第ニ話 追いかけっこ
怪物。まさに怪物だった。あんなん友好的なわけねー。
魔族だぞ魔族。化け物に決まってんだろ。何考えてんだ俺は。
もしかしたら逃げれるかも知れな…いや逃げきるんだ。
目の前がもう真っ暗になるまで走った。
これで撒いたろ。
≪熟練度が一定に達しましたスキル「逃走LV1」を取得しました≫
≪熟練度が一定に達しましたスキル「速度強化LV1」を取得しました≫
逃げ切ってやったぜ。
あ、蜘蛛。解析。
≪蜘蛛≫
えい。また蜘蛛の頭潰れた。
何処行くか。ここで生きるのは嫌だしまたあいつらに会いたく無いし。
まあ上に行けば出口あるかも。
んぐ!何か胴に巻きついてきた!蛇?取れない。
「え?ちょっ待うぐっ」
い、岩に叩き付けやがった。え、ちょっと蛇?何処に行く気だ。
何処かに運ばれてる?しゃーない。この綱みたいのが解けぬ限り、大人しくするしか無い。
だって暴れても何も反応無いし。というかここどこ?
明らかにここ教室じゃ無いでしょ。
誘拐?いやこんな可もなく不可もないそこら辺の一般市民さらってもねぇ。
攫うならこう、なんかもっと金持ちっぽい例えば医者の息子とかでしょ。
そもそも教室にいたから先生に起こされて怒られる筈。
学校に誰か侵入して来たならパニックになって起きるはず。
と言うかまず魔族だの人と同じくらいでかい蜘蛛がいる時点でおかしい。地球でも無いかも知れない。
どうしてそんなとこにいるのかは分かんないけど。ああ、嫌だ。
何やっても平均か少し下。逆に言えばなんでも少しは出来るって事だけど。
でも一芸突出からすれば万能の方が良いと言うけど万能にだって不満な事はある。
しかもそれを嘲笑う様に何をやっても平均よりできる奴はいる。
顔も良く、運動も出来て頭も良い。性格は別として。
神様はそう言う奴らの味方。努力は天才に勝てない。
努力が勝てるのは秀才だけ。本物の才能には勝てない。何故なら学習速度の違い。
凡人の努力と天才の努力は違う。はぁ。いろいろ言ってスッキリした。
まあそんなのにも煩わされずに今死ぬギリギリの状況かも知れない。
今殺されないのも食糧としてお持ち帰りされてるのかも知れないし。
おわっ!いきなり放り出された。
?誰かいる。一人じゃ無い。解析。
≪魔族≫≪魔族≫≪魔族≫全員魔族か。終わったな。
「※※※※※※?」
「※※」
「※※※※※※※※※※」
「※※※※※※※※※※、※※※※※」
一人目が俺に手をかざす。
≪スキル「自己確認LV1」を伝授されました≫
おや?殺して食う!とかじゃ無いのかな?