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囚われのデスゲーム1

「さっさと歩かんか!」

 妙に筋肉質で強そうな女が縄を持ちながら怒鳴っていた。


 縄に縛られているんのも、怒鳴られているのも誠志郎で不服な表情をしていた。けれども、誠志郎についている女は足が速くて逃げても追いつかれてしまう。だからといって攻撃を仕掛けようにも、女相手では誠志郎は力を抜いてしまうようだ。

 無論、女の方は男と戦っても負けないだけの肉体を持っていたとしてもだ。


 誠志郎は幼い頃から克二やソリティアに女は守るものだと教えられている。だからこそ、余程のことがない限りは簡単に手を挙げない。もし、自身や身近な人間に死の危険が及ぼすのならためらうことなく殺れるだろう。ただ、今はそういう段階ではなかった。


 そして、誠志郎は女に連れられ国の中央部に訪れていた。

「なあ、カナの身は大丈夫なんだろうな」

 誠志郎が呟くと女は前を見据えたままに答えた。

「ああ。この国は女にだけ優しいからな。というか黙っていろ」

 横目に見ると彼女は中々にべっぴんなのだと、誠志郎は考えていた。こんな囚われてしまった状況でも心のブレない強さこそが誠志郎の真骨頂なのだろう。


 やがて、国の中心部にある広場の中へとたどり着き、その目先の上には大きな階段があり、最上階には豪華な椅子が置かれていた。その椅子に座る人がディア女王であるということは、誠志郎が見ても一目瞭然だった。

 それよりも、誠志郎は自分の置かれている現状を理解しなくてはならない。だが、誠志郎の脳裏では捕まった理由がいくつかあり考え悩んでいた。


 まず、捉えられた一つ目の仮説は単純。この国に不法入国しているからだ。ただ、この下の世界にそんな堅苦しい制度があるかどうかはわかり得ない。

 もう一つの仮説は、元衛兵を十人捕らえるという約束を破ったからだ。これは、捕らえられている理由に十中八九入っていることだろうと誠志郎は思っていた。だが、カナが自分と同じ目にあっていないことからそれだけではないと思っていた。


 そこで、誠志郎はアイシスの『女のケツを持ち上げて守ってもらうしかない』という言葉を思い出していた。その言葉がヒントとなり、有力な仮説へと繋がった。


 誠志郎は周囲の人を見ながらも確信めいた。

 この国…ディア国は女が政権を握る女性国家だ。それだけじゃなく、男というも生き物を固く禁じているのだろう、そうでなければこの国に入ってから一度も男を見ていない事に説明がつかない。


 誠志郎は思った。

 この国には何か大きな秘密がある…と。


 

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