奴隷解放宣言4
ノアが怪我をしているものの漸く誠志郎の集めたかったメンバーが揃った。
「よし、これで全員だな。後は逃げるだけだ」
誠志郎がそう言った瞬間、バンッ!という銃声が鳴り響き、カナが倒れた。
ノアが直ぐ様反応し、「カナ!」と叫び誠志郎がカナを守る様に銃弾が飛んできた方に向き直った。
暗い影から現れたのは、先程も銃口を向けてきた奴だった。
「お前は、三回席にいた…」
誠志郎がそう呟くと、返答は直ぐに返ってきた。
「ヨナ・ウィリアム。そこのゴミクズを捨てたのは私だ。ちゃんと捨てきれていないみたいだったからな、これは私が責任をもって消し炭にする。どかねば君も消し炭になるぞ、青年」
誠志郎は銃口を向けられ嫌な汗を掻いていた。いくら動体視力が良くても避けられるものとそうでないものがある。誠志郎はこれまで銃弾を避けたことが一度もない。
「マルクス、短刀あるか」
「ああ」
マルクスは短刀を誠志郎の背後から手渡した。
短刀を受け取った誠志郎は刃をヨナ・ウィリアムに向け構えた。
「ゲームはクライマックスって所かな」
「そんな短い刃で銃弾を切れるとでも?」
「切る?馬鹿言ってんじゃねえよ」
マルクスはノアを背に担ぎ、カナを抱きかかえ、この場から全速力で離れた。そうはさせまいと、ヨナ・ウィリアムは引き金を引くが銃弾音が鳴るよりも早く、誠志郎は短刀を銃弾の軌道に置いた。
パキンッ!
「球は切らねえ。というか直径何ミリかの銃弾なんて切れるわけないだろ。要はな、当たらなければそれで良いんだ。お前が打ちそうな軌道を予測し銃弾の軌道を変える。それで十分だろうが」
「確かにな。だが、この場に残ったお前はどう生き残る?奴隷にしてくれなんて言う訳でもあるまい」
誠志郎は余裕の笑みを浮かべるヨナ・ウィリアムに向かって怒りを露わにした。その証拠として、先程から青く光り輝いていた瞳がその青さを増していった。
「青年よ。その瞳…やはり魔法使いか。青い瞳とは珍しいな」
「そうなのか。俺はよく知らねーけどよ、俺は興奮すると力のセーブが出来なくなるんだ。実際、自分の瞳が青色だって事すら他人に言われるまで知らなかった」
「無自覚に魔法を扱うとは中々に素質があるな。だが、それだけに危険だ」
バンッ!
銃声が再び鳴り響いた。だが、今度の誠志郎は銃弾の軌道が見えているかの如く自然に交わした。
何度も銃声が鳴り響き、それを交わして行くたびに誠志郎は銃弾の速度に馴染んで行くようだった。撃てば撃つほどに誠志郎から余裕が生まれてくる。
ヨナ・ウィリアムは不気味がり、弾が底をつくまで打ち続けた。それでも、誠志郎にはかすり傷ひとつとしてつくことはなかたった。
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