大魔王と聖霊王
掲載日:2023/10/18
「また来たのか?坊や」
聖霊王は振り向いて苦笑する。
「……来て悪いか?」
つまらなそうに大魔王は口を尖らせた。
「悪くはない。お前達が人間の国王として軍を率いて私を攻めてから早くて500年か」
感慨深そうに聖霊王は苦笑する。
「人間の世界では、お前達は悪魔王として恐れられ畏怖されていた。だが、真実は全く違っていた」
人間の国王として、人類の希望となる為に悪魔王を攻め寄せた時。
神聖な聖魔力が拡がる森で、聖霊王と聖霊12柱は穏やかに暮らしていた。
現実が受け止められず、私は彼等を攻めた。
結果は散々だった。
数多の聖属性魔法を司る聖霊12柱に児戯に等しい攻撃で私達は瀕死になる。
『人間は知恵をもつのに生かさぬから哀れな者よ。生きたいなら私が助けてやろう。だが、人間としては生かさない。違う種族となりもっと広い世界を見て反省し、知識を拡げよ』
聖霊王の言葉に、国王や軍は人間から魔族となり、新たな国を作り償いから生きてきた。
されど、聖霊王は悠久を生きながら攻めてきた者を次々に魔族にし、彼の国へ導く。
やがて、人間や魔族から大魔王と呼ばれた。
「どうした?」
「いや、少し昔を思い出していた」
大魔王に聞かれ、聖霊王は苦笑すると誤魔化して遠くを見詰める。
二人を目指して、勇者、賢者、神官が向かっているのを知ることはなかった。




