300文字のストーリー

猫

ある日のこと──

　ママにカーテン閉めてとお願いされたななちゃん。

「まぁま、ねこしゃん！」

「どこ？」

「ほら！」

「白いネコさんね」

「ねこしゃん、しゃむくないでちゅか？」

　風が強いので、ネコさんのことが心配になったようです。

　びゅぅぅぅ！──

「ん？　あれって……」

　その時でした──

　なんと風に乗り、白いネコはどこかへ飛んでいってしまったのです。

「まぁま、ねこしゃんが……」

「あれね、ネコさんじゃなくてビニール袋さんだったんだよ？」

「ねこしゃんちがうでちゅ？」

「うん。だって、ネコさんお空飛ばないよね？」

「はいでちゅ。まちがえたでちゅ」

　優しいななちゃんの、かわいい間違い──

　ネコさんじゃなくてよかったね。ななちゃん──