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ユリシーズ防衛 砂礫の街に立つ神の子

ガニス中尉は任務を終えた。しかし今度はこの都市を守る任務ができた。そんな義理はないのだが、他に行くところもない。まあ、巨大な敵が迫っている。虫たちも舌なめずりをしている。つかの間の、戦士の休息をとっても罰は当たらない。それに、神はもう死んだんだ。

動物には自意識がない。動物は単に目的の手段としてのみ存在する。

その目的とは人間である。

                      ――カント




8ブロックの中にいくつもの居住区があった。食料の生産は専ら地下で行っている。

地下の方が風や寒さを防ぎ、暮らしやすいと思われるのだが、それでも人間は地表で暮らしたいのだ。


長大な金属の壁の中で、何万の人間がうごめいている。まるでこちらの方が虫のようだ。


中央に都市の中核がある。まだ崩れていない建築物がひしめき合っている。巨大な3棟のタワーは恐らくエリートと呼ばれる人間の居住区だ。その周りに市政棟や軍務棟がある。ひときわ目を引くのがドームになっている巨大な建物だ。


これこそが何万の人を支える生命線。原子炉とジェネレーターを備え持つエネルギーの源。ここで電力と水、そして空気を浄化させる。俺たちの任務はその原子炉の燃料をアグゼリアから運ぶものだった。80名の兵を犠牲にして。


「ガニス、向こうに肉があるわ」


レイナが声をかけてきた。


肉。地下で作られる人工のたんぱく質と脂質を混ぜたまがい物。だがもはやほとんど家畜のいなくなったこの世界に、人類に与えられた貴重な恵みなのだ。肉、だけでなく穀物、植物も地下で生産される。さらに工場やいろいろな施設も地下にある。地下に人が住まないのは、地下の空気を汚してしまうからだという。瓦礫の町で生まれ育ったガニスにはよくわからない理屈だった。


「ガニスさん」


兵士が声をかけてきた。昨日『コア』をビビりながら受け取っていたヤツだ。


「あんたは、えーと」

「シュルツです。シュルツ伍長。おふたりは見学ですか?」


おふたりっと言ったって、今会ったとこだが、と言おうとしたが、めんどくさいので答えなかった。


「ご案内しましょうか?けっこう広いんですよ」

「いいじゃない。案内してもらおうよ。ねえ、酒場はないの?」

「おい、レイナ、やめろ。昼間っから」

「あら、いいじゃないの。そっちの兄さんも、おごってあげるわよ」


困ったような顔でシュルツが答える。


「あいにくそういうのは禁止で。けど、ブラックマーケットっていう場所なら、非合法にやっている店がいくつかあります」

「いいじゃない、行きましょ」

「この格好じゃ、入れてくれませんよ。軍人は目の敵にされてますから」


レイナがすかさずいかがわしい店に入っていくと、薄汚いローブを抱えてきた。


「ほら、これ着て。頭から被れば誰だかわかんないわよ」

「まったくお前は」

「いいから。さ、案内して頂戴。もう、お酒なんか飲めないかも知れないんだし」


その言葉でシュルツは決心したようだ。


「では、こちらから行きます。はぐれないで下さいね。なかは危険です。ある意味、外よりも」

「外よりも、か」ガニスはあきれた。


狭い通路を大勢の人間が行き交う。ほとんどの人間がなにやら荷物を抱えている。ここでの物資はみなリサイクルから生まれる。何一つ無駄にしない。人間の死骸だってリサイクルされるのだ。否応はない。そうしていかなければ、この星では生きていけない。なにより神はもう死んだのだから。


薄暗い路地をさらに曲がったところに大層なバリケードが築いてある。小さな入り口があって、そこにシュルツが声をかける。


「俺だ、シュルツだ。ダイソンはいるか?」

「おう、珍しいな。またカモられにきたのか?」

「ばかいえ。今日はちょっと訳ありでね。客を案内してきたんだ」

「なんだ?めんどうは起こさんでくれよ。そっちのお連れさんにもよく言い聞かせてな」

「わかってるって」


嫌な金属音をたてて小さな門が開いた。


「武器とか持っちゃいねえだろうな」

「もちろんだ。みんな丸腰だ」

「なら入んな」


ウソだ。ガニスはショットガンを、レイナはサブマシンガンを隠し持っている。

探知機もないようだ。犬がいたが、睨んだらすごすごと巣に戻った。


ゴチャゴチャした半地下のようなところに何軒かのネオンがついている。気違いだな。ガニスは思った。


外には飢えた醜悪な虫があふれている。さらに気のふれた殺人マシンが群れをなしてやってくる。

そんな状況の中で、何をしているんだ、こいつらは。


一軒の店に入ると、みながジロリとこちらを見る。しかしまた興味がなさそうに思い思いの視線に戻る。警戒はしているようだな。ガニスは可笑しくなった。


カウンターにつくと、それぞれ酒を注文した。高かったが、もう明日は飲めないかも知れないんだ。ケチケチしても始まらない。レイナはすぐに飲み干すと、すぐまたかわりを注文する。うわばみめ。


「みなさんも戦いに参加するんですか?」

「ああ、ショートストップ、だ」

「なんですか、それ」

「何でもない。まあ、遊撃隊みたいなもんだ」

「それって、俺らの後ろを守ってくれるやつですよね。俺らが撃ち漏らしたやつを」


マジに受け答えしなきゃよかった。ガニスは心底後悔した。


「とにかく万事うまくいくようにカンパーイ」

レイナが察して声をかける。


「はい。よろしくお願いします。ちょっと怖いんですが、皆さんを見てると勇気が出ます」


こいつは本当にお人好しなんだな。こんな奴が核爆弾背負って特攻かよ。いい加減、嫌になるぜ。ガニスは思った。


「あ、にいさん、またサボってる」

女が声をかけてきた。16、7の娘だ。シュルツの妹、か。


「うるさいな。今日は非番だ。それよりなんだお前、こんなとこで」

「商会の仕事よ。品物を届けに来たのよ」

「そうか、早く帰れ。ごろつきが溢れてるんだからな」

「わかったわよ。母さん心配してたわよ。たまには顔見せて」

「うるせえ、そのうち行くって言っといてくれ」

「じゃあ、ね。風邪ひかないでね」


出て行った。何も知らないんだろうな。れっきとした軍事作戦なんだ。言えるわけがない。


「お恥ずかしいところを」

「家族がいるのね」


なに聞いてんだ、レイア。そいつはダメなセリフだ。レイアは、言って、シマッタ、という顔をした。半分酔っぱらってるんだ。もう遅いよ、バカ。


「母とあいつを残していくのは気がかりですが、みんなのためですから。それにあいつももう16歳です。どっかの男捕まえて、いい暮らしさせてもらえば、みんな、しあわせ、に」

泣きやがった。


めんどくさいのはごめんだ。レイナにまかせておこう。ガニスはさっきから気になる気配を感じているのだ。何とも言えない雰囲気。虫ともノーマンとも違う。まして人間のものじゃないような。


「なんだてめえ、さっきからバカ勝ちしやがって。何のイカサマなんだ」

「ジョン、落ち着け」

「黙ってろジル。こいつさっきからおかしなイカサマやってるに違げえねえんだ」


隅のテーブルでポーカーをやってる4人組のひとりが喚いている。酒場でよくある風景だ。しかしその4人のうちのひとりからだ。気になる気配がするヤツ。


「証拠は、あるのか」


少年?いや女の声だ。さっきのシュルツの妹より若い。なんなんだ?


「このガキっ」


いきなり少女の胸ぐらを、大男はつかんだ。

「よせっジョン」


ガニスはそこへ歩いて行く。気配の主が何だか知りたかったこともあるが、大の男が女の子相手にやることじゃない。喧嘩ならだれにも負けない。それに、ちょっとむしゃくしゃしていた。理由はたくさん、ある。


「ぎゃっ」

叫んだのは大男の方だった。胸ぐらをつかんでいたはずの腕が、少女の細い腕につかまれている。それも変な方向にだ。


「やめろ、このガキ」


ジルと呼ばれていた小男がナイフを抜いた。

「いけねえっ」


ガニスが飛び出すより早く、小男は吹き飛んでいた。蹴られたようだった。早くて見えなかったのだ。


「いでででででぇぇぇ」


ゆっくりと捻じ曲げられていく腕に、大男は悶絶の表情を浮かべ、やがて泡を吹いて倒れた。


ゴトンと音がした瞬間、酒場はまた元に戻っていた。日常の風景なんだろう。誰も気に留めていないようだった。店の主人らしい男が飛んできた。


「あんた、また面倒起こして、もうやめてくれよ」

「あたしじゃない。こいつが悪い」

「そうだとしても、暴れるならほかでやってくれ」

「ほかで断られたから、ここに来たんだ。文句をいうな」

「どういう理屈なんだ」


怒りながら支配人は行ってしまった。


また、その少女は座り直してグラスのなかの液体を飲んだ。

前に、大きな人間がいるが、さっきから微動だにしていない。こいつからも妙な気配がするが、少女ほどのものじゃない。


「すごいわね、あの子」

レイナが近寄ってきた。

「あいつはいいのか?」

「いまのでしゃんとなったわ」

「すいません、お見苦しいところを」

目が赤い。きっと、レイナ相手に泣いてたんだろうな。知らないやつはいいな。レイナは歴戦の戦士だ。ノーマンの首をひねり落とすくらい、簡単にやってのける女なんだぞ。


「あの子は最近見かけるようになったんですよ」

「詳しいんだな」

「いえ、でも、どこからともなくあらわれて。どこに住んでいるかも、誰もわからない」

「こんな場所に出入りしてても、か」

「あの、向かいに座っている大きな男を怖がっているんですよ」

「なるほど、用心棒って、わけだ」


用心棒は何も飲まず、身動きさえしない。まるで死んでいるようだ。


「ガニス、あいつはマズイ。近寄らないほうがいい」


めずらしくレイナが怯えている。戦士の感だろう。


「まあ、死人みたいな用心棒だからな。きっとすごく強いんだろ」

「そいつじゃないっ。あの女だ」


レイナが震えている。どうしたんだ。


「行こう」


ガニスは二人を連れだした。レイナの感は当たる。今までそれで何度も命拾いした。

走った。とにかくここにいちゃいけねえ。そうガニスは思っていた。


3人は急いで出口に向かう。路地を曲がったところで、前にさっきの大きな用心棒が立ちふさがっていた。頭からすっぽりとローブを被っているので、顔までは見えない。


ガニスはショットガンの位置を確かめた。安全装置のレバーを跳ね上げて、発射するまでの時間を計算した。ショットガンだ。狙いはつけなくていい。その分早く撃てる。レイナはたぶんナイフだ。そのほうがサブマシンガンより早い。ふたりなら勝てる。そう判断した。


「無理よ。アトラスには勝てない」


うしろから声がした。


「ひっ」レイナが声を上げた。初めてだ。レイナが恐怖に震えているのを見るのは。


「おまえはなんだ?」


「失礼ね。あんたたちこそ何よ。コソコソと」


こいつ見覚えがある、とガニスはとっさに思った。街に入る前に虫に襲われたとき、ガニスたちを救ったあの茶色のローブだ。


「俺はガニス。昨日ここに来たアグゼリアの兵士だ。こっちはレイナ。同じアグゼリアの兵士。こっちは昨日知り合ったここの兵だ」


「そいつは何度か見かけた。妹がいる」


話が通じる。気違いではないな。少しほっとした。


「わかった。覚えといてやる。では死ね」

「まて、どうしてそうなる?」


わけがわからない。レイナは座り込んで歯を打ち鳴らし震えている。どうしたというんだ?


「あん?お前らが敵だからだ」

「いや、なんで。さっき会ったばかりだぞ」

「会っていない。お前らを認識していない。お前らは見ていた。それだけで敵だ」

「そんな理屈はない」

さっき店の主人の言ったことを思い出した。こいつは自分の論理で考え、行動している。そこにわれわれが介在する隙間などないのだ。こいつが殺すと決めたら、そうなるほかはない。そんな気がした。


「もういい。早く戻ってレモネードを飲まなきゃならないから。さようなら」


ローブのなかからミグザがのぞいて見えた。人には決して扱えない究極のオートマチック・ガン。連射されれば数秒で3人はひき肉、いや跡形も残らない。ある意味クリーンな武器だ。


「ごめんなさい、じゃまするつもりはなかったんです」


シュルツが謝った。バカな奴。謝ってどうこうできる奴じゃない。身のこなし、われわれの動きをすべて読み切っている。そして氷のように冷たいしゃべり方。こいつも気が狂っているんだ。この気の狂った星で。狂気のなかに理不尽なんてない。あるのは公平な死、のみ。ガニスは死を悟った。


「だからおわびにレモネードをおごらせてください」


バカか?恐怖でシュルツが狂った。まあ、その方がいいか。恐怖も紛れる。


「ほんと?3杯は飲んじゃうよ、あたし」

「いいんですいいんです、もう何杯でも。なんでしたら好きなだけ」

「やっほ、聞いた?アトラス。証人よ」

「ワカリマシタ、オジョウサマ」


機械?ヒューマノイド?え?なんでここに?


「行くわよ。ほら急いで」


ヒューマノイドがレイナを無理やり立たせる。レイナは泣きべそをかきながら従っている。


「はいはい」


シュルツが調子よくついていく。バカはいいな。しかしちょっとでも変なことしたらたちまち殺されてしまうだろう。ガニスはあきらめて両手をあげた。


さっきの酒場に戻ると同じテーブルについた。また来た、と店の主人があきれている。


ヒューマノイドの用心棒とガニス、レイナが座る。少女はもう座っていた。シュルツがグラスを抱えて持ってきた。


「どんどん飲んでください」

「悪いわね」


ぜったいそう思っていない。ガニスは確信できた。


「あんた、何もんなんだ?」

ガニスは当然の疑問を言った。


「死にたいの?」

「いやいや、いきなりなんでそうなんの。質問させてくれてもいいだろ。レモネードおごってんだし」


シュルツのおごりだがな。


「まあ、そういえばそうか」


少女は2杯目に手を出した。


「お腹もすいたなー」

「行ってくる」


めずらしくレイナが席を立った。しばらくしてビスケットを山盛り持ってきた。いったいいくらするのか。


「うんま」


ガニスたちは少女の食いっぷりにただ見とれるだけであった。


レモネードを飲み、ビスケットを頬張る。確かに人間だ。けれど普通の人間じゃない。人間じゃないなにかだ。ガニスはそう感じた。


「ふう。久しぶりにおいしかった。普段は虫ばっかりだから」

「え?虫?虫って、食ってんのか、あんた」


あとから腰かけたシュルツがビスケットを落とした。

じろりとそれを睨んだ少女に、愛想笑いをしながら拾うシュルツ。


「ほかに外に何食べられるものがあるの?」

「い、いや、君は外で暮らしているのか?」

「テリルよ」

「え?」

「あたしの名はテリル」

「あ、ああ、よ、よろしく」

「オジョウサマ。セイメイヲ ナノルノハ キケンデス」

「あ、うっかり。うっかりついでにこっちはアトラス。バイオノイドよ」

「オジョウサマ」

「へへへ」


バイオノイド?生体機械。究極の殺戮マシンじゃねえか?この星にまだあったんだ。こいつらが月をふたつに割ったんだ。


「なんでこんなもんがここに?」

「こんなもん、いうな。わたしの友だちなんだぞ」

「チガイマス ベビー シッター」


わけがわからない。ヒューマノイドが何体いても勝てない究極のマシン。金属より強靭な生体を持つ人型兵器。それがベビーシッターって、なんの冗談だ。


「ふう。おなかいっぱい。さて、帰る」


スッと立った彼女にガニスは声をかける。


「昨日は助かった。礼を言う」

「グレネードはもっとしっかり投げなさいよね。虫の汁が飛んできたんだから」


少女は覚えていた。いや、知っていたんだ、最初から。それでも殺そうとした。ますますわけがわからない。


「あの、よかったらわれわれと来ないか」


何を言ってるの、ガニス?という顔をレイナはした。そうだ。何かあればすぐ殺される、こんな危険な地雷みたいなやつを連れて帰ろうなんて。ガニスは、俺も気違いだな、と思った。


「いいよ」


断られるかと思ったが、すんなり来るようだ。レイナが、ああ、という顔をしている。


「さきに行ってて。すぐ後を追う」


あっという間に消えていった。あの、アトラスというバイオノイドも、音もたてずに。あらためてガニスはぞっとしていた。


シュルツと別れてガニスは資材倉庫の自分たちの宿舎に入った。あとから来ると言っていたが、ここまでに現れなかった。拍子抜けした感じだ。なかで大佐とユアが椅子に座っている。いや、座らされている、だ。


「遅かったな」


少女の声がする。


「ガニス中尉、説明したまえ」

レナード大佐が声を震わせながら言った。何が起きたか知りたくなかったが、想像はついた。


「は、こちらはテリルさん。そしてそこの大きい方はアトラスさんです」

「キミツジコウガ フタツ フクマレテイル」

「おい、こいつはヒューマノイドじゃ?」

「あーちがうみたいです。その、バイオノイドだとか」

「キミツジコウガ ヒトツ フエタ」

「バイ、オ?」


大佐は震えあがったようだ。無理もない。われわれより詳しい情報を持っているのだ。どんなに恐ろしいのか、われわれより知っているのだろう。


「このおネエチャンがいきなり入ってきて、いや、もとからいたように入っていた。すぐに捕虜になった。どうなってやがるんだ?」

ユアが喚いた。


「静かにしろ」


ガニスが叱る。


「今さっき知り合った。ここへ招待したんだ。いろいろ教えてもらおうと思って」

「あたしはそんな気はないぞ。何も知らない。そう言えとアクシズが言ったんだから」


アクシズ?


全ての呪いの元凶。この星の北の極にある機械でのみ運営されている指令都市。その中枢にある、すべての機械をコントロールしているAI。それがアクシズ。われわれ人類を根絶やしにしようと襲ってくる、ヒューマノイドの頂点。


「あんたはアクシズの指令で来たのか?」


大佐が尋ねた。


そうしたら、もうここは終わりじゃないか。こいつもバイオノイドなんだな。とっくに侵入されていたんだ。こいつはそういう任務を帯びていたんだ。だから目撃したものを殺そうとしたんだ。


ガニスはようやく納得した。すんなりついてきたのも、その任務のためなのだ。


「コタエル ギムハ ナイ」


大きいバイオノイドが言った。


すうっとその大きなバイオノイドから銃が突き出されるのが見えた。機械の奴らが使う絶望の武器、ガレット。弾丸も巨大だがそれが高速で撃ち出される。一発で巨大な虫でも粉々になる。ましてちっぽけな人間なら。


「大佐、すいません」


ガニスは心から大佐に謝罪した。

大佐は青ざめていた。





偶然出会った謎の少女、テリル。機械の親玉、アクシズの手先だったのか。相棒のバイオノイド兵士アトラスが強力な武器をガニスたちに向けた。

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