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囚われのデスゲーム5

 短距離銃を手に持つ男と対面した誠志郎は余裕ぶった様な表情で一歩ずつ、その距離を詰めて行った。

 頻りに銃声音が鳴るのだが、銃弾が誠志郎に当たることは無かった。

 飛んでくる位置が分かっているのか、はたまた銃弾が見えているのか。


「バンバンバンって。数打てば良いもんじゃねーだろ」

 誠志郎は相手に指摘の言葉を送るほどに余裕があり、そのことが気に入らない男は顔を赤く染めながら怒っている様だ。

「う、うるさい!まぐれで当たらないだけで図に乗るなよ。今すぐ殺してやる」


 それから、数分の間、何度も何度も銃声が闘技場内に響き渡った。だが、未だ誠志郎に擦り傷一つとして付いてはいない。

「もう、あんたじゃ俺には勝てないって分かったろ?降参してさっさと帰れよ」

「そ、そうもいかねぇからこうして戦っているんだろう?」

「あっそ」

 誠志郎がそう呟いた瞬間、腰から崩れ落ちたのは相手の方だった。誠志郎の握られた拳が彼の腹部にめり込んでいたのだ。


「は…はや…」

 男はそう言い残し、力尽きたかの様に誠志郎の肩にもたれかかった。


 誠志郎は男を難なく持ち上げると、相手の出てくるゲートへと放り投げた。

「飛び道具に頼りすぎるから、詰められることに弱すぎるんだ」


 又しても難なく勝ってしまった誠志郎を上の席から見ていたディア女王は自身の爪を噛みながらも睨み続けていた。

「早く、男など死ねばいい。早く、殺せ」

 そう呟いたディア女王の想いとは裏腹に、誠志郎は日が沈むまでに一太刀もあびることなく完勝していた。


 相手にした人数はざっと百人近くだった。一日でこれほどの男を倒した者はこれまでにはいなかった様で、観客の中では盛り上がっていた。


「あの男、これまでで一番強くない?」

「だね!今までの男達じゃ、いくらやっても倒せないね」

「当然じゃない?だってあの男は、カナ・ウィリアムといっしょにいたのよ?」

「え?カナ様と?それなら強くて当然!でも、明日、()()()()()()()()()様と戦って負けるのよ!」

「そうね。どうやって負けるのかが見ものね」


 そんな噂話も、誠志郎の耳に入ることはなく、空っぽになった闘技場に大の字となって空を仰いでいた。

 その夜空に浮かんできた人の名は…。


「カナ…無事だよなぁ」

 何とも虚しく凍えた声だろうか。

 誠志郎の瞳からキラリと小さな光が流れ、血にまみれた地面へと吸い取られて行った。

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