潜水艦は撃沈し砂に呑まれるのか?
「アイリアっ!危ないっ」
「きゃっ!?」
機関銃の銃撃からアイリアを右へと押し倒して庇うスキルト、そして二人のいた場所には銃弾が横凪ぎに飛んできて地面から砂埃を撒き散らし、頭上からは小型のミサイルが降り注ぐ、
『ドンッドンッドンッドンッ!!!』
「ぐっ!!」
「嫌っ!?」
スキルトとアイリアは走り出し、そのすぐ後ろに二人を追尾していた数初のミサイルが地面に当たり黄色い砂煙を巻き上げる。
「アイリア!」
「助けて!?」
スキルトはアイリアの手を取り再び走り出す、潜水艦型ロボットは地面に潜り二人に再度奇襲を仕掛けようと潜伏する。
「アイリア銃を撃とう?、奴には剣や魔法では歯が立たない」
「そうね、鉄の塊のアイツにはそれが良いわね」
二人は拳銃を握り締める、スキルトは何時でも潜水艦型ロボットを撃てる様にM1900を右手に持ち、アイリアはM39を両手に握り締め砂中から姿を現すのを警戒しながら待つ、
・・・奴は何処に居るんだろ?・・・・
・・・奴はあっちなのかしら?・・・・
スキルトは暑く照りつける太陽の熱気で頭がくらくらする中潜水艦型ロボットを警戒する、その側でアイリアは額から汗を地面の砂の上に垂らしながら険しい顔で気を抜く事なく辺りの砂を見つめる。
アイリアの垂らした汗は砂に当たると直ぐに蒸発して空気に混ざり消えてしまう、そして二人が奴は何処に消えたのか?と思った瞬間、
『ドバッーーーーーー!!!』
潜水艦型ロボットは水面に現れたシャチの様に砂中から飛び上がり、白いペンキでUー17と文字の書かれた黒々とした胴体を回転させて右側面から機銃を連射し、更に回転しながら背面のミサイル発射菅から約10ものミサイルを一斉発射してきた。
『ドドドドドドドドーーー』
『パシュッ!パシュッ!パシュッ!ヒュウゥゥゥゥ~~~~!?』
「危ないぞっこれは!!」
「きゃあっ!逃げなっ?」
スキルトとアイリアは慌てて駆け出し銃弾とミサイルの嵐から必死で逃げ回る、機関銃の発砲音と着弾したミサイルの爆発音が響く中、二人の紛い物の命を刈り取ろうと迫る無慈悲な潜水艦型ロボットは再度砂中に潜り身を潜める。
「まただ?・・・奴はまた奇襲を仕掛ける気だ・・・・・・」
「でも・・私達にはそれがまるで分からない?・・・・・・」
暫くの間辺りは静まり返り、二人の間に緊張感が針積める、次は潜水艦型ロボットは何処からどうやって奇襲攻撃を仕掛ける、
・・・機関銃か?・・・
・・・それともミサイルで?・・・
そう考えるスキルトとアイリアは御互いの背中をピタリと合わせて敵の奇襲に備えるが、次の攻撃はなんと真下から仕掛けられた。
『ドザァーーー!?』
『ドドドドドーーー』
スキルトとアイリアの間を割くようにして砂の中から頭を出した潜水艦型ロボットは二人を分断すると両側の機関銃で銃撃を加えてきた。
「くっ!!このっ」
「壊れろぉっ!!」
スキルトは右手のM1900を、アイリアは両手に構えたM39をそれぞれ撃って数発の銃弾を当てる。
二人の銃撃を受けた潜水艦型ロボットは、スキルトに撃たれた右側のUー17と書かれた文字の部分に3ヶ所も穴が開き、左側のアイリアに撃たれた胴体は貫通こそしなかった物のあちこち凹んでボコボコに成っていた。
「やったか?・・・」
「いえっまだよっ!?」
スキルトが仕留めたかと思うと、アイリアはまだ潜水艦型ロボットが稼働している事に気付いて更に銃撃を加えるが、潜水艦型ロボットは飛び上がり砂中に潜ろうとする。
「次こそ仕留めるぞっ!」
「殺っちゃえ!!」
スキルトは両手にM1900を構えて撃つが、射撃の反動で空中を舞う潜水艦型ロボットには一発も命中せず、アイリアは手持ちのM39が威力不足だと感じて背中に背負っていたレミントンM70ライフルで狙いを定めて潜水艦型ロボットが砂中に潜り込もうとした所を狙い撃った。
『ドーーーン!』
『カンッ』
潜水艦型ロボットの左側に穴が開き、そのまま獣が死んで力無く倒れる様に砂中に沈んで行った。