なんだかんだいって、大人になっても夢は健在。
俺の正体が明かされぬまま半ば強引に話は進んでゆく。
なんか話が変なほうに流されてる気がしないでもないが、第3コマ目もガンつけていってみよwwオ――!!
「オッサン、こんなことしてるよりならさ、もっとマシな仕事見つけたら?」
俺はベンチに腰かけ、およそ10人の子供らに囲まれていた。
ワケを知らない奴が通りすがればなんとも微笑ましい様子であるところだが、実は違うんだな。
俺は一時のテンションに身を任せてしまったせいで、こうして子供ギャング等からの恐喝にあっているのだ。ちびっこもなかなか侮れん。
「うーん。あの、一応さ。コレが仕事なんだよ。俺の」
「無職がエラそーに…クスクス…」
「うん、全然平気だから。その程度のコトでメゲるおじさんではないから!」
「おじちゃん、なんか目から垂れてるよ」
「違う!これは断じて違う!えっと、説明できないけど違う!」
「おじさん、この世は全て科学で解明できるんだよ。知ってた?」
「なにオマエ!?子供のくせに科学者ごっこ!?」
「いや。この間テレビでやってたんだ。カッコいい言葉だと思って」
ナイスどや顔。ムカつくなぁ。
「キミは将来何になりたいんだね?」
「将来の夢?」
「ああ、そうだ。“えじそん”か?それとも“丸底フラスコ”か?それとも…」
「ボクの夢は駄菓子屋のオバアチャンの助手です」
・・・・・・・・・。
「うん、そっか。教えてくれてありがとうな」
「おじさんの夢は…あ、いいや。今の忘れて」
「なにキミ!今言いかけてやめたよね!?なんでやめた!なんでやめたァア!!」
「すいませんオッサン。オレもう帰るわー」
・・・・・・・・・。
「タメ口きくのは俺だけにしとけよ、坊主。社会に出ると恥ずかしいからな」
「わ―――ったよ。ジジイさん」
「アタシも腹減ったから帰る的なー?」
「お嬢さんはもっとやるべきことがあるんじゃないかな。今中3だろ、受験生に休みなんてな…」
「うっせェwwよ。アタシの勝手的なカンジ的な――。ねェ亜油羅ぁ」
「だねェwwwウチも彼氏待たせてっカラ、帰るわ――。またねェ摩鬼子」
・・・・・・・・・。
最近の若いコは名前までハイカラなんだから。
昔はね、“貞子”とか“お菊”とかそんなんばっかだったのによ。
なんだアユラって。化けモンじゃん、ただの。
ま、そんなことしているうちに、とっぷり暮れてしまいました。
子供たちも帰ってしまったし。
でも、アイツら、なんだかんだいって、毎回遊びに来てくれたりするんだよな。
嬉しいな。
たとえ金目当てでも、嬉しいな。
まあ……でも、ガキたちが帰ってくれたのは、この後の展開から考えて逆に好都合だったのかもしれない。
これからキミたち読者のみんなには特別に!こないだの秘密基地・建設予定地を案内してあげよう。
ただし、約束がある。
このことはまだ、キッズたちには内緒にしていてほしいんだ。
※約束が守れなかった悪いコにはお仕置きとして、俺にとりついている『運が悪い神』をもれなくプレゼントする。…予定。
ま、それも見てからのはなしだけど!
それじゃ、出発しんこ―――う!!
ハァーイ、到着しましたー。
今あなたたちゲストさんが立っているところ…そこがまさに、秘密基地に生まれ変わる場所(仮)なのです!
驚きましたか?いや、驚いて当然ですよねェ…。
だって、地下のハズなのに、地上が見えるんですから。
地下に下りる途中で、ゲストの方の1人が俺に尋ねました。
「ココは一体地下何階にあたるんですか」…と。
実はこれは非常に答えにくい質問なのです。
実際のところ、地下鉄が通っているのが地下の4,5階だと想定すると、今現在のフロアーは地下20階くらいになるでしょうか。もっと掘り下がるかもしれません。
「じゃあ、なんで酸欠にならないんだ」
いい質問ですね、旦那さん。
でも、それは企業秘密なので、残念ながら教えることはできません。
ただ一つ確かなことは、こんな地下深くでもしっかり植物が光合成しているということです。
もともと、植物は人間と共存していくソンザイだったのですが、今となってはジャングルの伐採や木材への加工がおこなわれ、自然界で見られる木が減ってきているのが現状です。
では、植物をどのように復活させていくかが課題となってきますよね。
樹木の復活に必要なのは、気力と体力、それから根気。
正直ムリではないかと思いました、俺。
だって日記も3日続いたことすらなかったですし。
チビだったころから、ずっと楽することしか考えていませんでした。
だからこそ、思いついたのです。
『楽して、立派な遊び場は作れないものか』と。
俺は小さいころから、考えてから行動するまでの速度が桁外れにズバ抜けていました。思い立ったらスグ行動!!これをモットーに、俺はタイムカプセルを作り上げました。
タイムカプセルといっても、チンケなものです。
当時中2の頃、技術の授業や理科の実験にどハマリしていましたから、ああだこうだと言いながら、ガチャポンの中にさまざまな木の芽や物質をいれて、ごちゃごちゃと組み換え、接着剤で固めたりしました。それを、ちょうど今ここに立っている真上らへんに埋めたんですね。
そのころはまだ地下鉄なるものが通っていなかったし、地面もふっかふかだった。
コンクリート?ナニソレ食えるの?状態だったんです。
コンクリートの無い時代なんて、あるんでしょうか。いまだに不思議です。
ま、そんな感じで。
木って、埋めたら上に、上に伸びていくもんですよね。
でもホラ。上をご覧ください。
「わあっ!木が…上から生えてる!?」
ナイスリアクション、アリガトウございます。
そうです。
なぜか、上ではなく下に向かって伸びているんです。
お天道様は…言うまでもなく、地上にあるはずなのに。
これも、ガキのころの大発明が理にかなった結果なのでしょう。
他にも、いろいろとあるので、続きは次回またお話します。
あ、心配しないでくださいね。
子供たちをココに連れてくる際は、最善の注意を払いますから。
では、地上に戻りましょうか。
頑張って敬語で語ってみましたぜ的な。なんか言葉の変化に慣れなくて今、大変なコトになってますでしょうゼィ。ま、気にしないでくれたまえ!!頑張るので応援してろよなっ!…以上。