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創世する世界のイヴ # Genesis to the world's Eve  作者: 遍駆羽御
本編―――― 第3章 眠れる天賦
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第112話 飾らない笑顔

 

 第112話 飾らない笑顔


 視点 神の視点  ※文法の視点名です。

 場所 地球 旧世界 東京都 千代田区、地球 新世界 東京都 凪紗南市 皇立桜花学園

 日時 2033年 4月10日 午前 10時20分



 入学式及び始業式終了後、エレベーターに乗り、イヴ達は自分達の教室である1年4組を目指す。1年の教室は2階にあるので会話を楽しむ間もなく、2階へと到着する。

 廊下や床が汚れのない真っ白な空間であり、右側にはイヴの身長の2倍くらいの窓が幾つも取り付けられていた。まるで病院のように清潔さが保たれていた。

 イヴ達は廊下を歩いてゆく。


 既に学生達は自分の教室へと入っている者が多いらしく、様々な話題が乱れて一種のメロディーのように聞こえる。実に活気に満ちたメロディーであるとイヴは思っていた。


 1年1組、1年2組、1年3組と過ぎた1年4組のプレートの下に女性教師が立っていた。その女性教師はイヴの姿を見るといきなり、頭を素早く下げた。

 女性教師の立っている床には幾つもの、水滴が形成されていた。


 女性教師「妹を、ひとみちゃんを助けていただき、ありがとうございます」


 ひとみという名はすぐに思い出せた。イヴが治癒魔法で癒やした今年、中学1年生になる儚げな少女だ。


 イヴ「どうもです。予にできることを予は行っただけなのだ。その結果、ひとみちゃんが元気に中学に通うことができる。うん、ハッピーエンドなのだ」


 女性教師「はい。そうですね、ハッピーエンドです。あっ、私の名前は溝口あかりと言います。今年、大学を卒業したばかりの新米教師ですが1年4組の担任として頑張らせていただきます!」


 黒い瞳に涙を溜めて、それでも、笑顔で喋るあかり先生の飾らない笑顔にイヴ達は全員、良い先生に当たって良かったなぁと思った。


 りりす「ほう、今年、大学を卒業していきなり、担任? 相当、優秀な成績を大学で納めていたのだな。エース オブ エースというわけか……」


 あかり先生「エースなんて! とんでもないですよ、ただの東大卒の教師ですよ」


 あかり先生は眼鏡をくいっと片手で直してそう応えた。


 恭二「できる人の言葉だよ、今の……」


 桜花「ああ、できるな、あの人」


 セリカ「わたくし、今年”は”先生に迷惑をかけないように学業を頑張ります」


 アイシャ「あなたの場合、適切な回答欄にしっかり、書くところや、名前をちゃんと書くところから始めて下さい」


 セリカ「あら、言われてみれば、そうですわね……」


 プリムラが教室を覗いて――――


 プリムラ「どうやら、席についていないのはわたくし達だけみたいよ?」


 イヴ「そうか。まだ、時間にして10分、ゆとりがあるのに……4組は真面目な人が揃っているのだ」


 あかり先生「4組はイヴ様がいらっしゃる事を考慮して、イヴ様の信奉者を中心に集めてみました。ほら、去年の12月にアンケートを取った皇族の政治についてのアンケート結果を基にしているんですよ」


 イヴ「なるほど。どんな意図か、解らなかったがそういう意図か……」


 あかり先生「皆さんもいることなので早めにホームルームを始めて、今日は式だけなのでホームルームが終わり次第、解散しましょう」


 *


 あかり先生「それでは皆さん! これでホームルームを終了します。明日も元気な顔を見せて下さいね」


 あかり先生のホームルーム終了の声と共に再び、生徒達の声が飛び交う教室に戻った。生徒達はそれぞれ、配布された新しいタブレットと電子ペンを配布された鞄に詰め込む。新しいタブレットにインストールされた教科書を基に明日から勉強するので忘れたら大変だ。また、皇立桜花学園は偏差値が高いので予習は必須である。


 りりす「イヴお姉様」 アイシャ「イヴ」


 りりすとアイシャが同時にイヴを呼ぶ。

 解っている、あの件だという事は、とイヴは二人に頷く。


 プリムラ「またね、イヴ。わたくしはこれから昼食会よ」


 イヴ「またなのだ」


 恭二「桜花、僕達も帰ろう。これから入寮だから生活に必要な物を買いにいかないと」


 桜花「ああ、そうだな、恭二。それではさようなら、イヴ様」


 イヴ「バイバイなのだ」


 結局、残ったメンバーはイヴ、りりす、セリカ、アイシャ、咲良、メイシェのいつものメンバーになった。


 イヴ「りりすとアイシャの召喚器を手に入れた後、少し、桜花ダンジョンを攻略したい。桜花ダンジョンは部外者にも開かれているので予は真央とゆいを呼びたいと思う」


 りりす「我は異存ない」


 セリカ、アイシャ、咲良、メイシェも異存なしと頷く。


 イヴ「早速、真央に連絡しよう」


 腕時計型携帯電話のホログラムウィンドウを起動させて、真央に出すメールをホログラムキーボードで打ち込む。イヴは皇族の仕事やコラムの執筆などにキーボードを打つ機会があるので人よりも素早く文章を形成できる。

 慣れた手つきですぐに文章は完成する。


 真央へ

 桜花ダンジョンを少し攻略したいと思う。

 予達の桜花ダンジョン攻略階数は20階なので、21階から攻略スタートなのだ。

 メンバーは予、りりす、セリカ、アイシャ、咲良、メイシェ、真央、ゆいでどうか?


 イヴへ

 それで良い。

 りりすの古代魔法、咲良の拳があれば! レアアイテムゲット、間違いなし!

 バイト先が店舗改装の為、2週間休みで助かったわ。時代はまさにレアアイテム。幾らで売れるかなぁ……。


 イヴ「OKなのだ。しかし、売れそうなレアアイテムが出るのは地下100階以上なのだ」




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