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くりぼっち

作者: 左右田 檸檬

くりぼっちパーティ。


 クラスのくりぼっちが集まるパーティ。

 『くりぼっちも、いっぱい集まれば怖くない!』がコンセプト。



 「深雪は来る?」


 「うん。どうせ暇だし。」


 「よし。これで10-10だね!」




 ―高校二年12月。期末テストも終わり、クラスはクリスマスムードだ。


 『リア充爆発しろ』と書かれた後ろの黒板が、非リア充の気持ちを語っている。


 「じゃあ、12月24日。18時津田沼集合ね!」



 寂しい気持ちで帰る。


 ブーブー。


 

 件名:なし


 万里か…。

 幼稚園からの幼馴染み。最近は交流があまりない。



 [久しぶり!元気?

24日暇?]



 [用事入ってるケド。何?]


 [いやぁ、勉強教えてもらおうと思って。じゃあおやすみ。]



 万里が勉強とか…似合わない。(苦笑)


 ―12月24日。


 津田沼に向かう。暇だからブラブラしようと思って午前中に出発。


 ジャスコやらモリシアをブラブラ。


 恋人達が行き交う中、一人で買い物…。ま、たまには悪くないか、と開き直ってみる。



 ―くりぼっちパーティ


 「くりぼっちもいっぱい集まればこわくなーい!」


 同じ境遇だからかみんなの会話ははずむ。


 「深雪は?好きな人とかいないの?」


 「好きな人ねぇ…。」


 「おい、佐倉。俺にお前の姉貴紹介してくれ。」


 「姉ちゃん今彼氏いるから。」


 他愛もない話をし、いつの間にか21時になってた。


 「じゃ、また新学期に。」


 学校の関係か、私だけ方向が違かった。


 「深雪…?」


 「和馬!」


 そこには元彼が立っていた。…彼女を連れて。


 『クリスマスってとことんついてないのね。』


 「彼女出来たんだ。」


 「おう。お前はどうなんだ?」


 「どうって…今くりぼっちパーティ行ってきたけど?」


 「…そうか。」


 「…じゃ、私帰るね。お幸せに。」


 私は逃げるように去ってった。



 


―近所の公園


 『昔はよく万里と遊んだなぁ。』


 「深雪!」


 「万里、こんな時間にどうしたの?」


 「お前の親が心配してて探しに来たんだよ。」


 「もう、お節介すぎるんだから。」


 「…良かった。」


 急に抱き締められる。


 「…万里?」


 「最近誘拐犯うろついてるんだから気を付けろよな。」


 「う…うん。あ、雪。」


 「本当だ。ホワイトクリスマスだな。」


 和馬の顔が浮かぶ。去年は…。


 「なあ、深雪。」


 「何?」


 「好きだ。」


 「え?」


 「俺、お前のこと好きだ。」


 「…。」


 「俺、アイツにはかなわないってわかってるんだ。でも、お前にもうそんな顔させたくない。お前は俺が守る。だから…だから付き合ってくれ。」


 今まで見たことない顔つきだった。いつもおどけて私を笑わせてくれた。辛いときも相談にのってくれた。


 『一番わかってくれてるのはこの人かもしれない。』


 静かにうなづく。


 これからの日々を楽しみにしながら…。


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