乱戦2
ジャバウォックと戦い始めて30分程が経過した。
空を黒く染める程いたドラゴン達はジャバウォックとカウルの戦いに巻き込まれたり、何時の間にかいた青龍と白虎が倒したりして全滅に近い状態になっている。
ジャバウォックは右腕と尻尾が斬り飛ばされ、最早瀕死の状態だが、カウルも全身傷だらけでフラフラだ。
ジャバウォックが最後の一撃と言わんばかりにブレスの態勢に入る。
カウルも力を振り絞りジャバウォックの方に駆け出した。
ジャバウォックの喉を斬り裂いてブレスを防ぐ。
喉を斬り裂かれたせいでブレスが不発になったジャバウォックは怒りの咆哮を上げながらカウルの首に噛みつこうとする……が、カウルは噛み付き攻撃を後ろに下がる事で避け、後ろに回り込み両足を攻撃する。
ジャバウォックが両足の腱を斬られ膝をついた。
カウルは攻撃の手を緩めない。痛みで動きが鈍くなっているジャバウォックを攻撃していく。
「ガァッ!?」
ジャバウォックは小さい悲鳴を上げるがカウルは止まらない。
左腕を斬り飛ばし、首に剣を突き刺す。
ジャバウォックはカウルを睨み続けていたが、次第に動かなくなっていった。
ジャバウォックを倒した時には既に日が落ちて辺りは暗くなっている。
アルファの方も気になるが、カウルは体力も精神的にも限界だった。
カウルは回復薬を一気に飲み干すとジャバウォックの死体の上で眠りに着いた。
・・・
ジャバウォックは倒されたが、それで魔物達が止まるという事は無かった。
四聖獣達が魔物達を倒しているが間に合わない。
冒険者達も戦闘には参加しているが、実力が足りない彼等は暗黒大陸の魔物を倒す事はできない。
せいぜい罠で足止めをするくらいだ。
それだって数分の足止めしかできない。カウルがジャバウォックと戦っている今、自由に動ける戦力は四聖獣だけといって良かった。
四聖獣にも限界はある。
白虎がサイクロプスの攻撃を受けて前足を負傷した。
機動力が落ちた白虎は魔物の群れに囲まれ集中攻撃を受ける。
白虎は魔物達をなんとか倒す事が出来たが、瀕死の状態だ。
暗黒大陸の魔物達は止まらない。
アルファの護りは崩れつつあった。




