群れ3
グロ注意です。
白虎が地を駆けた跡に残るのは雷により焦がされた魔物の残骸のみだ。
白虎の狩り残しも青龍が両手に持った長刀で狩っていく。
それは一方的な虐殺に見えた。
見事なまでの連携で魔物を次々と屠っていく青龍と白虎。
ステータス的にはカウルとそれほど変わらないはずなのに、動きだけでこうも戦闘能力が変わるのか…カウルは少し悔しかった。
自分があんなに苦戦を強いられたアンデットの大軍をあんなに簡単に倒していく。
(上には上がいるな。)
カウルは青龍と白虎を見て素直にそう思った。
能力だけ与えられたチートな自分とは全然違う。
あっという間に魔物の大群はきれいに掃除されてしまった。
「これで終わりか?」
「いや、あの帽子男がいない。どこに消えた?」
青龍と白虎の言葉にカウルもマッドハッターの事を思い出す。
そういえば青龍と白虎が助けに入ったところ辺りから姿を見ていない気がする。
腐っても暗黒大陸のボスキャラなのだから倒したのも気づかないほど弱いはずない。
だとしたら何処かに行っていることになる。
「もしかして修行の間か!」
カウルがそう言って修行の間の方を見た瞬間
ドゴゥッツ!!
修行の間に煙と爆音が上がった。
・・・
修行の間
「くくくっ!楽しいねぇ。やっぱりお茶会はこうでなくちゃ!」
「ライナぁっつ!死なないでよぉ…」
修行の間の入り口にはマッドハッターが笑いながら佇んでいた。
マッドハッターの周辺にはパッソー夫人やグレン、ソモンやライナ…十字の騎士団の面々だった物が転がっている。
マッドハッターは修行の間に着いた瞬間、修行の間の壁を粉砕して修行中のパッソー夫人達を襲った。結果は瞬殺…パッソー夫人達が、だ。
・・・
襲撃は突然だった。
パッソー夫人達が修行を中断して休憩していると、突然壁が吹き飛んだのだ。
突然の事に呆然とする面々。
マッドハッターはその隙を逃さなかった。
最初にパッソー夫人の首を飛ばし、そのまま臨戦態勢に入る前のグレンの両腕を折った。
そして叫び声や壁を壊した音を不審に思った十字の騎士団の面々が入ってくる時にはソモンの腹に穴を開けていた。
惨劇に驚いた十字の騎士団の隙をマッドハッターは見逃さない。
十字の騎士団が武器を抜く前にアーサーを除く騎士団の面々を戦闘不能の状態にした。
腕や足を折られて蹲る面々を守るように剣を構えるアーサーに対してマッドハッターは右手を軽く振る。
突風――
吹き上げるような強風でアーサーは態勢を崩してしまう。
瞬間、マッドハッターの回し蹴りが炸裂して吹っ飛び気絶してしまうアーサー。
少し遅れてサラサ、ミンミとライナが来るが現状の惨劇に言葉を失う。
ミンミはそのまま気を失い、サラサは膝から崩れ落ちた。
「あああああああっつ!!」
ライナは怒号を上げながらマッドハッターに斬りかかる…が、簡単に避けられて腕を折られる。マッドハッターはそのまま足も折る。
「――っつ!?」
あまりの事に絶句するライナ。
言葉を発する暇もなく最後に首を折られた後、蹴り飛ばされた。
マッドハッターは絶望に染まったサラサを見ながらケタケタと笑っている。
サラサはライナだった物の所まで歩き、抱きしめて動かなくなる。どうやら泣いているようだ。
マッドハッターはそれを見ながら楽しそうに紅茶を飲み始めた。




