あなたの隣に居たいから…2
マルクスが気を失い崩れ落ちると、ノアが叫びだした。
「マルクス〜!」
その声が響き渡り、多量出血で気を失っていたはずのカナが目を覚ました。
未だに血の止まっていな足を抑えて、カナは立ち上がった。
「そこの二人…彼から離れなさい」
カナが声を出すと、二人の興味は直ぐに移った。
「ねえ、ヨウザン。私この子殺すね。きっと楽しいよ」
シンはウヘヘと気味の悪い笑みを浮かべながら、カナの元へと歩き始めた。カナはノアを自分の背後に隠れさせ、なんとか逃げる術はないものかと考えた。けれど、考える間も無くシンが突撃してきた。
カナはノアを抱きかかえながら攻撃をかわし、奇しくの選択を口にした。
「ノア、彼はおいて二人で逃げましょう。このままでは全滅してしまいます」
ノアはその選択が正しいことを子供ながらに理解していて、カナも不本意ながらに言っていることなのだと知っていた。それでも、泣き虫だったノアにとってマルクスは大切な友人で、切り捨てることの出来ない家族なのだ。
ノアはカナの腕を振りほどき、ヨウザンとシンに向き直った。
「オイラが、オイラが!戦うから、逃げて!」
カナはノアの震える足に視線を落として答えた。
「震えてるじゃない、駄目よ。ここで死んだらセイシロウは悲しむ…」
カナの発言を聞いたノアは珍しくも声を張って涙ながらに叫んだ。
「セイシロウはどんなに強い敵を前にしても、オイラに大きな背中を見せてくれた。ナイフで刺されて血が出ても、オイラ達を助ける為に戦ってくれた。だからオイラも逃げない…これからも、セイシロウの隣に…居たいから!」
ノアが震える拳を構えると、シンが笑い始めた。
「アッハッハ。何よ。ヨウザン聞いた?ノア坊っちゃまが少し見ないうちに大バカになったよ!」
ヨウザンは話を振られるも平然と答えた。
「子供が幾ら、男気見せても初戦は子供だろ。お前じゃ俺には勝てねーよ」
ヨウザンがそう呟き、一気にノアとの距離を詰め連れ去ろうとしたその時、ノアの前に誠志郎が現れた。
ヨウザンが伸ばしていた手を払いのけ、拳を繰り出すとヨウザンが後方へ吹き飛んだ。
その光景を見ていた、シンは満面の笑みを見せ話し出した。
「あー、ステージの人だ。私は貴方の主張すごく感動したよ?それに加えてパンチ力も凄いよね?決めたよ!貴方から引きちぎる!」
誠志郎は背後にいるカナとノアに「隠れてろ」と咄嗟に言った。
ノアは頷き隠れようとするが、カナは立ち止まったままだ。
「カナ、早くオイラのいる所へ。誠志郎が来たからもう大丈夫だぞ」
未だ隠れる様子がないカナを見て、誠志郎も急かした。
「カナ、早く隠れてろ!後は俺が…」
誠志郎がカナに意識を向けながら戦っていると、シンの蹴りが腹部に直撃した。ウィリアム家との戦闘の傷が癒えないままの誠志郎は、膝をついてしまう。
体力も限界を迎えてしまった誠志郎にシンは容赦なくトドメを刺そうと近寄った。
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