続・修行の間にて
ルーク達の場合
みなさんは十字の騎士団5部隊隊長のルークを覚えているだろうか?
カウルが砂漠に来た時にちょっと喋ったおっさんである。
ルークも実はオメガに来ていた。後で防御を担当していたので影が薄かったが実はいたのだ。
十字の騎士団はアーサーが飛び抜けて強いせいで他のメンバーが目立たないが、自力はあるのだ。
ルーク達の修行の間でのメンバーはルークを含めて3人、その全て部隊長で構成されている。
そんなルーク達は今、苦戦を強いられていた。
リングに上がって戦闘が始まった瞬間に回復役の僧侶である【ミア】が集中砲火を受けてしまったためだ。
ルーク達のパーティは前線を大剣使いであるルークが受け持ち、アーチャーである黒髪の青年【タイラ】が弓で遊撃、僧侶のミアが回復を受け持つ予定だった。
それなのに戦闘直後に弓を使うドッペルゲンガーがミアへ集中砲火、それに気を取られている隙に大剣のドッペルゲンガーによる攻撃でタイラが右腕を負傷してしまった。
相手が無傷なのがまた厳しい。
ルークは大剣を構えながら2人を守るように前に出る。
「タイラ、一旦リングの外に出るぞ。ミアの傷がやばい。」
ミアの体には弓矢が何本も刺さり、血が流れすぎている。
このままでは戦闘はできないし、下手したら死んでしまう。
「俺が敵を引き付けるから、ミアを頼む。」
「わかった。気をつけろよ。」
ルークは大剣を構え直してドッペルゲンガー達に向かって走り出した。
・・・
カウルの場合
カウルはみんなを見送ったあと、修行の間を後にした。
目指すのはオメガの最奥に位置する宮殿【四聖ノ宮】である。
宮殿とは名ばかりの部屋数もほかと比べたら少ないただの平屋だが、ゲームだったときに何かしらのイベントやクエストがあった場合必ず四神獣が集まっていた場所だ。
多分あそこは会議室か何かの役割を果たしているんだろう。
カウルは四神獣達にも暗黒大陸の魔物との戦いに参加してもらえないかと考えていた。
ぶっちゃけると少し修行しただけで全員が全員暗黒大陸の魔物と殺りあえるほど強くなれるとはカウルも考えていないのだ。
四神獣やオメガにいる魔物の力を借りることができえばかなり心強い。
そう考えながら四聖ノ宮に向かっていると、カウルの目の前に一人の男が現れた。
全身を灰色のスーツで包み、頭にはシルクハットを被った青年だ。
(誰だこいつ?魔物じゃなさそうだし…)
カウルが突然やってきた青年を不思議そうに見る。どこかで見たことがある様な気がするが、それがどこだか思い出せない。
「こんにちは。」
「こ、こんにちは。」
青年が爽やかな笑顔であいさつをしてきた。
カウルもそれに釣られて挨拶する。
「ボクの名前はマッドハッター。君を待っていたんだ。」
青年は爽やかな笑顔を崩さずに帽子を深く被る。
瞬間、地面が黒く染まり、大量のゾンビやスケルトンが這い出してきた。
その数は数えるのも面倒なほどだ。
そのあまりに異常な光景にカウルは只呆然と眺めている事しかできていない。
そんなカウルを見てマッドハッターは爽やかな笑みを浮かべながら声を上げた。
「さぁ、狂ったお茶会を始めようじゃないか!」
バイトさんが一人首チョンパされまして、その影響かバイトがナイトメアモードに移行しました。
そんなこんなで今まで以上に更新が不定期になるよ!




