No.1 出会い
楽器屋「ワールド・ミュージック」
町にある商店街の片隅の方にある外見は古いが
中は新しく綺麗になっている
少々個性的で店員さんのほとんどが外国人で
黒人のジョン・テーラーさんや紅・藍猫さん
店長の白人のアダム・シェリーさんなど色々な人種の方々仲良く働いています
一度はご来店ください
商店街の片隅にある楽器屋「ワールド・ミュージック」
店の古ぼけた木製の扉がギィとドアの軋んで開く音がする
扉こそは古いが中は綺麗で二階には管楽器
一階には弦楽器が置いてある
背中にギターを背負った背の高い女の子が入ってきた
一階に置いてあるギターの間を歩きながら話しかける
「テーラーさん、ギターのネックの調整をしてもらって構いませんか?」
そう言い背中に背負っていたギターを背中から下ろしギターカバーを外す
赤いボディのエレキギターが出てきた
黒人の大柄な男性は静かに頷くと
「…少しかかります」と一言だけいい楽器の整備にかかる
少女は譜面のおいてある所で立ち読みをして時間を潰そうとするとドアの方から
また音がした誰かが入ってきたのだろうと気にせず読んでいた
「紅さん、またバンドの募集ダメだったよ」
そう言いながら中学生が入ってくる
「それは、とても残念ネ、でもいつものことヨ、切り替えが大事アル」
そう言いなだめているのは紅さん、音楽が好きで日本に住んでいる
女性の店員さん言葉使いがおかしいのは本人曰く
「ジャパニーズ・ANIMEで日本語勉強したネ」と言っていた
「だけどさ~、何も背が低いからって理由だけで、落とす事もないよなぁ」
そう言い落ち込んでいると店の奥から店長の綺麗な白人の女性が出てきた
「まぁ、バンドには見た目も必要よ、でもあなたの歌声は素晴らしいわ自信を持ちなさい」
そう言い頭を撫でる、子供扱いをされたからか、照れているのかすぐに抵抗をしていた
「自信があっても、メンバーがいなけりゃ意味がないよ、面接では無理だし」
そう言う男の子に店長のシェリーが此方を指差し
「あそこにいる小坂さんとかどうかしら?うちによく来てくれるし
腕も確かよ、まぁあなたより随分背は高いけど」
そういたずらっぽく笑うシェリーさんにツッコミを入れずに男の子は
こちらの方へ近づいてきた、少し慌ててしまう目立つのは嫌いだからだ
私の目の前に着くと男の子は
「俺は高城って言うんだボーカルをやってる、俺とバンドをやらないか?」
そう言いキラキラした目をこちらに向けてくる
まるで雨の降る日、ダンボールの中で震えている子犬のような視線に
一瞬、頷きそうになってしまったが、優しく傷つけないように断る
「ごめんね、高校生は忙しいから、中学生の子とは組めないの」
そう言うと店の奥にいたシェリーさんと紅さんが吹き出した
テーラーさんも楽器整備の手をとめ口元を隠しながら笑い
目の前の高城くんは膝をついて落ち込んでいる、そんなに落ち込む必要は
無いと思うほどがっかりしている、私の方を見つめシェリーさんは
「その子、高校生よ、あなたと同じ高校のね」
と言い微笑むと高城くんの耳元で話しかけていた
「ここで引いてはダメよ高城、彼女はギターの腕はこの店の誰よりも
上手よあの子をメンバーにすればあなたのお友達も動くかもしれないわよ」
何を言われたか、わからないがさっきより一層キラキラとした目をしている
高城くんは此方に向かって、またもや話しかけてきた
「小坂さんだっけ?ちゃんと自己紹介するよ俺は高城智也、君と同じ高校生
ポジションはボーカル、君はギターだろ俺のバンドに入ってくれよ」
そう言い頭を下げられる、少しだけ決心が揺らいだが、私は目立つのが嫌いだ
小学生の頃クラスの男に身長のことをからかわれて以来
身長のこと以外で目立たないようにしてきたし
もちろんこの先もしていく予定だ、目立たず自分の決めたルールで
レールの上を進んでいく、ただそれだけの人生で満足なのだ
少し揺らいでしまった決心を、押し殺して断ろうとした時に
目の前にいる高城くんから信じられない言葉が聞こえてきた
「俺と一緒に自分を…世界を変えよう!!」
たった一言、この一言で私の押し殺した感情は息を吹き返した
私はバンドに誘われたかったんではなく、褒められるわけでなく
私と一緒に何かを変える人を、目の前のこの男の子を待っていたんだ
呆気にとられていると、シェリーさんが肩に手を回しこう言ってきた
「彼は面白い子でしょ、彼は口先だけでは無く、本気で世界を変えようとしているのよ
日常を、退屈を、理不尽を、争いを、人類を、そして世界を自分が変える
そう信じているのよ、私のわがままを一つだけ言わせてもらえるなら
あなたのギター演奏と彼の歌声のセッションを聞きたいわ」
そう言い終わると手のひらをひらひらさせながら店の奥へ消えていった
私に残された選択肢は
「死んだまま生きる」か「世界を変える」の二つだけだった
不思議と答えは決まっていた、さっきまでの天邪鬼な自分を消して
「よろしくね、高城君」
そう言い右手を差し出した、その手を力強く握り返し子犬のような目から
希望に満ち溢れた目に変わった彼なら
全てを変えてくれると信じ、整備の終わったエレキギターを背負ったので合った
主人公
vo高城智也
身長162位
ロックからバラードまでなんでも歌うが低身長のせいでメンバー募集に
来ても誰も集まらない 牛乳ばっか飲んでる
EG小坂鈴音
身長180
小学生の頃から高身長だったためからかわれてから目立つことを嫌いになった
ギターを弾くのが大好きだがバンドはやりたくないと思ってるが高城に会い
バンドをやる決心が付いた