第108話 朝食、好き嫌い
第108話 朝食、好き嫌い
視点 凪紗南イヴ
場所 地球 旧世界 東京都 千代田区、地球 新世界 東京都 凪紗南市 女王の館
日時 2033年 4月10日 午前 7時05分
予、りりす、アイシャ、真央、セリカ、恭二、恋歌、桜花で食卓を囲んでいる。今日のメニューは入学式ということでメイシェが照り焼きバーガーを手作りしてくれた。そのバーガーはりりすの下僕 メイヤと、女執事 アルテミス・ミスリル、コックのメイシェによって運ばれて今、目の前で熱々だよ! と言うかのように照り焼きバーガーが美味しそうな湯気を上げている。
照り焼きバーガー特有の甘辛い匂いが漂っている。
イヴ「んー、とても、良い匂いなのだぁ。しかし、朝からこれでは……。予は神様効果で太らないが他の者は大丈夫なのか?」
アイシャ「私はイヴと共に訓練をしていたから大丈夫ですよ」
真央「イヴん家の照り焼きバーガー、素材は最高級品! 食べないわけないわ」
セリカ「わたくし、太りにくい体質ですの。ですから……照り焼きバーガー 1つならば大丈夫ですわ」
恭二「僕は男なのでこれくらい、なんともないかな? 恋歌は?」
恋歌「これくらい、学校帰りにバッティングセンターによってバットを振り回せば楽勝だよ、ねぇ、桜花ちゃん」
桜花「ああ、桜花の素振りは豪快で凄かったぞ。しかし、そのバッティングセンターはディスターの攻撃により、破壊されている」
恋歌「嘘ー! 残念……」
イヴ「りりすはだい……じょ……はっ」
誰にでも譲れない生活スタイルというモノがある。時として、それは仲が良い同士でも争いの原因になることさえ、ある。
何で予がそんな教訓めいた事を心の前面に持ってきたか? というと…………予は今、とても、怒っている。
それはりりすに対して、だ。
りりすがあろうことか、照り焼きバーガーを分解し始めた。
パンズとレタスのみにして勝手に”レタスバーガー”にした。そのりりすの行為に予は怒った。
イヴ「りりす! 照り焼きバーガーの1番の中核を成すお肉をお皿の端に置く行為! 何故、そんなことをするのだ」
りりす「我は動物の肉は好かん。我は我の食べたいモノを摂取して生きる。これはイヴお姉様であっても覆せない我の嗜好」
予に妹がいると知って以来、予は照り焼きバーガーをりりすと共に美味しく食べるのを一つの夢にしていた。それが音を立てて崩れてゆく。ただの食わず嫌いと言う理由で。
そんなの予は許せない。
真央「ちょっ、ちょっと、イヴがキレるから、イヴ妹、とりあえず、一口、食べて美味しいね! って言いなさい。照り焼きバーガーはイヴの母親 リン様が幼いイヴに食べさせていた思い出の味」
りりす「た、食べられぬ」
イヴ「理由を言うのだ」
セリカ「あらー、イヴちゃん、みんなと仲良くしないと駄目ですわ」
イヴ「予はただ、訪ねているだけだ」
りりす「イヴお姉様、我は肉が嫌い。我は照り焼きバーガー派ではなく、レタスバーガー派。であるから、照り焼きバーガーの肉を拒絶する」
イヴ「ならば、無理矢理、食べさせる!」
りりす「我は食べん」
未来「何をしている。そんなに騒ぐなら朝食なんぞ食べずにさっさと学園へ登校しろ」
その一言で結局、予とりりすは照り焼きバーガーを食べずに登校するはめになった。
登校中に予とりりすは仲良く、ビスケットを食べた。
これでわだかまりが解けた。
イヴ「ビスケット、美味しいのだ」
りりす「このビスケット、美味しいぞ。我の脳内に記憶として刻んでおかなければ」




