この洞窟から這い出るぞ どうやって?
「そう言えば何でこんな所に居るんだろう?・・・」
答えの出ない考えを続けるスキルト。
「ねぇ~何で悩んでるの?」
アイリアは悩むスキルトを心配して話し掛けた。
「あっ済まない?、少し考え込んでしまった・・」
スキルトはそう返事を返す。
「それよりも・・・この死体の山は何なの?君が作ったの?」
「ううん?・・私は気付いたら?この死体の山の下に居たの、だからこの死体の山の女の人達はきっと私のお母さんなの?」
スキルトの問いにそう答えるアイリア。
「どうして、そう思うんだい?」
「ただ・・何となくね・・・」
不思議な娘だな?と思うスキルト、そして更に彼女に話を掛ける。
「アイリアは何時から?、ここに居たの」
「昨日かな?・・・」
アイリアの返事にスキルトはきっと彼女も僕同様にアンデッドで、この死体の山から産まれたのだろうと判断する。
「でも1日とは言え、ずっと一人で寂しかったの貴方が来るまでは・・」
「ああ、僕はこうして君と一所に居るんだ?・・何も心配は無いよ!?」
『ぐ~~うぅ~?』
その時!スキルトのお腹が中身が空だ何か喰わなきゃ死んで終うぞ、その心配をしろよ?とまるで喋っている様に洞窟内に鳴り響く、
「あっ!あはは・・恥ずかしいけどお腹が空いたね・・・」
「私もお腹空いたわ~~」
気まずそうに喋るスキルトに、アイリアもお腹が空いたと答える、スキルトはまだ何も口には入れて無いのだ、アイリアは数時間前にスキルトの血を啜っては居たがそれでも喉の渇きを満たす程でしか無かった。
「どうしよう?・・食べる物が何も無い?」
「先ずは、この洞窟を出なきゃね?・・」
腹を満たすには洞窟を出なければ成らないと考える、スキルトとアイリアはここから出ようと考えるが、スキルトの倒れて居た崖は高く、洞窟の岩壁は固くて砕く事も出来ない事に気付き再び悩む。
「あの月明かりの漏れている、天井の穴はフック付きのロープでも無ければ登れないし?・・」
「他の道も何処も行き止まりだしねぇ?」
スキルトとアイリアはまたも悩む、どうすればこの場から脱出できるのかと?、
『ドーーーン!』
そして二人が頭を抱えて居ると、突然!?洞窟の天井と岩壁が轟音と共に崩れた。
「ドッカーーン!」
「死ねぇ~~」
何やら外から野太い男達の声が聞こえて来た、そしてスキルトとアイリアは幸運にも崩れた月明かり射し込む天井と岩壁の崩れて出来た坂を掛け上がる。
「何だろう?」
「戦闘かしら!」
二人が天井に開いた穴から、おそるおそる外に頭を出すと、そこでは茶色い体毛の生えたゴリラの様な銃を構えたモンスター達が岩山の下方に位置する、銃を構えた黄色い制服のゾンビ兵士達に銃撃を加えて激しい戦闘を行っていた。
「ここに居たら危ない彼等とは反対側に逃げようっ!」
「そうねっ、そうした方が良いわねっ!」
二人が洞窟の穴から飛び出すと同時に、穴に一発のグレネードランチャーの弾が撃ち込まれた。
『ドーーーーーンッ!』
激しい音と共に先程まで二人が隠れていた穴の入り口に火柱が立つ、それを走って居た二人は驚き振り返って見る。
「ヤバかったな・・・」
「彼処に居たら・・・」
立ち止まっていた二人は火柱と、ゴリラとゾンビの戦闘を見ていたが、また攻撃がこちらまで飛んできたら危ないと判断して再び走り出した。
「遠くへ逃げようっ!」
「そうしましょうっ!」
岩山を下りながら走り出したスキルトと、アイリアはまるで無限に広がるのかと思える夜の砂漠の砂の上を走り出した。
砂漠の砂のベージュ色は夜の暗闇と混ざり、深い紺色に成り海の様な色合いと成っていた。
「ここまで来れば大丈夫だよね?」
「多分な?・・それよりも何か食べる物が欲しいな?・・・」
岩山から砂漠に下りて、かなりの距離を走ってきたスキルトとアイリアは、やがて立ち止まり辺りの景色を見渡す。
「彼処にピラミッドが有る?・・・」
「あの小さな点はそうかもね?」
遠くに小さな黒い点を見付けた、スキルトとアイリアはそう呟いた。
「行ってみよう、あの場所に?・・」
「食べ物もきっと有るわよね?」
小さな黒い点を目指して二人は歩いて行く、空かせた腹を満たすために食料を求めて、
「きっと有るさ、美味しい食べ物がね?」
「だよね!、お腹が空いてるから肉とかだと嬉いなぁ~」
そう言ってスキルトとアイリアは、砂漠の砂粒をサクサクと音を立てて、一歩一歩と踏みしめながら進んで行く、
緩やかな生暖かい風が二人の頬を撫で決め細かい砂粒を風で枚上げる中、二人は仲良く歩く。