どうやらこの場所はピラミッドじゃないな?・・・どうやら遺跡の残骸の様だね?
「この岩場は何か変だな?」
「まるで建物の残骸見たいね?」
二人が見付けた岩場は遺跡の様な残骸が沢山の岩と共に転がっていた、それは嘗ての多次元大戦時代の文明の成れの果てで有った。
「昔は立派な建物立ったんだろう?」
「それもかなりね?・・」
その残骸には沢山の四角い窓の跡が有り、高い建物で有った事が伺えた、岩場の岩もかなり大きく遺跡の残骸もかなりの大きさだ。
「これは?・・ひょっとして多次元大戦時代の遺物か?」
「多次元大戦って?・・・」
スキルトは頭に残っていた微かな記憶の多次元大戦を思い出し、アイリアはそれは何と聞いてきた。
「今から調度100年前の多次元世界同士の戦争の事さ?」
「それで?、その遺跡何かな、これは?」
スキルトの教えた多次元大戦の話を聞いたアイリアは遺跡もその時代の遺物である事を理解した。
「だろうね?、その大戦で世界は滅びて生き延びた様々な文明の人々は新しい文明と社会を作って現在に至るって分けさ?」
「ふーん?・・それよりさぁお腹が空いてるから肉を探しましょっ」
スキルトの歴史の授業よりも、肉が食べたいアイリアは鼻をクンクンさせて食べ物を探して歩き出す。
「あっ!あっちに食べ物の匂いがする!」
そう言い出すとアイリアは匂いのする遺跡の陰へと飛び出して行く、それを追い掛けるスキルト。
「アイリアっ待ってくれっ!」
「スキルト、食べ物は待ってくれ無いわよ!ほっといたら腐っちゃうもの?」
二人はやがて遺跡の残骸を積み上げて出来た雨宿りの休憩所の様な物を見付ける、その奥からは人の声と戦闘音が聞こえて来た。
「ひっひっひぃ~?、良い女だぁー」
「男は殺してしまえっ!!」
スキルトとアイリアは質の悪いチンピラの二人組みが、二人の男女に絡んでいる所に出会す。
「あいつらは何?」
「レイダーだ?(襲撃者、収奪者、盗賊)」
スキルトとアイリアが物陰から様子を伺うと、レイダーと二人の男女は共に遮蔽物に隠れ銃を撃ち合っていた。
「死ねよ・・雑~魚?」
「女は頂くぜっ!」
モヒカン頭の川鎧を着たチンピラの一人はコルトM1900拳銃を撃ち、
もう一人の背中にM70ライフルを背負った黒いレザースーツを着た、アフロヘアのチンピラは男女に火炎瓶を投げ付けていた。
「ぐっ!危ないっ移動しなければっ」
「きゃっ!?反撃出来ないっ!」
赤い制服に白いX型のサスペンダーと弾帯を付けて灰色のズボンを履いた、ベージュカラーの制帽を被った18世紀のイギリス衛兵の様な格好の金髪の男と、
白いコートと白い制服を着て、白いケピ帽を被り、肩から斜めに黒いストラップを垂らして緑色の医療バッグを持った黒髪ショートパーマの黒人女性衛生兵は、
遮蔽物から遮蔽物へと身を隠しつつ、銃撃と火炎瓶を回避しながら移動し、チンピラ二人に圧倒されている様だった。
「部が悪そうだね?・・」
「あの二人、助けましょう」
それを影から見ていたスキルトとアイリアは彼等を助けようと、チンピラ二人に音を立て無いようにそっと近付いていく、
「くらえぇーー!ファイアっ!!」
アイリアがそう叫ぶと赤い火の玉が指先から飛び出して、モヒカン頭のチンピラの肩まで飛んでいき命中すると、パッと弾けて燃え上がった。
「あっ?熱い!」
「後ろから敵だと、うらぁー!」
アイリアの火炎魔法にやられたチンピラは叫び声を上げて驚き、もう一人のアフロヘアの男は後ろに振り向きS&W、M39拳銃をぶっぱなした。
「誰だっ!死ね・・!?うわっ」
「死ぬのはお前だっ!」
拳銃をぶっぱなすアフロヘアに銃弾を物ともせずに人間の皮が張り付いた骸骨が突っ込んできた。
「あっ!?アンデッドぉーー!」
「うわぁ~~~~!?」
スキルトの体を見て驚き逃げ出そうとするチンピラ二人組みのレイダー達、それを逃がすまいと背中から斬りかかるスキルト、
「逃がすかっ!」
「ぐわあっ!・・・」
スキルトに斬られ、ブロードソードで背中におおきな切り傷を作られたアフロヘアのチンピラはドサリと崩れて動かなく成ってしまった。
「ひぃぃ!お助けーー」
もう一人のモヒカン頭のチンピラも逃げ出して行く、その様子を見た男女二人組みも危険だと判断してその場から逃げ出して行く、
「逃げるぞっ!」
「そうしましょう?」
男女二人はそそくさと、その場から砂漠の何処かへと逃亡して行った。
「逃がさないっ!」
『バンッ』
「うへりっ!?・・・」
アイリアは倒れている、アフロヘアのチンピラの死体からM39拳銃を剥ぎ取ると、モヒカン頭のチンピラの胸を撃ち抜いた。