表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創世する世界のイヴ # Genesis to the world's Eve  作者: 遍駆羽御
本編―――― 第2章 1000キュリアの祈り
37/139

第30話 召喚器制作 Ⅵ キリアナとは?

キリアナ戦線の旗頭になっていたキリアナとは? のお話。あなたの周囲にもキリアナがいるかも。ホラーですね。

 第30話 召喚器制作 Ⅵ キリアナとは?


 視点:北庄真央

 場所:竜族の国 北庄 北庄王城付近

 日時:2031年 7月15日 午後 1時07分


 砂漠の風景は何もなくて、ここで大規模な戦闘があったなんて事実はなくなってしまいそうだ。

 イヴなら、キリアナについて知っている気がした。


 あれから北庄の人間がキリアナを探しているのに一向に見つからなかった。

 案の定、巨大な石に座って刀を振り回していたイヴはあっけらかんとした表情でキリアナの正体を軽く喋ってくれた。


 イヴ『キリアナが見つからない? 当たり前であろう。あれはいないのだ』


 真央『どういうこと?』


 イヴ『そこが華井恵里の恐ろしいとこだ。異世界 リンテリアは通信網が発達していない。情報の信憑性を証明するのがもの凄く難しいのだ。残念ながら』


 真央『そう、そうね。携帯電話は王族や本当に一部の権力者のみ』


 イヴ『キリアナの趣味や好きな人物、嫌いなスポーツなどのパーソナル情報を軍の人間や民にばらまき、その上に不自然にならない突出しない行動情報や少しの美談を積み上げてゆく。ああ、この人が言っているんだから確かにキリアナという中級階級の軍人は存在するのだろう』


 真央『ふーん、怖い』


 イヴ『情報が武器にも防具にもなるが、この場合は人間になったのだ。そして、形のない人気者となったキリアナが国の秘密を知って消されそうになったと陰謀論を匂わせる。この国の識字率は未だ、半分以下なのだ。それは嘘を見破る能力に長けていない証でもある。当然、普段の王の酷さから感情論に走るであろう』


 真央『人は理性ではなく、結局、本能で生きる。それを理性で必死に隠している、か。昔、読んだ小説に書いてあったっけ』


 イヴ『その時点でキリアナという形の無い華井恵里のマリオネットは完成したのだ。実際に軍の何人かが1ヶ月前の土砂災害で死んでいるし、行方不明にもなっている。それも陰謀論として囁かれていた。国としては末期なのだ』


 真央『本来、あたし達が立て直さないといけないのに。良いの、イヴ?』


 イヴ『1年後、ピカピカにして北庄竜王家にお返しするのだ! 未来お姉様にも良い勉強になると言われているし、心愛が手伝ってくれるのだ』


 真央『暴走した貴族の粛正もしてくれるんでしょ、何でそんなイヴに益の無い』


 イヴ『違うのだ。ボクはこの世界を優しい世界にしたいのだ! それがお母様との最期の約束なのだ!』


 その純粋なイヴの台詞にあたしは絶対、イヴと結ばれるんだと決意した。

 そして、それは意外な形で訪れる。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ