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雪
とある冬の日──
ななちゃんはお家の窓から、白いモノが降ってくるのを不思議そうに眺めていました。
「わぁ! 真っ白だねぇ」
お姉ちゃんのかなちゃんもやって来て、ななちゃんにこんなことを言います。
「なな? お外でうさぎさん作ろう」
「……ゆち? うしゃぎしゃん? あれ、うしゃぎしゃん?」
ななちゃんは、空から降ってくる白い”雪”というモノが集まると、うさぎさんになるのだと思ったようです。
マフラーに手袋、あったかコートにうさぎの耳付きニット帽を被り、ななちゃんは外への扉を開けました。
「なな? どっちが大きいうさぎさん作れるか競争しよっか」
「はいでちゅ!」
キャッキャとはしゃぐ二人の声が、白銀の世界にはよく似合います。