表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の異世界生活はどうにも波瀾万丈なようです。  作者: 有木苫占
第二章 おっぱいがいっぱい?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/57

23 僕とニーナの訓練

「妖精と老人の処遇が決まったんだったら、僕達はいつまでこの村に滞在していていいの?」


 カカシもニーナも僕達は妖精と老人の件が片付くまでこの村に滞在すると言っていた。


「急ぐ旅ではないから、アルの呪文が安定するまでこの村に滞在させてもらえると助かる」

「そのつもりだよ」


 トニーの申し出にシーナは快諾した。


「滞在費用の方は……」

「いいよ。いらない。ニーナの指導をしてもらうんだから、こっちの方がアルに報酬を支払わなくれてはならないよ」


「それはいらない!」


 僕が即決するとトニーも頷いた。


「じゃあ、滞在費もなし!」


 トニーとシーナの間で話がまとまった。





「アル様!師匠!ノン様!おはようございます」


 翌朝、朝食前に祠巡りを済ませようと僕とトニーとノンが部屋を出ると、廊下にニーナが待ち伏せしていた。


 アンナにべたべた付きまとっていたエネルギーで僕達に接するのか、と身構えた。


「本日からよろしくお願いいたします!」


 ニーナはキッチリ九十度に腰を曲げ頭を下げた。

 

「おはよう。いつもこんなに早起きなの?」


「いえ。枕元で精霊達が光ってアル様達の起床時間を知らせてくれました」

「朝っぱらから騒がしいね」


 元気なニーナの声に起こされたのか寝間着のままのシーナが部屋から出てきた。


「シーナ様♡ おはようございます!」


 昨日、説教部屋で叱られてもニーナはまだシーナへの熱は冷めていないようだ。


「祠巡りに行くけど、シーナも来る?」

「ああ。後から追いかけるから先に行ってていいよ」

「ニーナに基本の指導をしているから、きっとすぐに追いつくさ」


 精霊達の声が聞こえないトニーの予測は当たった。



「あらあら、まだこんなところにいたの!?」


 ペンギンのようによたよたと歩くニーナに着替えたシーナが声をかけた。


「シーナ様!魔力循環をしながら歩くなんて難しすぎです!そもそも、体中に魔力を循環させるのが難しいんです!」


 一つ目の祠で僕達に追いついたシーナにニーナは泣きついた。


「だから、最初から全部上手くやろうとしなくていい、って言ってるじゃん」


 僕がため息交じり言うとトニーとノンは頷いた。


「一般的に、洗礼式前の子どもは体内の魔力を動かせれば十分頑張っている方なんだ。アルみたいに魔力を体中にグルグル循環させられるようになるのは上級魔法学校生になる頃くらいだぞ」


「個人差はあるだろうけど、私も上級魔法学校生になってから意識せずに体中に魔力を循環できるようになったわね」


「魔力をおへその周りでグルグル回しているだけでもいいのね」

「「「それができるだけで上出来だよ!」」」


 僕達が声を揃えて褒めると、ニーナは体中に魔力を循環させようとして強張っていた体からストンと肩の力を抜いた。


「そうそう。お腹の周りでグルグルしているだけで体の中の魔力がほぐれる感じがするでしょう?それでいいのよ」


 シーナはニーナのお腹のそばに手を当てるとグルグル回し魔力の流れを視覚化した。


 僕とトニーは魔力操作に手古摺るニーナに接近せず言葉だけで指導していたので、なかなか伝わらずにいたのだ。


 やっぱり女の子の指導は女性の方がいいよね。


 憧れのシーナの誉め言葉にもニーナは釈然としない表情だった。


「……精霊達の言葉は今は無視しなさい。この子達は完璧を求めているけれど、苦労するのはニーナなんだからほっときなさい」


 ムムム。

 僕はアップウの呪文でニーナを唆す精霊達にニーナに干渉しないように命令していたのに駄目だったのか。


「アルの呪文は効いているから精霊達はニーナの魔力循環の補助をできないけれど、精霊言語で話しかけるのは禁止されていないからできじゃうのよね」


「「そっちかぁ」」


 僕の呪文が上手くいったと思っていた僕とトニーは声を揃えた。ノンは、まだまだだねぇ、と首を横に振った。


「アルの呪文の指導はシーナに任せるよ。ニーナちゃん。小さく魔力循環をさせた状態で歩いてみようか」


 トニーはニーナの指導を買って出た。

 ニーナは肩の力が抜けたペンギン歩きをすると、シーナが爆笑した。


「その歩幅では朝食までに祠巡りが終わらないわよ」


「そうだな。歩きながら魔力循環するのは一旦諦めて、祠の前で魔力奉納の順番を待つ間だけ魔力循環の練習をするようにしよう」


 トニーの提案にニーナは頷いた。


「僕は呪文の重ね掛けをしてみるかい?」

「いや、ニーナ自身が精霊達の声を聞こえても無視する練習になるから、今は見守ろう」


 僕達がこの村を去ってからもニーナが精霊達に惑わされないようにする必要があるもんね。


 魔力循環の練習を一旦諦めたニーナは身体強化で僕達の歩調についてこれた。

 ノンが、やるな、という表情でニーナを見ると、ニーナは嬉しそうに笑った。


 早朝にもかかわらず、村人達をそこここで見かけた。

 おはようございます、と僕達に声をかけてくれる。


「いつもよりみんな早起きなのは、アルが早朝から魔力奉納をする、と読んでいた連中ね」

「「どうしてバレたんだろう?」」


 僕とトニーは、男の子だ、というだけで注目を浴びる状態にじゃっかん引き気味になっていた。

 昨日も、カミルさんの自宅に差し入れを届けに来る人達が引きも切らず、僕は愛想笑いで頬が硬直気味だった。


 それで、日課の魔力奉納は人の少ない早朝にしようと話し合い早めに就寝したのに、ニーナにバレていた。


 精霊達の光で起こされたニーナはともかくとして、どうして村人達にバレたのだろう?


「アルとトニーの部屋はバレているから、部屋の灯で就寝と起床時間は外からでもわかるわ。後は女の勘と情報網の広さと早さね」


 シーナの指摘にニーナは頷いた。


「お客様なんて滅多にいないのに、アル様は王子様ですよ!アル様がいらっしゃる前から黄色い声が上がっていました。私、説教部屋の後もみんなにお説教されました」


「ハハハハハ。アルは口を開かなければ人形のように綺麗だからな。私も綺麗な王子様の護衛の仕事を羨ましがられたよ」


 トニーも、うんうん、と頷いている。

 僕だって口が悪い自覚はある。

 ラウンドール王国に入国する前に礼儀作法の先生をつけられそうだな。


 昨日の村人達の大騒ぎの様子を聞きながら五つの祠巡りを済ませた。残るは光と闇の神の祠だけになった。


「そろそろ、歩く速度を遅くしようかい?」


 トニーの気遣いにニーナは首を横に振った。


「アルとニーナは身体強化の方法が違うから、ここらでいったん解除した方がいい。市民カードでポイントを確認してごらん。いつもよりポイントが少ないでしょう?」


 僕とニーナはカードを取り出して確認すると頷いた。


「ポイントが少ない理由はアルとシーナで違うのよ。アルが少ないのはこの村がもうそれほど魔力を必要としていないからで、ニーナが少ないのは今日の特訓で魔力を消耗するからよ」


「あれ?昨日の魔力奉納でも奉納した魔力が少なかったのは、ニーナとの鬼ごっこが待ち受けていたからではなく、そもそも、この村では奉納する魔力量が少なかったんだね!」


「そうね。ニーナとの鬼ごっこでの身体強化でもアルの身体強化法ならそれほど魔力の消費がなかったでしょうね」


 僕とシーナの会話にニーナは青ざめた。


「王族の魔力量はケタ違いなんですね」


「それは否定しないよ。だから王族なんだもん」

「国を護る結界を維持する魔力量だからね」


 僕とと二の言葉にニーナは、自分には無理かと残念そうに項垂れると、ニーナの周囲の精霊達が光っていないけれど何か言っている気がした。


 シーナが僕を見て、今だ、と頷いた。

 

 僕は口元を隠してアップウの呪文を小声で唱えた。


「はいはい。今、ニーナを唆した精霊達!ニーナが無理をしたらどうなるか、太陽柱できちんと確認して来なさい!」


 僕の言葉にニーナの周りで精霊達が光り輝いた。

 ニーナはハッとした表情をすると顔を真っ赤にしてしゃがみ込んだ。


 どうなっているんだ?


「……憧れのアンナ姉さんみたいな大きなお胸になれるのに、チビだなんて!どうしてなの!?私の母さんも父さんも背が高いのよ!」


 ニーナは顔を両手で覆いながら首を横に振った。


「……ああ。筋肉重視の身体強化を幼いころから続けると背が伸びなくなる事例が騎士団の報告にあったな!」


 トニーの言葉に合点がいった。無理に身体強化を続けるとニーナはロリ巨乳に成長してしまうかもしれないんだ!


「精霊達にとってニーナの身長が高かろうが低かろうが気にならないから、限界いっぱいまで身体強化をするように勧めるのよ」


「それじゃあ、身体強化をほどほどにしておけば、シーナ様のように背が高くアンナ姉さんのようなスタイルになれるのですか!」


「うーん。リラくらいの大きさにはなれそうね。あれ?身体強化を多用したらおっぱいが大きくなるの!?やだ、そんな研究した人いないから、わからないわ」


 ニーナの将来のスタイルが身体強化で変わるのなら、ひょっとすると関係があるのかもしれない。

 そういえば、妖精と老人の集落のマーサは集落最強の巨乳美女だった。


 そんなことあるのか!?


「……だぶん、個人差……」


 トニーが小声で呟くとノンは頷いた。


 母は身体強化で戦うイメージがない儚げな人だったが、大きなおっぱいだった。メラニーの護衛のマーサは胸囲はあったがムキムキの大胸筋の上におっぱいがある感じだった。


「カカシ様に聞いてみるね。あの方は世界で一番数多くの女性の成長を見守った人だもの」


 女児ばかり誕生する一族の不老不死の族長なら多くの事例を知っているだろう。





 僕達が七大神の祠巡りを終えてカミルさんの自宅に戻り食堂でカカシに尋ねると、カカシは爆笑した。


「アッハッハッハ。そんなの、どうじゃろう?……栄養状態と遺伝だろうねぇ。ハハハハハ。二人ともいい感じに訓練をしていると思えば、そんな話をしていたのか」


 カカシがお腹を抱えて笑っているとカミルさん夫婦も食堂に来た。二人も話を聞いて爆笑した。村一番の怪力の女性が大きなおっぱいの持ち主だったらしい。


 身体強化したおっぱいで大男をぶっ飛ばすマーサの話をシーナがすると、それなりに信憑性が出てしまい大ウケした。

 

 こうして『身体強化とおっぱいの発育』の話は村のホットワードになってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ