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みどり
今回は小林汐希様とのリレー小説「夢はひとりみるものじゃない」から小林汐希様に許可を得て書きました。
「小林さん、探しましたよ。心配しました」
「ごめんなよつ葉、勝手に出てしまって」
パパは退院前のリハビリ中。でもまだ一人での外出は心配。そのためのよつ葉なのに。
中庭の芝生に置かれたベンチ。パパの横に座って手を握る。
「すっかり新緑だな。よつ葉が就職した先月はまだだった」
「うん」
そう言いながらも、パパの視線は下を見ている。どうしたの?
「あった」
「へっ?」
パパが何かをそっとつまみ上げた。
「よつ葉、四葉のクローバーの花言葉は幸運。幸せを運んでくれる、そんな子になって欲しいと俺が名付けた」
「パパ…ありがとう…」
貰った緑色の四葉を手帳に挟んだ。
押葉にして栞を作ろう。
パパの願いとずっと一緒にいられますように…。
小林汐希さまへ
この度は、この作品を快く許可していただき本当にありがとうございました。




