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創世する世界のイヴ # Genesis to the world's Eve  作者: 遍駆羽御
本編―――― 第3章 眠れる天賦
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第118話 桜花ダンジョン攻略戦 1

 

 第118話 桜花ダンジョン攻略戦 1


 視点:凪沙南イヴ

 場所 地球 旧世界 東京都 千代田区、地球 新世界 東京都 凪紗南市 皇立桜花学園

 日時 2033年 4月10日 午後 1時30分



 メイシェが夕食の準備の為に帰り、少女神 リンテリアもロリエロ漫画購入の為に帰ったのを見送ってから、予達は皇立桜花学園の校門前で真央、ゆいと合流した。


 真央「お待たせ! みんな」


 ゆい「はぅ、真央ちゃん! 走るの速いよぉ。皆さん、お誘いありがとうございます」


 イヴ「更衣室で戦闘服に着替えた後、桜花ダンジョン攻略なのだ!」


 真央「1~20階まではトラップしかなかったけど、21階からは本格的に危険種動物が出て来るのよね! 気をつけなきゃ」


 イヴ「真央の言う通り、21階からは危険種動物が溢れていて、パーティーに15歳以上が2人、いないといけないエリアなのだ」


 りりす「イヴお姉様に、セリカ、アイシャがいるからそれはクリアだぞ」


 そんな話をしながら、予達は更衣室で各々、戦闘服に着替えた。武器も用意して桜花ダンジョンへと向かう。


 桜花ダンジョン前は入学式及び始業式ということもあり、人気のない場所になっていた。数人の学生の他には桜花ダンジョンの警備及び受付担当である警備員が二人、桜花ダンジョンの入り口である洞穴の右横、左横にそれぞれ、立っていた。

 普通は身分証明書の代わりになるステータスカードの提示が必要だが……予達は有名な為、そのまま、入ることができた。


 ~桜花ダンジョン攻略パーティー:凪沙南イヴ、凪沙南りりす、アイシャ・ローラント、セリカ・シーリング、北庄真央、新羅咲良、桃李ゆい~


 薄暗いダンジョン内を予が光魔法 ライトを使い、周囲を照らしながら少し寒い空気が流れる中をしばらく、無言で進んでゆく。

 毎日、ダンジョン内の道が違う為、マッピングは無意味である。だからこそ、転送装置のあるフロアを見つけるまで地下1階を彷徨わなければならない。

 りりすは罠を警戒しながら、無表情で進んでゆく。勿論、予、アイシャ、セリカ、真央、ゆい、咲良も罠を警戒しているが………地下1階は初等部がダンジョンに慣れる為のエリアなので罠は皆無と思っても良い。

 それをりりすに伝えると………。


 りりす「随分、難易度の低いダンジョンなのだな」


 イヴ「りりす。ここは学生が戦いを覚える為のダンジョンなのだ。地下2階~地下20階までの罠にしても落とし穴や、泥が飛んでくる等の罠しかない」


 りりす「地下21階以降は?」


 真央「皇立桜花学園の高等部の人が言うには他のダンジョンのレベルと同等の罠、危険種動物が現れる。レアイテムは地下100階以降って話だからそこまでは4月中にクリアしたいところね」


 ゆい「地下21階、怖いですぅ」


 ゆいのウサギ耳がヘタレって、それがゆいの感じている恐怖を表しているようだった。

 しかし、ゆいは震える足を一歩、一歩、動かしながら予達についてくる。意外に根性のある子だ。


 そして、いつものように眠りながら、咲良がゆいの後ろからついてくる。どうして、寝ながらそのような真似ができるのか、聞いたことがあるが……それは長年の勘らしい。


 咲良「ぐぅー」※よい子のみんなは絶対に新羅咲良ちゃんのように寝ながら歩いてはいけません。


 真央「咲良! こらっ、寝るな」


 咲良「ね、寝てないよ」


 と言ってから明らかに寝たであろう寝ぼけた眼を擦って辺りを見まわして「あ、桜花ダンジョンか……」と状況確認の為、呟いた。


 真央「まぁ、まだ、危険種動物が出てこない地下1階だから良いけど……」


 イヴ「あ、あったのだ。転送装置だ!」


 転送装置は一遍に十人くらい、移動できるサイズだった。円形に予達が載るとひとりでにホログラムウィンドウが開いた。予達が攻略してきた地下20階までの選択肢とこれから攻略するであろう地下21階が表示されている。勿論、予は地下21階を選択した。


 *


 地下21階は草原が広がるエリアのようだ。

 予達が周囲を警戒していると早速、目玉の形をしたゴールデンアイと呼ばれる危険種動物が姿を見せた。

 予達はそれぞれ、武器を構えてそれらの動きに注視する。


 真央「こちらから攻撃して行こう、イヴ。収集素材のない目玉なんかに通路を妨害されている暇はないわ」


 イヴ「了解。予とりりすは中距離で魔法を唱える」


 アイシャ「私と真央、セリカ、咲良で近距離攻撃!」


 真央「ゆいは中距離から弓矢で攻撃」


 ゆい「ふぁい! や、やってみせます」


 イヴ「異存なければ、以降、このパターンで攻略を」


 そう話し合った後、早速、アイシャが守護剣 デュランダルでゴールデンアイを真っ二つにする。聖剣無しでもアイシャは容赦なく、戦えることが証明された瞬間だった。

 残りのゴールデンアイは4匹。

 真央がゴールデンアイを投げ飛ばすと、投げ飛ばした先にはセリカの槍 冷厳なる雪月花槍があり、ゴールデンアイは串刺しにされる。

 残りはゴールデンアイ 3匹。


 イヴ「アイス スピア」


 唱えた氷の槍をそのまま、1番奥に居るゴールデンアイに投擲する。障害物もなく、そのまま、ゴールデンアイの身体に氷の槍が突き刺さる。


 りりす「トルネード」


 風魔法 トルネードによって巻き起こった竜巻に残りのゴールデンアイが巻き込まれる。風の力によってゴールデンアイ 2匹の身体は無惨にも引き千切られた。

 容赦の無い威力にドSのりりすは微笑んだ。


 りりす「これが我の手加減用魔法の威力ぞ」


 りりすの強さを知っている予達はそれに対して反論はできないと口を噤んだ。

 ゴールデンアイとの戦闘はこれで軽々と終了した。


 イヴ「予達はディスターやスカルドラゴンを倒して相当、レベルアップしたから地下30階の中ボスも楽勝であろう」


 真央「地下30階の中ボスって確か……先輩達の情報によるとスライムね。あのネバネバしてそうな感じが嫌いなのよね。実際はただの液体で、その液体が護る丸い物体がスライム本体なのだろうけど……どうしてもRPGのイメージでネバネバしてそうな感じが」


 咲良「液体、邪魔、丸いのに近づけない」


 りりす「そこは古代魔法で滅却すればいいぞ」


 ゆい「はわああ、このパーティーレベルが高いです。普通、古代魔法や魔法剣、治癒魔法なんて使えないですぅ」


 真央「このパーティーなら即! 200階とか、500階とかに行けそうね」


 セリカ「真央ちゃんの目がお札マークになっている気がしますわ」


 真央「だって、レアアイテムちゃんがあたしを待っているのよ」


 そんな事を話ながら探索を再開すると……予の目の前に何やら、他の雑草の生えた地面とは違う雑草の生えていない地面が見える。

 不思議に思った予は心理詠唱式で光魔法 セイントランスを唱えて、その光の槍を怪しいと思った雑草の生えていない地面にぶつけると……その下から落とし穴が現れた。


 イヴ「踏まなくて良かったのだ」


 真央「この下にアイテムがある! って気がしない」


 イヴ「間違ってもしないのだ」


 真央「いやいや、名探偵 真央の勘ではこの下にアイテムが」


 りりす「では、我とイヴお姉様の風魔法 エアを駆使して降りてみるか。我の予想では危険種動物が沢山のフロアだと思うのだが……」


 ゆい「怖いですよ、やめておきましょう」


 セリカ「わたくしは賛成ですわ。どちらにしてもこの階層で出現する危険種動物達ではわたくし達に傷をつけることは敵いませんわ」


 咲良「らちが明かない。先、ゆく」


 そう言って咲良はそのまま、下のフロア 地下22階へと続く落とし穴の中へと飛び込んでいった。


 イヴ「こうなったら、行くしかないのだ。未来お姉様より怖いモノがこの世にいるわけもなく、そういう観点から見たら楽勝なのだ」


 そう、予は結論づけて風魔法 エアを唱えてセリカ、真央の手を握り、二人と共に落とし穴の下へと飛んでゆく。


 りりす「ゆい、アイシャ」


 アイシャは渋々、りりすの手を握り、ゆいは怖々とりりすの手を握りしめて、りりすの唱えた風魔法 エアで予達の後へと続く……。





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