自由に走り続け 砂漠を掛け抜ける
「んっ!ラリアン連邦軍か・・連中は戦争でも、おっ始める気か?」
「アイツ等は邪魔ねぇ~~?避けて行きましょう」
「ラリアン連邦軍?」
「って何?・・国、軍隊?」
ビリー&ジェシカ達は遥か前方を進む軍隊の車列を見つけた、軍隊の格好はベトナム戦争時の米軍兵士の服装に似ており、色合いは砂漠の砂に混ざって隠れる為に、クリーム色と黄色の迷彩服を着ていた。
車列には兵士をギュウギュウ詰めに乗せた数台の緑色のトラックと、黄色い軽戦車が先頭を走っていた。
スキルト・アイリア達も彼等を見つめるが、ビリー&ジェシカ達が進路を変更したので、ラリアン連邦軍とは鉢合わせしなくて済んだ。
別に悪い事をしている訳では無いが戦争に巻き込まれたら非常に厄介なので、ビリー&ジェシカ達は進路を変更したのだ、そして連邦軍の兵士達の姿が見えなく成るまで彼等四人は砂漠を走って行った。
「あのぉ?ラリアン連邦軍って何ですか」
「国なの?ねぇ何なの、教えて頂戴っ!」
先程の兵士達は何だったのかと質問をするスキルト・アイリア達、その質問に対しビークルを走らせるビリー&ジェシカ達は周辺国家と情勢を詳しく教える。
「お前ら、知らないのか?・・良いか連邦つーのは北の森林地帯を治める国家で、現在は南部の山岳地帯に居を構えるナズリヤ帝国と戦争の真っ最中なんだ」
「今から七年前に、資源開発競争と政治的な対立、そして種族問題やら国境扮装に宗教争いって何から何まで、真っ向から違う国同士で、互いに怒りが限界に来て、爆発開戦って訳なのよ」
全ての悲しみは砂漠を挟んだ二大強国による戦争の最中、拡大する戦禍の影響で起きていた事だったのだ。
「迫撃砲の砲撃で、住みかの森林を失った魔物達、帰る家どころか、故郷たる町が、瓦礫と砂の下に埋もれてしまった人々・・」
「戦火の広がりは広範囲に悪影響を与えたわ、生息圏を出た魔物は生き残る為に凶暴化して他の生物や人間を手当たり次第捕食し、荒廃した砂漠にはチンピラ達が盗賊化して街道を歩く者を襲う」
ビリー&ジェシカは真顔で淡々と語る、二人にも誰にも止められない悲劇、それは誰にも止める事は出来ないのだ、スキルト・アイリアにも。
黙って話を聞いたスキルト・アイリア達であったが彼等四人の前には、だだっ広い砂漠から起伏の激しい砂漠に変わり、整備された街道と灰色のアスファルトが見えてきた、周囲にはサボテンと草花が本の少しだけ生えていた。
「おっ!景色が大分変わって来たな」
「風も強く吹いてきたしねっ!」
「ここには川まで流れている?」
「アッチには橋も掛かっている?」
ビリー、ジェシカ、スキルト、アイリア達は街道を通り、遠方に位置するビルタウンへと向かう為に橋の越えた先に打ち立てられた看板を眺めた。
『この先、ビルタウン・・50キロ』
『この先、サンドタウン・・20キロ』
Y字型に別れた街道の上にある青と緑の看板を見た四人の向かう先は、左側に書かれたビルタウン方面なので、看板に従い左折して50キロ先の町へと進んだ。
起伏の激しい砂漠の砂は徐々に黄色から橙色に成り、風に乗って飛び散る砂も多く成ってきた、そして彼等の後を付け回す不振な野犬の存在が有った。
「後ろから来るな?」
「何かがね?」
「あの・・何か居ますか!?」
「えっ何アレ、狼っ!野犬?」
その姿をビリー&ジェシカは後ろを振り返る事無く確認し、スキルト・アイリア達は振り向いた先に、数匹の野犬の様な物体の群れが自分達の後を追いかけている事に気づいた。
「アレは野犬や狼じゃねぇよっ」
「ロボット・ドッグ、戦前の警察、警備会社用マシン」
ビリーは真剣な表情で腰に下げたホルスターから、アスプレイ・ソードオフ・ショットガンを取り出し、ジェシカも険しい顔つきで懐からH&K・VP70マシンピストルを出した。
スキルト・アイリア達も応戦する為に腰のホルスターから拳銃を抜き取る、スキルトはサベージを、アイリアは右手にはユーベル・ルガーを、左手にはM39を握る。
そして、ロボット・ドッグ達は背中を開き背部に納めていた、レーザーガンを取り出した。




