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【7六歩】
翌2月。
三段リーグ編入試験を迎えた彼は
1つの試みを考えて試験会場に向かうのでありました。
全ての初手を『6八銀』(先手から見た場合)で行ってやろう。
彼が三段リーグを退会し、
アマチュアの棋戦に参戦するようになって感じたこと。
手堅い将棋よりも
自分らしい自由な発想で指したほうが楽しいのと
結果もついて来た。
その御褒美が
この編入試験なんだ。
と……。
しかし彼が編入試験で指した将棋。
棋譜は残されていませんが
どのようなモノであったのか?
を想像しますと
初手
【7六歩】
と言いました
手堅いモノでありました。
奨励会
と言う
エリート中のエリートが集う
奨励会の場でありましても
年原則4名しかプロになることが許されない
厳しい奨励会の空気。
その空気を
かつて
15年以上吸い続けて来た
彼だからこそ感じることの出来た
あの空気に押され、
自分が今。
指したいモノでは
必ずしも無い
指し回しを展開され、
最終節まで可能性を残すも
2勝及ばず
三段リーグ挑戦を終えるのでありました。




