この世界の創造者5
『この世界は戦争をしているかも知れないという所までなら克二さんから聞いていた。だが、克二さんとソリティアの故郷は戦争以上にひどかった』
「仲直りしたてのところ悪いとは思うけど、俺の名前が悪魔の名前ってのはどういう…」
誠志郎が二人に名前について尋ねようとしたとき、櫓の扉が派手に爆破された。その爆風が中に流れ込んで棚は全て崩れた。商品も全てが地面に落ち、最悪な有り様だ。
何が起きたのか分からない誠志郎とは違い、ノアとマルクスは真っ青になり震えていた。ノアはともかくマルクス程、経験のありそうな男が震えるほどに怯えるなんてただ事じゃない。
誠志郎はすぐさま事態が悪い方向へ進んでいると悟った。そして、床に落ちた剣を握りしめた。その姿を見ていたマルクスは慌てるように言った。
「ダメだ戦っても勝てない。こんなに早く来るとは思わなかった、これじゃ逃げることすらも出来ない」
「おい、マルクス!一体何が来たんだ?敵なのは何と無くわかるが」
誠志郎は剣を構え背後にいるマルクスに視線を向けた。
「そ、創造者の使いだ」
「なに?」
創造者がどういった存在なのかは誠志郎にわかるはずもない、だが彼らが恐れるほどの存在でその使いという事ならば、屋敷で相手した兵士よりも格上だろう。そう予想を立て誠志郎は気を引き締め直した。
そして、爆風の中から三人ほどの人影が見えた。
その途端に誠志郎は心臓を握りつぶされるかのような、これまで体現した事のない苦痛に苛まれた。剣を握る力も無くなりかけたが、痛みに堪え剣を構え直す。
「心臓が痛えな。なんだこの感じは」
「アッハハハ!君、心臓握られても立てるの!?」
甲高い笑い声が櫓内に響き渡り、黒いローブを身に纏った三人組が姿を現した。
三人とも背丈は誠志郎の肩程度で、みるからに子供だった。
そして、黒いローブの三人組を前にして誠志郎は、黙り込んだ。指ひとつとして動かす事もなく停止した。
その有様を見て、甲高い笑い声で笑っている真ん中の男が自らのローブを脱ぎ誠志郎に近付いた。
その顔立ちは見るからに少年といった感じでノアと同じくらいの歳だろう。だが、妙な笑い方といい、その瞳は完全にイっていた。ナイフを右手に持ち、誠志郎の胸の辺りに軽く当て始め、再び甲高く笑い出した。
「ねえ?君は怖くて動けないんだよね?僕らを見た人は怯えて泣くか、君みたいに生きたまま死ぬかなんだよね!」
意気揚々と話す少年は計算を見誤った。
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