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奴隷解放宣言2

 誠志郎がカナの手を取り、ステージ裏へと逃げ込むがそこには十数名の兵がいた。それぞれが鎧を身に纏い、剣を持っているようだ。

 誠志郎はこの兵士たちを知っている。


「お前ら…昨日ソリティアの屋敷にいた奴等だな。お前らの鎧殴ったせいで未だに拳が痛いんだよな」

 誠志郎がそう呟いている隙に、正面と背後から兵士が剣先を向けて一気に押し寄せた。


 背後にいるカナの頭を抱えて、誠志郎は屈んだ。その行動がよく見えていたであろう兵士が、正面から剣先の軌道を変え二人目掛けて突き刺した。だが、その剣先は二人に届く事なく折れた。


 誠志郎が刃に触れないよう剣先を掴み、異常な程の握力で握り潰したのだ。

 剣を折られた兵士は目を見開き「なに…」と声に漏らした。


 その瞬間に誠志郎はカナの腕を強引に取り、兵士たちの間をすり抜けた。背後は壁になり、一見追い込まれたかのように見えるが誠志郎にとっては好都合だった。これで、背後の心配をしなくて良いからだ。


 とはいえ、正面にいる兵士達の人数は変わらぬまま。一人が剣を失った事以外はさして変わりない。それなのに誠志郎は落ち着いていた。

「カナ。俺がアイツら倒すから剣先が飛んで来たら避けてくれ」

「守るならちゃんと守ってよ…」

 そう口にしたカナの声も虚しく、誠志郎は兵士達に襲い掛かった。


 瞳の色を青く染め上げた誠志郎にとって、鎧を纏った人間の剣など止まって見えるようで、一太刀たりとも当たることはなく華麗に避けていた。それどころか、背後に向かって行く剣先は全て拳でへし折って行った。


 動く剣先の、面を確実に捉える程の動体視力と拳の早さ。

 兵士達はまだ、誠志郎からダメージを受けていないのだが力の差を身をもって体現していた。


 勝てないかもしれない。兵士達にそんな疑念が浮かんだ瞬間を誠志郎は見逃さなかった。昨日の失敗を生かすかのよう、鎧が張り巡らされている胴体や脚、腕、顔面を避けるように喉元に拳を入れた。

 

 何人かが喉を潰されて行くのを目の当たりにすると、ほかの兵士達は喉を隠す。そこで、誠志郎は胴体と脚の鎧の隙間に蹴りを打ち込んだ。鎧を着ていては、どちらかを隠せばどちらかがさらけ出される。


 兵士達と誠志郎では天と地以上の格闘センスの差があり、何人束になろうとも一撃すら入れられない。

 十数人の兵士対誠志郎の戦闘はあっという間に、誠志郎に軍配があがった。


「よし、行こう。カナ」

「剣先なんて一太刀も飛んでこないじゃない…」

 カナは倒れた兵士達を警戒しながらも誠志郎の後に付いて行った。

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