不可解な進学校3
八浜美丘は席を立つと目にかかる髪の毛を耳にかけた。肩に掛かる長い黒髪も振り払い、完全な臨戦態勢といった表情をしていた。
「待ちなさい、そこの金髪うに頭」
金髪うに頭が誰を指しているのか、この場の誰もがわかった。なぜなら、この場に金髪は一人しかいない。だからこそ、当の本人も不機嫌そうに首をボキボキ鳴らして振り返った。
「おい…それは俺のことか?」
「そうよ」
八浜美丘は平然と答えた。
その堂々とした態度が気に食わなかったのか金髪の不良が「なにか用か?」と言いながらも狂気の籠もった形相で八浜美丘に近づいた。
またしても、八浜美丘は平然と言葉にした。
「うに頭君は海水に帰る前にその子だけは置いていってくれる?君と違って人は海中では生きていけないの、息が詰まるから」
互いが睨み合いながらも沈黙が続き、やがて金髪の不良が大声で笑い始めた。
「わかった。お前おもしれーな。代わりにお前がついてこい」
明らかに付いて行ってはいけない人間だが八浜美丘は臆することなく「ええ」と返事をして教室をあとにした。
そして、取り残された女子生徒が崩れ落ちた。誠志郎は彼女に歩み寄り声をかける。
「大丈夫?」
「だめ、だめだよ。早く八浜さんを連れ出さないと私と同じになる」
泣きじゃくりながら、誠志郎の足にしがみつく彼女の様子からしてとんでもない奴に目をつけられたことを悟る。
誠志郎は彼女の胸元にある名札に視線を向けた。そして、優しく微笑み呟いた。
「杉下さん。大丈夫です。俺が行きますから…」
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