第98話 反逆者との契約
第98話 反逆者との契約
視点 蓮恭二
場所 地球 旧世界 東京都 千代田区、地球 新世界 東京都 凪紗南市
日時 2033年 4月9日 午後 4時29分
僕は幼い頃、姫乃に出逢った。そして、僕は初恋をした。
初めてだった女の子の暖かな手に触れて、心臓の鼓動がどうにかしてしまったのか? ってくらいに速く刻んだのは。
イヴ『恭二! 木登りとやらを予もやりたいぞ!』
初めてだった女の子の甘い香りを嗅いで、頬の赤みがどうにかしてしまったのか? ってくらいに真っ赤になったのは。
イヴ『恭二。お前はぼっーするのが好きなのか? ほら、スズメさんなのだ。巣から落ちたみたい。巣に帰還させてあげるのだ』
初めてだった女の子の長い銀髪に触れて、脳みその中がどうにかしてしまったのか? ってくらいに混乱したのは。
イヴ『作り物ではないだろう。これはボクの自慢なのだ』
初めてだった女の子の銀金の瞳を眺めて、心の流れがどうにかしてしまったのか? ってくらいにおかしくなったのは。
イヴ『すまんが、これでさよならだ。いや、また、ねにしてこの静岡の地を離れよう』
昔と変わらない小さな手が姫乃――イヴ皇女様には似合わない刃が漆黒色の日本刀を握り締めて……昔と変わらない甘い薔薇の香りがするであろう銀色の髪を風に靡かせて……金と銀のオッドアイは昔のように正義に満ちていてここにいきなり、やってきて暴れているスカルドラゴンを強い眼力で見ている。
その眼力が最大限になった時、一瞬、日本刀を持つイヴ皇女様の手が何十にも見えた。いや、あまりの速さに僕の目が捉え切れていない? 一体、何度、スカルドラゴンの頭部を斬っているのだ?
その疑問を隣でスカルドラゴンの動向に気をつけていた池内桜花が呟きという形で応える。尤も、僕に教えてくれる為に呟いたモノではなく――
池内桜花「驚いた……。あの弱々しい姫乃さんが……いや、イヴ皇女様が一瞬でスカルドラゴンの頭部を同時に7回、斬りつけた。あれが凪沙南流。凪沙南流の本質は一瞬で勝負を決する暗殺剣……」
――という驚愕に満ちた言葉からも違うだろう。
僕は驚きよりも先にこれを教えた凪沙南未来天皇代理様を睨み付けた。未来様はまるでスカルドラゴンの攻撃が見えるか? のように躱し、たった一撃で勝負を決めていた。その戦いは余裕、そのものだった。
”そんなに強いなら、あんたが姫乃を護ってやればいいじゃないか?”
僕はその言葉を心に秘めた瞬間、もの凄い後悔が胸に押し寄せていることに気がついた。違う、違う。僕は…………。けど、その言葉を口にした瞬間、絶対になってしまう気がして自分の心にすら、誓いを立てることはできなかった。
”本当にそれでいいの? あなたは…………”
”だって、仕方が無いじゃないか! 僕には力なんて何一つないんだ! 何だよ、魔王属性って周囲の大人は何も教えてくれずにただ、この事は誰にも言うなって言われた………”
”魔王属性。それはヴァンパイア族の王族が保つ血を制する魔王の如き力”
”お前は誰だ? 誰なんだ!”
”私はあなたの中に眠る。そうね、さしずめ……リベリオン。そうね、リベリとでも呼んで、弱い弱いヘタレの蓮恭二君”
”ヴァンパイア族? 確か、勇者に虐殺された大昔に全滅した魔王 ルリアとその民の事だろう?”
”ふふふっ、それは歴史の表。本当は………クイーン王国こそがヴァンパイア族だった者達の国。そうね……クイーン王国のクイーンは古代には【天上に至る人の身 天の女王】という意味で使われていた。ヴァンパイア族は再び、その女王を己の国の頂きにして神との盟約の為に自ら、捨てた己の文明と文化を”
”何故、その魔王属性が僕に? ”
”ただの運命粒子のバグだよ。君の存在は……。全能たるデウス エクス マキナの海でさえ、そんなミスをする。時期に君は魔王の力を手にする。そこで私と君で取引をしないか?”
”何を……”
”能力に目覚めても君の力ではその能力を十全に使いこなせない。そこで私が君寄りに意識を重ね合わせれば、どうだろうね?”
”僕は姫乃を……護れる”
”違うよ、きょぉおじぃ………。君はイヴの柔らかそうなお腹に君の子を宿させることさえ可能なんだよ。勿論、君にはやってもらいたいことがあるんだ”
”えっ”
”いずれ、来る時、ヴァンパイア族の戦力がこの地にやって来て、イヴ・クイーン・ヴァンパイアプリンセスと合流するだろう。それは私達、陣営には困るんだよぉ。そこで私の力を使用した君の力でイヴか、ヴァンパイア族の戦力を足止めして欲しいんだよぉ”
なんだ……と僕はほくそ笑んだ。
それだけで、僕はイヴの身体と心を手に入れられるんだ。
もはや、”様”をつける必要はない僕とイヴとは同等だ。分かる、心の中で僕と会話している人物の力を使えば、そうなれることくらい。
”じゃあ、試しに私 リベリの力を使ってみる? 但し、それは私と契約して私と同じ反逆者になるってことだけど? ん。ああ、けど、きょぉおおじぃ、君がイヴを手に入れるにはこの方法しか……”
”やるとも。僕は初恋を初恋で終わらせたくない!”
目前でイヴがセイントランス 二刀流でスカルドラゴンと闘っている。明らかに力の上では僕より上だ。そして、賢い。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
僕はイヴを抱きしめるんだ。
恭二「弱いままではイヴ様を護れないんだ。姫乃を護れないんだ……」
恭二「なら、覚悟する。僕の道はただ、イヴにしか通じていない」
”よくぞ、決意したね。きょぉおおじっぃぃ、それでこそ、男の中の男だよ。やはり、人間の男は雌を追いかけている時が1番、光るね”
”どうすればいい?”
”疑似神化と呟いてくれればOKさ。それで君の意識の防壁が消える。そこに私が意識を寄せる”
恭二「疑似神化………。僕の力を見ていてくれ、イヴ」
<蓮恭二のステータスがこの戦闘時だけ変更されます………>
蓮恭二+リベリ
~ステータス~
Level 22+378
HP 4258+72752
MP 2395+55768
SOUL 3813+56973
STRENGTH 4155+68785
SPEED 1272+51002
MAGIC ATTACK 4399+85933
CONCENTRATION 5587+91805
DEFENCE 1915+72346
MAGIC DEFENCE 3511+49978
INTELLIGENCE 2515+103549
one-sided love ∞(少年らしいピュアな片想い) 素質 impossibility
適正魔法 魔王
常識外魔法 ――――
武術 ――――
装備
喝采の剣 攻撃 2870 レア度 N
精霊のコート(LEGEND RARE) 物理防御 2900 魔法防御 2777 姫乃に借りたコート。装備者の体格に合わせて自動調節します。 装備時のみ基本属性魔法半減。 また、姫乃により、治癒魔法 ヒールがエンチャントされています。後、10回使用可能。使用するのに、ヒールとイデアワードを呼称して下さい。




