第三話 名前が付いた!
三ヶ月。三ヶ月経ちました。同族達との交流もしました。レベルも上がり、スキルも増えました。その点感謝しています。でも、でも、あそこまでしごくことは無いだろ。まあぼやきながら軽ーく三ヶ月のおさらいをすると、こんな感じです。
:名前 なし 種族 魔族 ギフト 堅牢堅固 LV5 :
:スキル 「自己確認LV4」「速度大強化LV3」「逃走LV1」「封印中」「解析LV2」
という具合。そして、気付いている方もいると思うが、「自己確認」の表示は、LVが上がれば詳しくなった。
解析にも同じことが言える。でも、封印中のスキルは解析しても封印中のスキルとしか出てこなかった。
LV が5丁度になっているのは、5になったらまた偉そうな人の前に立たされたからなんだけど。そして、後半の1ヶ月で魔族語で話す事や書く事が出来る様になった。ほとんどローマ字と同じだったから書くのは楽だったけど。
会話出来るまで頭おかしくなるかと思ったわ。直接頭に情報入れられるんだもん。
そして今現在又偉そうな人の前に立たされている。
今までは何を言っているのか分から無かったが、今は分かる。でもちょっと何言ってるかわかんない。
いや、何言ってるのかって言うのは分かるんだよ?けどちょっと大仰すぎるって言うの?
「彼の者に名を与える。彼の者の名はスティング、そして古き契約により、スティングに力を授け、正式に我が一族に迎え入れる。」
またなんか大仰なこと言ってるけど俺どうすれば?≪個体名:スティングは個体名:ザルコスにより、名前を付けられました。それに伴い、ギフト:[堅牢堅固]の詳細情報を取得します。さらに、戦闘形態の設定を行います。≫
うお?よくわからんけど頭の中に情報が流れ込んでくる。えーと、何々、まず堅牢堅固の能力は、精神的攻撃を無効化する能力で、
さらに、自身の身体を硬化し、防御力を高める能力で、固くなれば硬くなるほど脆くなる。そして、硬化した部分は動かなくなる。……まあ、いい能力じゃないかなぁ。多分狼ぐらいには負け無さそうだし。で、次の戦闘形態の設定ってやつ。これってもしや自分の思い通りにできるのでは?ええっと、じゃあ折角能力が防御力向上系だし鎧っぽくして、兜は仕舞える様にして、後ナイフぐらい袖口?に仕込める様に、後関節は動くかチェック。動く。よし。後多分人間もいると思うから人間と同じぐらいに身体能力を抑制出来る様にしよう。≪個体名スティングが取得出来る抑制器官は[抑制の瞳]のみです。[抑制の瞳]を取得しますか?Yes/No ≫勿論Yes!
≪[抑制の瞳]を取得しました。何処に移植しますか?≫じゃあ…額で。≪了解しました。個体名:スティングの額に[抑制の瞳]を移植しました。[抑制の瞳]と波長が同調しました。[抑制の瞳]が進化しました。[封印の瞳]に進化しました。進化過程で分岐した[解放の瞳]を取得しました。[解放の瞳]を[封印の瞳]に重複移植します。≫ …なんか色々と手に入ってきた。いや、この場合、額に、か。まあとりあえず試してみよう。まずは堅牢堅固をまず右腕に!おお!確かに硬くなった。じゃあ今度は関節以外を硬化!おお!今度もできた!しかも硬くなっても動けるぞ!じゃあ今度は戦闘形態移行をやって…
「おい、楽しんでいるとこ悪いが、スティング、お主には力の試練を受けてもらう。3日ほど時間をやるから生き残る準備を整えて置け。」
「力の試練?何そ…何ですかそれ?」
「うむ、よくぞ聞いた。お前と他の子供達には、3日語、迷宮に入ってもらう。そこで生き抜き、地上に戻って来る。それが力の試練じゃ。まあ武器などなら東の倉庫へ、もし共に迷宮に行く者達を見るならば広場へ行くと良い。」
「ありがとうございました。」生き残る?つまり死ぬ可能性があるっぽいな。まあ多分大丈夫でしょ。こういうファンタジーには仲間はつきもの。まずは広場へ!