転生者
短いです。
あとこれで第1章が終了だよ。
暗黒大陸の奥で一人の男が転生した。
彼の名前はシグルド・・彼はカウルがゲーム時代にギルドマスターとして率いていたギルド【星の子鬼】の副ギルドマスターだった男だ。
彼は別に自殺したわけでも、もちろん寿命というわけでもない。
シグルドはいわゆる金持ちのお坊ちゃんだった。
それを典型的な悪人に狙われて誘拐され、殺された。
シグルドは人間が嫌いだった。心を許していたのは両親とオンラインゲーム【アクロフェシア】でのギルド員それも極一部のプレイヤーのみだ。
金持ちとして生まれ、常に命を狙われ続け、両親以外には裏切られ続けたシグルドが人間を憎むのも仕方ないと思える。
シグルドは17歳という若さで殺された。
その後シグルドはアムニスという神の気まぐれによって転生というチャンスを得る。
・・・
シグルドは覆面をした男に殴られ続けたところからの記憶がなかった。
気付いたら何もない灰色の空間に横になっていたのだ。起き上がってみるとそこに一人の男がいた。
彼の名前はアニムス。彼は自分のことを神と言った。
アニムスはシグルドが誘拐されて、その誘拐犯の気まぐれで殺されたことを伝える。
自分が死んだことを知らされても、不思議とシグルドは何も感じなかった。
そんなシグルドを見ながらアニムスは1つの提案をする。
「転生、してみる気はあるかい?実は君の知り合いが最近転生した世界があってね。」
アムニスという名の神はカウルの名前をシグルドに告げる。
シグルドは両親以外では最も信頼していた者の名前を聞いてそこに転生することを決めた。
アムニスはシグルドにゲームのキャラの能力を引き継げることを伝える。
これはシグルドにとって嬉しいことだった。絶対的な力が手に入るのだから。
そしてもう1つ、アニムスはシグルドに選択肢を与える。
「君には選択肢を与えようと思うんだ。1つは人間として転生し、人として生きる道。もう1つは魔として転生し、魔人として生きる道・・・」
その言葉にシグルドは魔人を選択した。
例え信頼できるギルドマスターがいるとしても、人間の中に紛れること等、今更考えられるはずもない。
シグルドが魔人として転生した後、アムニスの笑い声が灰色の空間に響いた。
「くくくっ・・これでこれから面白くなるってもんだよなぁ。」
アニムスはそう言ってその空間から消えていった。
シグルドさんの転生前の名前は考えてません。
田中太郎とかでいいんじゃないかな?




