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新たな出会い4

窃盗少年ノアは誠志郎にしがみ付き、盗みに働いたことを涙ながらに謝り出した。もういいと何度言っても謝る事をやめないから、少し鬱陶しがっている誠志郎。けれども、悪い気はしていなかった。


「じゃあ、私はこれで失礼しますね。()を離れて来てますので」

「待ってくれ。君には何かお礼をしなくちゃ」

 誠志郎がそう言うと、彼女は満面の笑みで言った。

「その子の誕生日を私の分まで祝ってあげてください」

 彼女の素性やこれから何処へ向かうのかも何も分からない。見た限りでは、囚人か奴隷の様で決して普通の人生は歩んでいないだろう。けれど、彼女の優しさが誠志郎には痛いほど伝わっていた。


「分かった。この子の誕生日は派手に祝おう。だが、せめてものお礼はさせてくれ」

 そう口にして、誠志郎は彼女に向けて手を伸ばし瞳を閉じた。


『体の芯から熱くなる感覚。血を煮えたぎらせ、全身を巡らせる。足先から頭のてっぺんまで緊張を巡らせ熱を広げていく様に、命を燃やせ』

 そして、誠志郎が再び瞳を開けるとその双眸は青い光を放ち出した。


「え、何これ…」

 彼女は戸惑いながら、自身の足を眺めていた。傷がどんどん消えていく初めての感覚に戸惑っている様だった。

 そして、その代わりに誠志郎は体中に激痛を走らせることになっていた。誠志郎は苦しみに耐えながらも言った。


「キミが何処に行くかはわからないけど、せめてこの先は歩きやすくなる様に。これが俺の感謝の気持ちです。さようなら」

「あ、ありがとうございます」

 

 そう言い残して走り去る彼女を見ながら誠志郎は考えていた。

 彼女を救う術はないのだろうか。

 何から救うのかも分からない現状では何もしてやれない。それに、今はそんなことしている暇なんてないのだから。お金の問題が解決出来たらすぐにでも回復に長けた力の持ち主を見つけ出さなければならない。


 そう思っても気になってしまう。何故、彼女の痛みからは悔しさと悲しみが溢れていたのだろうか。

本日もご一読頂きありがとうございます。


星をひとつ頂けるだけで書くための活力になります。


よろしくおねがいします。

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