霊能相談所の二人
初めまして、私の名前は田村メイ。訳あってここ、霊能相談所で秘書をやっている女子高生です、秘書と言ってもバイトなんですが。何故霊能相談所の秘書、なんていう怪しい仕事をしているのかと言うと……実は私自身悪霊に取りつかれて、疲れ果てた私は死のうとしていた。そんな間一髪な所を三神先生に助けて貰った事がきっかけなんです。
本当に助けてくれた三神先生には言葉では表せない程の感謝で一杯でしたが、それはそれ、これはこれとして女子高生である私になかなか高額な請求をしてくれて、どう足掻いても払えない私は秘書として手伝う事で少しずつ返済に充てる事に。先生は三十手前の、スーツをビシっと着こなすなかなか素敵な大人の男性で、見た目は悪くなく霊能力も本物、仕事が殺到して良い筈なんですがなかなか仕事が来ないと悩んでいた。そんなおりに私が現れ、女子高生の私が居れば胡散臭い霊能相談所への警戒心も薄くなり仕事が舞い込むのでは?と考えて秘書になり返済しないかと言ってみたらしい。
私自身先生に助けられ、私と同じように困っている人を助けられるのならと、この仕事自体は嫌ではない。返済も親に頼むなり別の場所でバイトをするなり、方法はいくらでもあった。むしろ人を助けられるこの仕事を紹介して貰った時は嬉しいくらいだった、のですが思っていた以上に大変だったのは三神先生の方。何が大変なのかと言うと、あ、もうそろそろ事務所に先生が帰ってくる頃。先生の事はまた追々話すとしよう。
今日もまた悪霊に困っている人達を助けるため、慌ただしい三神霊能相談所の一日が始まる。