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貴女は誰ですか?・・・貴方はだぁれ?・・・

「誰かの気配・・・」


 コツコツと足音が響く狭い小道を歩く、元青年の骸骨、彼はやがて天井に空いた穴から月明かりが射し込む空間に出る。



「綺麗だな?、ん!、あれは?・・・」


 骸骨が天井から射し込む蒼白く輝く光のカーテンと、月明かりに照らされた穴から、風に乗って砂漠から洞窟内入る銀色に輝く砂粒に見とれる。


 何時までも、その美しい光景を見ていたかった骸骨だが、近くに沢山の何かの積み上がった山を見付ける。



「?・・・」


 それは全て、腐敗しきった大勢の女性と少女の死体の積み上がった山で有った。


 皆一様に黒や灰色の継ぎはぎの有る襤褸切れを纏っていて、飢え死ぬ前から痩せ細っていたのか?。


 それとも、飢え死んでから干からびたのかは分からないが、とにかく沢山の死体が山積みに成っていた。



「んんんっ!!動いたのっ?・・・」


 山積みに成った死体の山の裏から、ひょっこりと姿を現した謎の女性、それを見付けた骸骨はと言うと。



「あっ?・・・その?貴女は誰ですか?」


「えっ?と・・・貴方こそだぁれ~?」


 と御互いに気まずい雰囲気が流れる、そんな中で骸骨の方から話を始める。



「僕は?・・名前を思い出せないんだ?」


「じゃあぁ~あ?スキルトって呼んで良いっ!!」


 突然に骸骨は、謎の女性にスキルトと言う名前を付けられてしまう、骸骨改めスキルトは何故そう名付けたのか?と聞くが。



「どうして?、そんな名前を付けたんだい?」


「だって?・・スキン&スケルトンだから縮めてスキルトよ?」


 名前の事を聞いたスキルトは、そう言われるが、【スキン&スケルトン】って何だ?と思う。



「あのぉ・・スキン&スケルトンって何かな?、そりゃあ~僕は骸骨に人間の乾いた肌が張り付いているけどさ?」


「貴方の事よ?・・私は貴方を見ると頭の中にそう言う名前が浮かんできたの?」


 謎の女性に質問をしたスキルトに対し、謎の女性はさも当たり前の様にそう答える。



「うーん?、どういう事かは分からないけれど・・取り合えず僕の名前は君の言う通り、スキルトにするけど君の名前は?」


「アイリアよ?・・意味は無いけど?自分で付けたの?・・・」


 スキルトは自分の名前を謎の女性の言った通りに、スキルトと決めたのだが。


 謎の女性に名前を聞いたら意味は無いけどアイリアに決めた・・・と聞いたスキルトは内心おいおい?何だそれと思う。



「何でアイリアって名前にしたの?」


「分かんない?・・ただ何となく」


 スキルトは、アイリアにそう質問するが、これ以上聞いても無駄か?と思い、アイリアと共に暫くの間はこの場所に留まるしか無いのかと考える。



「アイリア?暫くの間は一所に居ても良いかい?」


「うんっ?・・良いよっ!、スキルトは始めてのお友達だもんっ」


 スキルトがそう言うと、アイリアは一所に居ても良いと快く許可してくれた。



「友達って?、アイリアはずっと一人だったのかい?・・」


「うん・・凄っく寂しかった・・・」


 そうして、二人は地べたにちょこんと並んで座り、色々な事を話を喋り始める。 



「そうか?・・・アイリア、僕はずっと一緒に居て上げる、ずっとだよ」


 スキルトはそう言って、凄く寂しがり悲しげな表情で下を向くアイリアを励ます。



「有り難うっ!スキルト、私スキルトが居れば!もう寂しく無いよっ」


「そうか、それは良かった・・アイリア」


 アイリアの笑顔に、スキルトの骨と乾き切った皮だけの頭蓋骨の表情もつられて緩む。



「アイリア?・・所でさ?、僕はスキン&スケルトン、って言うんだろう?じゃあさ?アイリアは何て言う奴なの?・・自分の奴の名前は分からないの?」


「うーん!今までやった事はなかったけど一応やってみるねっ・・・」


 スキルトにそう問われたアイリアは、目を瞑り強く念じてみる、するとアイリアの頭の中にぱっと名前が出てきた。



『アイリア、魔法使い、種族、怨霊と死肉の集まり』


「出たよっ!、怨霊と死肉の集まり、だって?・・」


 頭の中に出てきた言葉を読んでみたアイリアが説明すると、スキルトは凄い名前だなと思う。



「と・・言うか?、僕もスキン&スケルトン、とか凄い名前だけど?前はこんな姿じゃあ無かったよな???・・・」


スキルトは疑問に思う、そして有る事実に気づく。



「今の僕はアンデッド?・・」


 彼は自分が元は人間だった事と、今はアンデッドの一種の骸骨である事に今更ながら気がつき、何故こんな姿に成ってしまったのか考える。



「何でこんな事に?・・・」


 しかし、いくら考えても答えは出てこず、時間ばかりが過ぎて行くだけであった。

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