僕は嬉しいよ」


 まあ、なんて優しい方なのでしょう。この方だったら今後も魔術を丁寧に教えてくれるに違いありません。

 わたくしは次の魔法陣教室の日がとっても待ち遠しくなりました。



 そんな話をしているうちに、帰宅予定の時間になってしまいました。完成した魔法陣を持ったわたくしは改めて先生にお礼を言い、屋敷に帰宅しました。

 ヨーナスお兄様の提案で、描いた魔法陣は資料室の旅行鞄の中に丁寧にしまいます。


 今度転移をするときは一人でもあちらに行くことができる……。そう考えるだけでちょっと大人になったような、嬉しい気分になりました。



 先生の家から帰ったわたくしはその足で、先生の家に魔法陣の作成方法を習いに行く許可を取るために、お父様と面会するためのアポイントメントを取り付けます。

 面会のためにヨーナスお兄様とともにお父様の執務室の続きの間にある談話室へ入ります。どうやって説得しようかと悩んでいると、ヨーナスお兄様が大まかに流れを説明してくれました。


「昨日お伝えしたようにクゥール様にリジェットを紹介すべく、クゥール様のご自宅に伺ったのですが、クゥール様とリジェットはなぜか調子が合うようで。……どういう訳か、リジェットはクゥール様に気に入られてしまいました」


 その説明に心なしかお父様が嬉しそうな顔をしています。


「ほお、リジェットはクゥール様によく気に入られたのか……。リジェット、よくやったな」


 なんでだかわかりませんが、唐突にお父様に褒められてしまいました。

 というか、お父様も先生のことをクゥール様と様付きで呼ぶのですね。

 領主であるお父様が一領民である人間に様をつけることはほとんどありません。それだけ先生はお父様に重要視される立場なのでしょう。


 もしかしたら、先生って魔術師以前にとっても身分が高い方なのでしょうか……。


 そんな方の元に気軽に魔法陣を習いに行ってもいいものか……と考えましたが、お父様の心象も悪くないようですし、特に問題はないのでしょう。

 魔術を学びたいといったわたくしにお父様は気をよくしたらしく、すぐにそのことに関して許可が出ました。


「このまま、魔術師になるのもいいではないか」


 そう機嫌良さそうにお父様はいいますが、あくまでも騎士になりたいわたくしはその発言を聞かなかったことにしました。

 でもまあ、これで問題なく先生のところへ行けるでしょう。つい嬉しくなってふふふ、と笑うとそれを見たお父様の表情が曇っていきます。


「クゥール様には気をつけるのだぞ。魔術を学ぶのはいいがくれぐれも心を預けすぎないように。さもなくば……。いやなんでもない」


 お父様は先生と何かあったのでしょうか?

 わたくしから見ると、先生は柔和な微笑みが素敵な美人さん、という印象が強いので、特に警戒する要素はないのです。ヨーナスお兄様も争い事が苦手だって言ってたのに……、謎は深まるばかりです。


 それにあんなに美味しい料理を作れる人に悪い人がいるとは思えないのです。

 それだけ、美味しいは正義なのです!


 ただ、あれだけの魔法陣を作れる人なので、お父様とは防衛関係で色々あるのかもしれません。


「お父様はクゥール様と何かあったのですか?」

「クゥール様は……。王族を滅ぼしかけたことがある……」


 お父様は青い顔で呟きました。

 王族を滅ぼす⁉︎ あの先生が⁉︎


「わたくし、お兄様からクゥール様は争い事が苦手でいらっしゃると聞いておりますが……」

「ああ苦手だよ。耳障りな争いが苦手で、自分を巻き込む争いが起きると鎮めるために全てを滅ぼしてしまう方なんだ……」

「え……」


 ほ、滅ぼす? 想像もつきませんが、お父様がやった、とおっしゃるのなら、やったのでしょう。

 いつも穏やかな方を怒らせると怖い、ということでしょうか……。


 わたくしはくれぐれも先生に対する粗相がないように気をつけようと、胸の中で誓いました。



 お父様との交渉の結果、週に一回はクゥールのところに行くことになったので屋敷でのお勉強を短い期間で終わらせなければなりません。家庭教師からは、その分たんまり宿題が出ました。


 わたくしはいつも以上に張り切って勉強を終わらせます。

 寝る直前まで布団の中で課題をこなしていたら、ラマに見つかって怒られてしまいました。

 頑張っているんだから、いいじゃないと思ったのですが、夜更かししたせいで体調を崩したらどうするのですか、と怒られぐうの音も出ませんでした。


 最近のラマは先日のわたくしを体調不良にさせてしまったのがショックだったらしく、わたくしの体調管理に熱を入れているのです。

 別に、体調不良はラマのせいではないのですが「主人の体調を管理できない侍女なんて侍女失格ですから!」と言ってわたくしの意見を聞き入れてくれません。

 人材派遣業最大手、アーノルド家出身の侍女って求められるレベルが高すぎやしませんか……?

 仕方ありません……。ラマの視線を掻い潜りながら、勉強を進めるしかありませんね。

 こうしてわたくしは魔法陣教室への準備をコツコツと始めたのです。


 ちなみにラマとの攻防戦の中で、人の気配を察知する能力に磨きがかかり、その能力が戦場で役立ちことになるのですが、それはまたものすごくあとの話なのです。



What is this?  This is a pen.

リジェット視点で見ると、クゥールは大変いい人そうに見えます。

……本当にいい人なのかな?

次のお話は補足としてヨーナス視点の 間話 心配な妹 を挟みます。

クゥールがどんな人かわかるお話です。

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