宿屋
ちょこっとだけ文章を修正したんじゃよ。
私は基本何も考えずに文章を書いているので文章がおかしいときが多々あります。
文章が変だったときは教えてくれると喜びます。
・・・割と切実な願いだったりします。
カウルはブラットン邸を出た後、宿屋を探していた。
この世界はゲーム【アクロフェシア】と酷似した世界だが、少しずつ建物の位置とか数とかが違っている。
例えば宿屋がそうだ。アクロフェシアには宿屋がなかった。
宿屋のような部屋はあったが、オンラインゲームだったアクロフェシアでは宿屋に泊るという概念がなかったので、形だけの物だったのだ。勿論店員なんか居なかったから、完全に仲間と喋る休憩所と化していた。
先程その宿屋の様な場所に行ってみたが、そこは普通の民家になっていた。
あと今はお金に余裕がないからできるだけ安い所を探さないといけない。
アルファにいくつ寝泊まり出来る所があるかは分からないが宿屋の相場がわからないので全部の宿屋を回ろうとカウルは考えていた。
カウルがキョロキョロと辺りを見回していると、ギルドの受付にいた少女の姿が目に入った。ここで会ったのにも何かの縁を感じるし、ギルドの受付をしている位だからこの町には詳しいだろう。
カウルはこれはチャンスと言わんばかりに少女におすすめの宿を聞いてみる事にした。
「おーい、えっと・・」
「あ、カウルさん・・でしたっけ。お疲れ様です。依頼は終わりましたか?私はさっき仕事が終わった所なんですよ。」
少女はカウルの事を覚えていたみたいだ。カウルは美少女に覚えられていた事と、笑顔であいさつされた事が嬉しくて心の中でガッツポーズを取った。
「えっと、突然ごめんね。いきなりなんだけどおススメの宿屋とか教えてもらえないか?」
「宿屋・・ですか?そうですね、【穴熊亭】とかおススメです。3銀貨で泊れますし、朝食付きで共同ですがお風呂もあります。リラックスできますよ!」
3銀貨はカウルの全財産の半分以上だ。中々の出費といえる。
しかしギルドカード発行に必要なお金は1銀貨だし、朝食がついてしかもお風呂があるというのは魅力的だ。
「そこでいいなら案内しますけど、どうします?」
しかも美少女の案内付きだ。カウルはこの時点で迷いを捨てた。
どうせ装備は必要ないし(普段着は欲しいところだが)今は回復アイテムもそこまで必要ではないだろう。
緊急時の時の為にお金を少し残しておきたかったが、それも冒険者になって依頼をこなせばすぐに溜まる。
「じゃあお願いしようかな。荷物持つよ。」
「あ、ありがとうございます。」
少女は両手にたくさんの荷物を持っていた。カウルは何も持っていない。一緒に歩くのなら絵的に何か居心地が悪いし、案内して貰うのだからそれくらいはするべきだとカウルは考えていた。
「やさしいんですね。」
「いや、こんなのは当り前の事だよ。っていうか、でしゃばった感じだったらごめんね。」
カウルはこれくらい当然だと思っていたが、少女にとっては意外な行動だったようだ。
中々に好感度がアップしたみたいでカウルにとっては嬉しい誤算だ。(むしろ出会って間もないのにこんな事を言ったら気味悪がられるかもしれないと思っていた)
「そういえば受付さんの名前を聞いてなかったっけ。教えてもらっても良いかな?」
「あ、そういえば私名乗ってませんでしたね。私はアリスっていいます。」
少女の名前はアリスというらしい。なんてピッタリな名前なんだろうとカウルは驚いた。
名前を付けたアリスの両親を褒めてやりたい気分だ。
「いい名前だね。うん、ピッタリだよ。」
「名前で褒められるとは思ってませんでした。」
「そうかな、でもいい名前だ。」
アリスは名前をベタ褒めするカウルが少し変に見えたが、褒められて悪い気はしない。
アリス自身も自分の名前は好きなので何か誇らしい気分になってくる。
「えっと、ありがとうございます。ところで、カウルさんはアルファにどれ位滞在するんですか?」
「うーん、しばらくはアルファで依頼をこなすつもりだけれど、他の町も回ってみたいし・・どれ位かってのは分からないな。」
アリスの問いに対するカウルの答えは酷く曖昧な物だった。
まぁ、これは本当に分からないので仕方ない。ある程度文字を覚えるまでは居るつもりだが、それから先は何も考えていない。
他の町に移動するかもしれないし、ここに拠点を構えるかもしれない。
「でも、文字をある程度覚えるまではいるつもりかな。」
「そうですか、カウルさんが良ければ仲良くしてくださいね。」
アリスが笑顔でそう言ってくる。カウルはアリスの笑顔をみて、顔が熱くなるのを感じた。
「あ、ここですよ。お父さーん、お客さん連れて来たよ!」
「お父さん?もしかしてここって・・」
「はい。ここは私の家でもあるんです。ようこそ民宿【穴熊亭】へ!」
穴熊亭は素朴な、温かい感じのする所だった。
穴熊亭は3階建てで、1階は食堂兼宿屋の受付になっていた。
2~3階部分には窓が沢山ある。多分2~3階を宿部屋にしているんだろう。
カウンターは入り口にあった。そこには屈強で禿げたおじさんが座ってこちらを見ている。
耳が長いのでエルフなのだろうが、どちらかというとランプの妖精みたいな雰囲気がある。
ディズニーのアラジンに出てくるランプの精霊にそっくりだ。
「ようこそ穴熊亭へ。料金は1日3銀貨で朝食付きだ。」
「そうですか、今は1日分しか持ち合わせが無いので取りあえず1日だけお願いします。」
「あぁ、分かった。部屋は4号室でいいかな。2階の奥になる。」
「私が案内しますね。こっちです。」
カウルはアリスに案内されて部屋に向かった。




