第8話 村への道中
んぎぃぃ。よく寝た。ここが天国じゃなきゃ永遠の眠りについたわけじゃなさそうだ。
変な夢を見た。村の偉そうな人と蛇が戦っていた様な。後山の方から火柱とか上がったりもしてた気がする。うん。夢だ。夢に違いない。きっとそうさ。
さて、相変わらず何処に行けば良いのか分かりませーんの迷子だからなぁ。
とりま悪魔書でも。さてどれぐらい減ったのか。
残り、一個。いやいや、見間違いさ。(現実逃避中)もう一度。結果変わらず。これしか無いんだね。
ポチッとな。え、そんな能力かぐらい見ろ?そんなの貰ったらわかるさ。
≪強制進化中…強制進化中…。進化条件未達成。レベルを上昇させます≫
久しぶりの神の声(仮)。何が起こるのか。
≪熟練度が一定に達しました。レベルが5から6になりました≫
≪各基礎能力値が上昇しました≫
≪熟練度が一定に達しました。レベルが6から7になりました≫
≪各基礎能力値が上昇しました≫
≪熟練度が一定に達しました。レベルが7から8になりました≫
≪各基礎能力値が上昇しました≫
≪熟練度が一定に達しました。レベルが8から9になりました≫
≪各基礎能力値が上昇しました≫
≪熟練度が一定に達しました。スキル、[魂魄限界拡張LV1]を取得しました≫
≪熟練度が一定に達しました。レベルが9から10になりました≫
≪各基礎能力値が上昇しました≫
≪スキルポイントを100取得しました≫
≪進化条件を達成しました。上位魔人に進化します≫
≪熟練度が一定に達しました。称号『神の冒涜者』を取得しました。なお、称号『神の冒涜者』の効果により、スキル、[禁忌LV1]を取得しました≫
「……ほう!」
進化かぁ。強くなるのかな?きっとデメリットは無いだろう。
ん?
んん?なんか頭からなんか取れた。角?
更に?体しぼんでる?ま、別にチビってわけでもないしいっか。
≪スキル、性質変化を取得しました≫
ヤッフー新スキル来たー!
あれ?進化と新スキルに紛れて何かサラーッととんでもない事を言われた気がする!ワンモアプリーズ!
シーン。
チッ。まあとんでもない物を取ってしまった事は確かだ。
うじうじしても仕方ない。新しいスキルを解析!
名称:性質変化
効果:自分の性質を変化する。(例、粘着、硬化、伸縮など。)
文字通りだったわ。
で!それよりも気になる物!スキルポイント〜。
てれれてってってってー。
まあ何に仕えるのかは知らんけど。でもあれでしょ。ゲームとかだとなんかスキルポイントを消費してスキルとか貰えてスキルのレベルを上げられる優れ物!(だったら良いなー)早速解析!
名称:スキルポイント
効果:任意のスキルを取得する為の通貨。また。既に持っているスキルのレベルを上げることもできる。
バッチリ!じゃあ…あれ?どうやって使うの?
あ、こんな時は。俺にはスマホというチートアイテムがあったんだ!
もしもし?
うん。そう。え、念じるだけ?分かった。
じゃあねー。
まさか念じるだけで良かったとは。
今持ってるスキルポイントで取れるスキル一覧見せてくれ!
あ、出てきた。取り敢えず良さげなのを…これが良いかな。この[敵意感知]一つください。
え?何?一つも何もないだろうって?そんな事は気にしたら負けさ。
≪スキルポイント100を消費し、スキル[敵意感知]を取得しました≫
早速かいせ…いや、敵意感知にそれ以外の事があるか?いや、ない。
それより発動。視界に変化無し。脳内に何かが浮かんだりもしない。
あれ?MPとかが減ってない。まさかの常時発動。
これはきっとアタリスキルだ!ん?後ろ?
あ、蜘蛛。えいっ。
これ便利だわ。すごい便利。常時発動で敵を見つけられる。
後やる事はっと。まあ『村に帰る』だけ。
まあそれが問題なんだけど。どうするかな。
朧げな記憶を辿るか、誰かが来るのを待つか。どっちかだな。
まあ前者一択なんだけどね。誰かがって誰が来る?どうせ魔物っしょ。
という事で、えーっと…俺の記憶では村はあっち!
てくてくと歩き出す…が、少し歩いたら思った。だんだん森の中へ入って行っている気がする。
しかも唸り声が聞こえる。敵意感知も反応。でも目視では確認できず。これ、確実に迷ってね?
こういう時は確か高台に登るんだっけ。TVでそんな事を聞いた覚えがある。
高台高台…そんな都合よく高台があるわけ無いか。じゃあ記憶を信じて進もう。
完全に森の中だなぁ。それにしても、まだ敵意感知が反応してるって事は、敵がついて来てるんじゃ?
こんなちっちゃくて美味しくない獲物になんで執着するんだろう。
あ、道が広くなってる。でも多分こういうとこで敵が出てくるんだよなぁ。
やっぱり。何か地面から出て来た。花だわ。でも牙付きな事以外はあんま脅威には見えないな。
5メートルぐらいでかくなければの話だけど。まあもしかしたら見掛け倒しかもしれないし。
解析ー。
『ファングフラワー』
うわぁー。そのまんま。牙付いてる花でファングフラワーとか誰だ考えたのは。
でも現実で闘うとなると意外と厄介。速い、キショイ、でかいの三拍子。
あっ。でも花は花でしょ。どう頑張っても牙で攻撃する限り茎の長さが攻撃出来る範囲になる。
よし。後は経験値になってもらおう。まずそーっと近づいて、ここら辺かな?
攻撃来た!でも届かない。後は攻撃に合わせてパンチ。
ん?
さっきとはモーションが違う?
ペッ!ペッペッ!
なんか吐きやがった。しかも3発。もちろん回避。魔物の攻撃が唯の唾なわけないよな。
当たった場所の地面が溶けてる。これじゃ安地から少しずつ削る事は難かしいしちょっと木の陰で作戦考えよう。
作戦その一。当たるのを覚悟で突貫。
その二。逃げる。
その三。石を投げる。
取り敢えず石でも投げてみるか。じゃあこれを…投擲!
ボスッ! コロコロ…
効いてないな。あら?もしかしてあのモンスターフラワー怒ってる?
スゥゥゥッ、ベッ!
でかい唾吐きやがった!あんなもん当たったら死亡確定すんぞ!即死だ即死!
木の幹でガード!ジュージュー言ってるけどまあ大丈夫!はー危なかっ…おいやめろまさかまさか
ベッ!ジュワアァァ!
まだやるかあの花!もうやめて!いくら大木でもこの木のライフもうゼロよ!
ダメだ通じねえ!というか通じるわけねぇ!木が倒れる!耳塞げ耳!
ミシミシ…ジュワァ…ズズゥゥン!!
盾が無くなった。終わったな。逃げる…待てよ。木が倒れる方にいたのは!
やっぱり!所詮花は何処まで行っても花!潰れてやんの!
敵は自分が倒した木に潰された。ざまあ!大自然の力を思い知ったか!
あれ、まだピクピクしてる。サクッと止め刺しますか。プチっとな。
えっ?まさか再生する系?してるね。小ぶりになったけど。もはや1メートルそこら。
小さき花など怖くもなんともないわ!さて、刈っても死なない雑草の処理方法は一つ!抜く!
ブチィッ!
これでよし。後は高台を探す。ん?待てよ?性質変化をもっかい解析。
名称:性質変化
効果:自分の性質を変化する。(例、粘着、硬化、伸縮など。)
やっぱり。この粘着使えば木登れんじゃね?
登れたわ。ふっつーに登れた。そして朗報。村発見。よし。じゃあ次にちょっとした実験。
伸縮に性質を変化したら。ゴ〇ゴ〇のロケット!伸びねえ。もしかして。
木を掴んで、そのまま前に進む。やっぱり伸びた。これ自分から力かけないとダメなやつだわ。
そして離せば縮む、と。って勢い強!バチッて音したな。
さて、こちら絶賛迷子中のスティングです。え?さっき見つけたって言ったって?
もう迷ったんだよ!分かれよ!この森木が太すぎていつのまにか曲がってんだよ!
ハー、ハー。やめよう。もう木の上で村を視認しながら行こう。
うんしょ、こらしょ。ぴょんぴょん。我ながら木の上を飛び跳ねる様はノミのようだ。
もうすぐだ。頑張れ俺の足。!! 敵意感知が反応。何処?横?でもそこには何も…フツーにいたぁ。
飛んでんのね!良いなぁその羽。解析!
『飛槍』
そうか。使えねーな!槍が飛んで来てるぐらい分かるわ!てゆーかあれ何で飛んでんの?
もういい。硬化。効果あるか分かんないけど性質変化でも硬化。
あ、色変わった。強くなったと信じたい。あんな槍など弾いてやる。来い謎槍。
キィン!
華麗に着地。いや着木?まあそれはそうとして如何だね刃が欠けた感想は。
なんかあいつ回り始めたぞ。まさかドリル?威力強そうだな。
じゃあ今度は手の平を硬化して。来い!
よ!槍の柄を掴む。後はもうボキッとやるだけ。さて、また村を目指しますか。
またノミの様に跳ねる。
〜〜〜
そして着いたはいいものの。どうやって降りよう。