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【宣告】

半年後。

退会してから触れることの無かった将棋盤に駒を並べ、

何気なしに手を進めていくうちに彼は

ある1つのことを見つけました。


(……将棋って面白いんだ……。)


三段リーグの年齢制限が近づくに連れ

忘れ掛け、

嫌いになる寸前にまで追い込まれていた彼が

退会から半年が経過し、

ノルマでは無い環境に身を置くことにより

発見した

新たな気付き。


(……将棋って面白いんだ……。)


時を同じくして彼は

将棋事業部を立ち上げる会社に就職。

普及活動を生業にする仕事に就きながら


アマチュアの大会に参加することを決意。

このアマチュアの大会。

大会によりましては

好成績を修めますと

プロ棋戦への参戦のほか。

半年前。退会となりました三段リーグに復帰する道筋が開かれましたり

更には

プロ棋戦で良い結果を修めますと

フリークラスのプロ棋士になることも可能であり、

実際何名かのかたが挑戦権を獲得され、

現在。プロ棋士として活躍されているかたもいらっしゃいます。


いらっしゃるのではありますが

この時点では彼は、

(……そこまでは)

と思いつつも

三段リーグ時代よりも

将棋への情熱を持ち取り組まれる

良い時期を迎えたのでありました。


そんな平穏な時を過ごす彼に

突然の報せが舞い込んで来るのでありました。


『舌ガン』


原因は不明であるとのこと。

ただハッキリとしていることは

4つあるガンの段階の内、

最も緊急性の要する4であること。

更にガンは舌だけでなく

顎にも転移しているとのこと。

ただ顎については初期段階であるため

根源である舌のガンを処置すれば

言語障害は残るが

克服する可能性があるとのこと。


このまま放っておくと

ガンの転移が更に進み

取り返しのつかないことになってしまうため

手術を決断するのであれば

一刻の猶予も許されないとのこと。


宣告を受けたのち

手術をしなくても良い可能性

(余生を楽しむ)

についての説明を受けた彼は

ガンを克服するため戦うこと

手術を受けることを選択。


手術は成功。

3ヶ月に及ぶ治療を終え退院。

職場への復帰を果たすのでありました。


職場に復帰し、

アマチュア棋戦に参加する傍ら

普及活動に精を出していた彼は

ある指導対局で

運命的な出会いをするのでありました。

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