入学式
私は入学式が嫌いだ。
何故?それは簡単、校長先生の話が長いからだよ。
しかし、ここの校長先生の話しは、他の学校の生徒が見たら驚くかもしれない。
だって、校長先生の話がこれだよ
「えぇ、皆、楽しむ様に。」
身長はそこまで高くなく、しわくちゃの優しそうなおじいさんが凄い低い声で一言だよ!
私と同じ新入生も、口をポカーンと開けて固まっているし、先輩方は、苦笑いだし。
てか、それ以外もクオリティ高い。
吹奏楽の演奏なんて、迫力あってとても入りずらかったし。
あ、部活は、入らなくても良いそうです。
でも、まぁ、部活の種類多いけど特殊なのがいくつかあるのもびっくりした。
そんな感じで、流石は国から選ばれた人達が集まる学校、金かけてますね。
私が考え事していると、いつの間にか目の前にガタイのいい熊みたいな男の人が立っていた。
多分、担任の先生になる人だ。
「今日から3年間!貴様らの担任をやる、熊田 京也だ!よろしくたのむ!」
うん、五月蝿い。
てか、貴様らとか酷いなぁー
俺様系みたいな感じかなぁー
面倒くさそうだなぁー
「さっそくだが!貴様らを教室まで案内する!」
わー、凄いよ、保護者の前で堂々と2回!2回も私達を貴様らと言ったよ、この人のメンタルやばいよ。
一応、国から選ばれた先生だよね?
そんな事を考えてると、教室についた。
一言で言うと、豪華。
白い壁に金で模様付けされたシンプルな教室で、机も白、黒板は普通、普通!?
いやいや、なんですか!?
黒板だけ普通って、なんか違和感ある。
「貴様ら、自分の席が書いてある紙をここに貼っておく、自分で見て座れ」
あーはい、わかりましたよ。
えーと、私の席は、窓際の前から3番目か。
てか、さっきから男子からの視線が。
いや、モブキャラの私に向けた視線ではない。
うん、そうだよ。
まぁ、この高校にモブキャラがいる時点でおかしいんですけどねー。
その事に関しては気にしたらダメだし。
「はぁ」
「どうしたんだ?」
ヤバい、思わずため息が出てしまった。
「あ、いえ、なんでもありません」
「そうか。貴様ら!早く席につけ!」
いや、だからね。
急に大声出さないでくだい、先生。
耳痛いです。はい…
「貴様ら、席に着いたな」
そう言うと先生は廊下を覗いて誰もいないか確かめると、扉を閉めて、みんなの目の前にある椅子に座ると、はぁ〜、と力の抜ける感じのため息を吐いた。
「俺には、この役無理だよ」
そう言うと、もう一度力の抜ける感じのため息を吐いた。
うん?
さっきと同じ先生ですよね?
なんか、さっきの俺様的な感じから普通の人的なオーラに。
ほら、周りの人もポカーンてなっているよ。
それから、凄く気になる単語聴こえたよ。
役?
先生は、常に演じないといけないのですかね。
「そうそう、君たち、自己紹介と何か一言、言ってね」
うん、誰。
て言うか、自己紹介か。
大丈夫かな、私。
自己紹介、自信ないんだよね。
早く回って来ないで欲しいなぁ。
結局出席番号順らしく、すぐに私の番が回ってきた。
だって小夜だもん、さだもん、そりゃあ早いさ。
うぅ、なんて言おう。
「自己紹介と一言だぞ」
わかってるよ!
よし、もう目立ってもいいから言ってみよう。
「初めまして、小夜 灯火と言います。皆様と仲良く出来るように努力します。」
うん、マジテスカ、ワタシハ。
うわー、凄い目立ちそう。
視線辛い。
私は、逃げるように、自分の席に着いた。
「では、隣同士挨拶して、今日は、終わりだ」
そう言われ、私は隣を見たら驚いている顔があった。