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鍾繇一族  作者: 涼風隼人


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35/48

第35回 鍾毓、太守となる

 今まで中央でつとめてきた鍾毓にとって、初めての地方転出であり、太守という初めての行政官の立場であった。

 

 人によっては、今回の異動を「左遷」というが、魏郡という、かつての中心都市「鄴」が郡治であり、この地方の重要性は相変わらず高い。

 

 魏国の法制度の骨格を作った鍾繇の跡取りが来るということで、魏郡、とくに鄴の役人たちは緊張感をもって鍾毓を迎えた。

 

 鍾毓は、役人たちを集めて言った。

 「私は官途に入ってから、ずっと中央での仕事をしてきた。その根底にあるのは、国のため、天子のため、そして民のため、という考え方だ。そして今回、その民に直接触れることのできる太守になれたことを、非常にありがたく思い、今回の任命を受けている。一部の者は、左遷された、と言っているのも知っているが、私自身にその気持ちはみじんもない。太守としての仕事は初めてであり、皆に迷惑をかけるかもしれぬが、私の行いが間違えていれば、間違えていると教えてくれ。それで罰したりせぬことはここに誓おう。」

 

 鍾毓は、毎日城内の巡察を行い、民の声を直接聞いて回った。その声には、やはり一部怪しからん役人の話も入っており、調査の上、明らかな者は罷免や罰するなどすぐに対応をした。

 

 あとは、民同士の土地の境界線の争いや金の貸し借りや商売に関する争いについては、しっかりと話を聞いてその中身を吟味し、初期段階では「司法掾」に、それでも解決しない場合は「丞」にその決裁権限を与え、万が一、それでも解決しないなら自分の所に持ってくる様に命じた。鍾毓が自ら決裁した事案については、最終的には双方納得することで解決をした。

 

 こういった民に直接かかわる改革を次々に実行に移すことにより、鄴やその周辺都市の治安は著しく向上していった。


 そして、何かあっても平等な裁きを受けられるということで、商人の出入りも多くなり、魏郡全体が活気づいたのである。

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