第48回 (最終回)鍾毓、死す
兄の鍾毓は、鍾会の死は知らない。
何故なら、鍾会が反乱を起こす直前に亡くなったからである。病死で、享年五六歳であった。
鍾毓の子である「鍾邕」は、鍾会に帯同していたため、連座して処断されてしまった。
しかし、鍾毓の実子である「鍾駿」、「鍾峻」、「鍾辿」の三人は、祖父である鍾繇と、父である鍾毓の功績に免じて特別に許されており、長男の鍾駿は、鍾毓の爵位を継承した。
鍾毓は死ぬ間際、三人の子に遺言を残した。
「常に謙虚であること。これに勝るものはない。自分の力を過信せず、慢心せず、地に足をつけて生きてゆくのだ。」
そして、鍾会にも遺言を残していた。
「本当に正しいと、人にも言える道を歩むこと。その一点さえ守れば、あとは自由に生きよ。」
この遺言を聞く前に鍾会は、既に処断されてしまった。
もし、この遺言を鍾会が事前に聞いていれば、少しは歴史が変わったのだろうか。
■おわりに
鍾毓を少しでも知ってもらいたい、という気持ちで書きました。
三国志の正史、それも鍾繇の列伝に付属してひっそり載っているだけなので、私の作品などほとんど人の目に触れずに埋没してしまいますが、少しは日の目をみることがあってもいいのではと思いました。
相変わらず「地味」な作品だと思いますが、最後までお付き合いしてくれた方々には、感謝をしております。
本当に、ありがとうございます。
涼風 隼人
■参考文献
・歴史群像シリーズ⑰三国志上巻⑱三国志下巻(学研)
・世界史劇場 正史三國志 神野正史(ベル出版)
・地図でスッと頭に入る三国志 渡邉義浩(昭文社)
・「三国志」の政治と思想 渡邉義浩(講談社選書メチエ)
・正史 三国志1~8 陳寿・今鷹真・井波律子・小南一郎(ちくま学芸文庫)
■参考情報(インターネット掲載情報)
・ウイキペディア
・三国志人物伝
・今日も三国志日和
・もっと知りたい!三国志
・後漢と三国
・歴史の史実研究所
・歴史の読み物
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