侵入、奴隷の檻2
一方、一人で小屋に乗り込んだ誠志郎はマルクス程の大柄な男三人と対峙していた。
「今日は複数と喧嘩する事が多いな」
独り言を呟いていると、正面の男が大きな拳を振りかざしてきたが、誠志郎は軽々とかわした。
そして、ニヤリと口角を緩ませ拳を握った。
「克二さんの武術に比べればかなり劣るな」
その瞬間、誠志郎の拳が正面の男の腹部を捉えた。男はすぐさま腹部を抱え膝から崩れ落ちた。すると、横にいた二人が顔つきを一変させ話し出した。
「この体格差でパンチひとつだと?」
「ナメてかかるのはやめだ。もうお前は殺すと決めた」
二人の声を聞き、誠志郎は言葉を返した。
「体格差ね。昔、俺も似たようなことを言ってブン殴られたよ」
誠志郎の言葉に全く反応しない二人は、懐にしまっていたナイフを手に取り、その刃を誠志郎目掛けて突き出した。
二本の刃が向かってくるが、臆する事なく誠志郎は右側にいる敵の懐へと潜り込んだ。そして、先程と同様に腹部に自身の拳を叩き込み敵の動きを止めた。
「俺が、なんで右のこいつから仕留めたか分かるか?」
「…」
誠志郎は最後の一人の懐目掛け、飛び込んだ。途端に、ナイフが振り上げられる。だが、その振り上げられた腕が降りる事なく誠志郎に受け止められてしまう。
右手に持ったナイフを左にいる奴にブッ刺すには、体を回転させる動きが必要になる。そのためナイフを持った右手は大概振り上げられる。誠志郎にとってその動きは無駄な動きであり、隙でしかない。だから、意図も簡単に振り下ろした腕を止められてしまう。
「お前らみたいな筋肉バカほど体格差を気にする。拳ってのは腕力で繰り出すものじゃないんだよ、だからお前らは俺一人に手も足も出ない」
誠志郎の拳が三人目の腹部を捉えた。
その一部始終を見ていたマルクスとノアは口を開いたまま閉められずにいた。無理もない、王に仕えるレベルと評された有名な兵士三人を一人でたやすく倒してしまったのだから。だが、当の本人は自分がどんな地位の強者を倒したのか、まるで理解してはいないようだった。
「マルクス、ノア。早く行こう。すぐそこの床に地下への入口っぽい扉がある」
ノアはマルクスに言った。
「セイシロウって普通の魔法使いじゃないの?」
「分からないが、あの強さは尋常じゃないな」
マルクスとノアは気絶している三人の兵士に睡眠薬を飲ませ、誠志郎の後を追うように地下へと向かった。
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