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憎しみx妖精x思い

ラミレシアです。こんにちわ!

毎日小説の事考えています!

ではリコの世界へいってらっしゃい!

朝日が昇ると同時に私達は馬に跨りネバルゲ村へ向けて出発した。

リンとレンは私の前に座り、レアラはケイトの前に座っている。

朝のうちはリンとレンとレアラは眠たそうにしていたが、

頭がやっと働きだしたのか1時間程歩いた所でレアラが口を開いた。

「ケイト、ネバルゲ村へは後どれくらいで着くのじゃ?」

レアラは後ろにいるケイトに質問するとケイトは唸って悩んだ挙句私に視線を送ってきた。

私は肩を竦めた後鞄から地図を取り出し位置を確認する。

「後1日って所よ」

私が答えるとレアラはわざとらしく顔を背けた。

(私絶対嫌われてる・・・)

私は軽い溜息を一つついた。


太陽の位置からして十五時を回っていた。

暑い荒野の中水を皆で回し飲みしながら進む。

「具合が悪い人はいない?いたらすぐ言ってね」

皆暑さにやられて返事がなかった。

悩んだ挙句岩山を見つけ休憩を取る事にした。


岩山の影に着くと、リンとレンとレアラは座り込み動かなくなった。

私とケイトは食料と水の確認をした後で現在地を確認した。

「後十時間も歩けば着くわね。」

私は地図と方位磁針を使い進行方向を確認する。

「リコも休んだ方が良くないか?」

ケイトは私の身を案じてくれている。

「大丈夫よ。それよりも馬を気遣ってあげて」

私の言葉にケイトは少し不満そうな表情をした後馬を見に行った。

すると突然背後から声がした。

「リン!大丈夫か?!リン!?」

振り返るとレンが慌てた様子でリンの名前を連呼している。

その動揺っぷりにレアラも横で目を大きくしている。

「どうしたの?レン」

私が声をかけるとパニックに陥っていた。

「リンの動きが変で頭を触ったら凄く熱くて!」

パニックのレンをリンから剥がし私は症状を確認した。

「凄い熱・・・40度近くあるわ・・。

それに熱中症の症状も出てる」

私はリンを地面に寝かせると鞄を漁り解熱効果の薬草を取り出した。

「レン、水をケイトから貰ってきて布を濡らしリンの脇と首、頭を冷やして!」

私の言葉にレンはケイトの元へ走って行った。

後ろではレアラが唖然と見ている。

私は薬草を小さな乳鉢に入れ磨り潰す。

レンとケイトは一緒に走ってきた。

「何が起こった?」

ケイトの言葉に私は短く返す。

「リンが熱を出したの。水くれる?」

「ああ。」

私は出来た薬草と共に水をリンに飲ませた。

後は早く熱が引いてくれるのを待つしかなかった。


レンはリンの体をとにかく水で冷やした。

しかし夜になってもリンの熱は引かなかった。

それと同時に私も焦りを感じていた。

もしかすると肺炎かもしれないと。

そして決心した。


「レン少し離れててくれる?

熱を全部取り除くから。」

私の言葉に対して不思議そうに見つめてくる。

「大丈夫。私に任せておいて」

私は儀式の準備をした。

地面に胡坐をかき目の前に宝玉の欠片を置く。

宝玉の欠片は透明ではなく少し黒ずんでいた。

「宝玉の欠片に秘められた力を我が此処に解放する!」

言葉と共に私の周りを青白い幕が覆う。

そしてゆっくりと膜が私から離れリンの体を包み込む。

それとは逆に黒い煙がリンの体から抜け、

宝玉の欠片に入った後私の体に飛び込んできた。

一瞬胸が苦しくなったがすぐに治った為私は特に気にしなかった。


離れた所からレンとレアラ、ケイトは儀式の一部始終を見ていた。


リンは次第に顔色がよくなり、正常な呼吸を取り戻す。

しかしそれとは逆にレンは体を震わせ虚ろな目で私を見つめている。

「お前が・・・」

レンは脱力してる私に近づき抱きしめた。

そして私の懐からナイフを取り出し私の胸へ突き刺した。

私は咄嗟の出来事で全く反応できなかった。



私は倒れて行く時レンの目を見つめていた。

レンは巫女である私を憎むように睨み付ける。

私は心の一部に穴が空いたような気分で地面に倒れこんだ。

血が服を染めていく。


薄れていく意識。

(死ぬのかな・・・私・・)


ケイトとレアラが何か叫んでいる。

そして私の意識は途切れた。




呆然と立ち尽くすレンにレアラが掴みかかり押し倒すと胸倉を掴んで叫んだ。

「あんた何してんの!?

リコはあんたとリンの命を救ったのよ!

一生懸命救ったのよ!

ふざけんじゃないわよ!

あんたには分からないでしょうけどね!

巫女は全ての犠牲なのよ?!」

レアラはレンの体の上に乗りかかり息を切らす。

「レアラもう止めろ!今はそれ所じゃない!」

ケイトは二人を引き剥がした後すぐにリコに駆け寄った。

レンは呆然とリコを見つめ、レアラは悲痛な面持ちで拳を強く握った。

ケイトはリコの傷の具合を服の上から確かめる。

「出血が酷い・・・後で怒られるの承知で服を脱がすぞ」

ケイトは意識が無いリコに言うと上着を脱がせ肌着にした。

傷口は心臓より僅か下だった。

鞄から厚い布を出すと傷口に当て包帯で巻いた。

ケイトに今できる事はそれしかなかった。

「頼む出血止まってくれ・・・」

ケイトは祈る思いで横たわるリコを見つめる。


レアラは虚ろな目でリコを見るレンを睨みつける。

リコの手首を触り段々弱くなる脈にケイトは体から血の気が引いていくのを感じた。

ケイトはもう何も考えられなくなっていた。

「どうしたらいい!誰か教えてくれ!」

ケイトはリコに向かって大声で叫んだ。

止め処なく涙が溢れる。


その時馬に括りつけられた鞄から青く輝く小さな光が飛び出してきた。

よく見ると光の正体は妖精だった。

妖精は青い花びらの洋服を身に纏い、髪が長く整った顔立ちの女性だった。

その場にいるケイトとレアラは珍しい妖精に釘づけになった。

「リコ様の命は私が救います。少し離れていてください」

妖精は唖然と座り込んでいるケイトに早く離れるように身振り手振りしている。

ケイトが離れると妖精が勢いよくリコの胸に飛び込んだ。




私は真っ白い空間に一人彷徨っていた。

「此処どこだろう・・」

辺りを見回しても何もない。

何があったのか目を閉じて思い出す。

「レンに刺されたんだ・・・。

そっかそっか・・」

私は一人でつぶやくと同時に、レンの目を思い出し少し辛くなった。


今まであんな目を向けられたことは一度もなかった。

私は一生懸命正しい事をやってきたつもりだった。

皆から褒められて自分は良い事をしてるんだって思ってた。

だから私はがんばってこれた。


自分の思いが自分の中で大きくなる。

私は間違っていたのだろうか・・・。


私は白い空間から段々暗い空間に落ちていく。



「まだ闇に落ちるのは早いですよ。水巫女のリコ様」

私の上空から優しい声が聞こえてくる。

「誰・・・」

問いかけと共にゆっくり上を見上げると青白く光る何かが落ちてきた。


そして私の目の前で止まると青白い光が喋った。

「初めまして、リコ様。私は先代水巫女様に使えておりました、テリアスと言います」

とても綺麗で透き通る声が私の耳に入る。

光が落ち着きよく見ると青い花びらの服を着た妖精だった。


沈みかけていた体が急に止まり、私は妖精を真っ直ぐ見つめる。


「先代って・・お母さん?」

私の問いに頷くテリアス。

「先代アーシャ様のご指示で鞄の中に入り、リコ様についてきたんです。

そしてアーシャ様は私にこう言っていました。


”きっとリコは自分を信じて正しい事をする。

それが自分に何か災いが降りかかろうとも正しいと思えばやってしまう。

だからテリアス、リコをお願いね”


私は此処にいない母を思い出すと涙が溢れた。

テリアスはまだ言葉を続ける。

「だからリコ様に私の命を与えます」

私は顔をすぐ上げテリアスに問い詰めた。

「どういう事?命を与えるって・・・テリアスはどうなるの?」

「私は自然に戻ります。妖精に生まれアーシャ様にずっと仕えて来れて本当に良かったと思うんです。

アーシャ様の子供も見れましたし。今度は私の子供を見守ってくださいませんか?リコ様」

私はどう応えていいのかわからなかった。

でもテリアスの真剣な気持ちは私の胸に届いた。

「でもレンは私を憎んでいた・・・どうすればいいのか・・・」

私の言葉にテリアスは笑顔で応えた。


「まだ悩む事はないんじゃないんですか?そうですね、簡単に言えば、

まだこれからだ。ではないでしょうか?」


テリアスの言葉の中に一瞬母を見た気がした。


「そっか・・・まだこれからだね。私がやるべき事は。

ごめん、泣き言言うなんてほんと私らしくない。

テリアスありがとうね!」


私の体は段々と上へ昇っていく。

テリアスも私についてくる。

そして私の胸にテリアスは私の思いに呼応するかのように飛び込んだ。




目を覚ますと砂の上に寝転んでいた。

「此処は・・・・」

右を見るとケイトは涙を浮かべ唖然としながらこちらを見ている。

「ど・・どうしたの?ケイト」

「リ・・リコ!リコォォ!」

ケイトは寝転ぶ私に抱きついてきた。

良く見れば私は肌着のみ。

「キャァァァァァァ!」

私は絶叫すると共にケイトを思いっきり殴っていた。

吹き飛び動かなくなるケイト。

周りを見渡すと私の服が落ちている。

恥ずかしがりながらもすぐ服を着た。

「ハァハァ・・一体何!?」

私は再度倒れているケイトを見る。


次第に私の背中に視線が二つ向いているのを感じ振り向くと、

レアラとレンが驚きで目を丸くしていた。

私は座り込んでいるレンと目が合うと真剣に見つめ返した。そしてレンに向かって歩いていく。

私はレンの前に来ると立ち止まり、しゃがみこんだ

レンは怯えた表情で私を見る。

私はレンを優しく抱きしめた。

「レン、私は貴方が思うとおり巫女よ。貴方の村で何があったかわからない。

貴方が私を快く思っていないのもわかった。

でも私は貴方の村へ行って皆を助けるわ。

もうやれる事はそれしかないから。

レン・・・ごめんなさい」

私はそれだけ言うとレンから離れ、倒れているケイトを起しに行った。


その後レアラとレンは何かを話していたが私は知らない。

でももうやるべき事は目の前にあるんだと強く心に叩き付けた。


気絶しているケイトを岩陰に運びこんだ後、

今更だがレンに刺された場所を確認すると完全に完治していた。

「テリアス・・・お母さん・・・」

二人の事を思うと胸が温かくなった。


寝ているリンに近寄り具合を確かめると気持ち良さそうに眠っていた。

あんまり良く眠っていたので私はもうしばらくそっとして置く事にした。


私がリンに近づく時からレンはずっと私に視線を投げかけている。

その視線が妙に胸を騒ぎ立てるので、私は荷物を整理し気持ちを落ち着かせようと考えた。

地面に落ちている鞄と宝玉の欠片を拾い上げ岩陰に移動し腰を降ろした。

そこへレアラが珍しく歩いてきた。

「リコちょっといい?」

私はリコを見上げた。

「ん?どうしたの?」

レアラが立ったままだったので私は横に座るように誘導した。

「どうしてあんな事したの?リンは死ぬ運命だったでしょ?」

私はレアラにそんな事を聞かれるとは思っていなくて驚いた。

それと同時にこの子は巫女の事を知っていると思った。

「うーん。救える命だったから?」

私の言葉にレアラは目を見開いた。

「貴方バカ?!宝玉の結晶がもう既に限界来てたの知ってたでしょ?!」

「知ってたよ。勝手に体が動いちゃったの」

「自分の命が危険に晒されるのに?」

「私の命なんてたいした価値なんてないわ。

それよりも私には守りたい物があるの」

レアラは信じられないような目で私を見る。


「童は・・・・」

レアラは急に目線を地面に向け黙りこんだ。


「レアラとこんなに沢山話すのは初めてだよね」

私は下を向いているレアラを他所に一人空を見上げながら言う。

「レアラは私の事嫌い?」

私の質問にレアラは何も応えない。

「私はレアラの事好きだよ。

少しだけ聞こえてた。レアラがレンに言った言葉。

ありがとう、レアラ」

私はレアラの頭を軽く抱き寄せた。

レアラは唖然と私を見上げたがすぐに下を向いた。

気のせいかもしれないけれど、レアラが少しだけ笑った気がした。



しばらくするとケイトは意識を取り戻し、準備をしている私に怒ってきた。

「リコ!酷いじゃないか!心配した俺にいきなり殴るとか!」

「いや・・つい・・ごめん!」

レアラからナイフで刺された時の状況を聞いていた私は、頭を下げてケイトに謝った。

そんな私達を見てレアラは隅で笑っていた。

私達も釣られて笑ってしまう。

その後はケイトも準備に加わってくれた。

レアラは私とレンの溝を気にしてか、積極的にレンに話しかけて誘導してくれていた。

私はケイトと馬の手入れをするレアラに近寄って頭を撫でた。

「ありがとう。レアラ」

私は一言だけ言うとすぐにその場を後にした。



準備が終わると今度はレアラの提案により馬に乗る配置を変えた。

ケイトの前にレンとリンが乗り、私とレアラが一緒に乗った。

一同はネバルゲ村を目指す。

読んでいただきありがとうございます!

まだまだ書きます!またきてね!

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