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食・食欲
今日はかなちゃんと一緒にケーキ屋さんに来ています──
「好きなの選んでいいからね? 私は……」
ショーケースが曇る程、顔を寄せ食い入るように見つめるななちゃん。
そんな姉妹の様子を見ていた店員さんが、声を掛けてきましたよ──
「今ですと、栗や巨峰なんかを使ったケーキがおすすめですよ」
「季節限定かぁ。今しか食べれないんじゃ、やっぱりこれにしよっかな」
折角おすすめしてくれたし、選ばずにはいられなかったかなちゃん。
「ななも栗さんにする? 好きだもんね? 栗さん」
「なな、いちごしゃんのケーチにしゅるでちゅ。くだちゃい!」
「はい。じゃあ1番おっきな苺さんのにしようね」
どんな場面でも、決してブレないななちゃんでした──




