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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第三章 ティターニア編
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第74話 継承と肯定


トーナメントは、私達が普段から何かとお世話になっている

ラボの地下訓練場で行われる事になった。


簡単なルールとしては、

実弾の使用、または殺傷モードのビーム兵器は禁止。

実剣も禁止で、ビームやミサイルはホログラムで投影されるらしい。


これから行われるトーナメントは、あくまで試合であり、殺し合いでは無いと言う事だ。


───


メガイラちゃんとノアちゃんがある程度距離を取り向かい合う。

彼女達の邪魔にならない様私達は別室でモニタリングする事になった。

良くないとは思うけど、私はどうしても、親しいメガイラちゃんを目で追ってしまっていた。

えこひいきは良くないよね……





「……あまり会話した事ありませんでしたね。改めて、メガイラです。今日はこんな形で申し訳無いですが……よろしくお願いしますねノア。」


メガイラは手をお腹の前で重ねると会釈してノアに挨拶を交わす。


「こちらこそ、あの"電子戦最強"のワルキューレと戦えるとは、思いませんでしたから。改めて、チーム・モイライのノアです。ろくに挨拶も出来ず、すみません。

本日はよろしくお願いします。メガイラ先輩」


メガイラは誰にも分からないくらいに眉をピクリと動かす。

悪意が無いのは分かる。けど───


「……電子戦だけが強いとは、思わないでくださいね。」


そういうとメガイラは自身のデバイスを構える。

「……気を悪くしたのなら、謝ります。」

それを見てノアも遅れてデバイスを構え、同時に放った。


「「転移装着」」


二人が同時に鎧を纏った。


ハカセは二人がスーツを身に纏った事を確認し試合開始のブザーを鳴らした。



ブザーの音が鳴り終わるよりも早く動いたのはメガイラだった。試合刀を構え、

ノアに一気に肉薄する様は、以前のメガイラからは想像出来ない、攻撃的な突進に思わず驚いてしまう。


「あれがメガイラちゃんなの…?」

私が思わず口に出した言葉を、隣で聞いていたソフィアが拾う。

「……メガイラは第一世代の中で自分は補助しか出来ないと以前から嘆き……リリィ。貴女を見てずっと研究してましたから。」


それを聞いて私は再び今のメガイラちゃんの戦闘を見る。

確かに自分の剣筋に似ている気がする……でも、それだけじゃない。

まるでアリアの野性味、ディアナさんの正確性、ナギサさんの見切りの良さ、

───第一世代の皆を自身に落とし込んだ様な……そんな戦闘スタイルになっていた。


速く、そして鋭く。

純白の装甲も相まってまるでラ・ピュセルと呼ぶに相応しい華麗な動きだった。


───しかし、ノアは身体を後ろに反らし、より大振りな攻撃を誘う。

そして誘いに乗り、更に踏み込んできたメガイラを、まるで捕食者のごとく仕留めんとする。


───義足を、まるで"腕"の様に変形させ、蹴り上げる姿勢でメガイラの、剣を持つ腕を掴んでみせた。


「……確かに、スピードもパワーも凄まじいです。流石は第一世代……だけどっ」

ノアはそのまま、逆立ちの姿勢、まるで、カポエイラの様な動き───

本来であれば不可能な挙動で、関節の制限を無視するかの様に義手を軸に高速回転すると

メガイラをそのまま"足"で投げ飛ばした。


あまりにトリッキーな動きに翻弄され、メガイラは自身に何が起きたか分からなかった。

いや、分かりはしたが、反応が出来なかった。




「ノアって奴、面白い事すんなぁ……ありゃ戦いづらい」

アリアも腕を組み、試合をじっと見つめていた。


「戦いづらい……ですか?」

外から見ただけでは分かりづらいそれをミレイナちゃんがアリアに聞く。


「あぁ、ノア……アイツの動き、重心がめちゃくちゃなんだ。

ブレているとか不安定とかじゃねぇ……そのままの意味で"めちゃくちゃ"なんだ。それにあの義手と義足……あれは補助具じゃねぇ……"武器"だ」




───メガイラは体勢を立て直し、剣を構え直すと思考を巡らせる。


悔しいが、接近戦能力ではノアが一枚上手だと一瞬で"思い知らされた"

でも───


「私は……絶対に負けません!」

再びノアに向かい突進する。



戦闘を見ている誰もが思った。無策のまま突っ込んでも先ほどの二の舞だ……と。



───ソフィア以外は



再びノアが、自身に迫るメガイラを掴もうと手を伸ばし……

メガイラは素早く後ろに跳ねる。


ノアは更にメガイラを掴もうと、義手を"飛ばす"と遠隔操縦に切り替える、これはノアだけが出来る隠し技、自身の左手や左足を遠隔武器として使用可能と言うものであった。



───しかし、メガイラはそれを待っていた。


「今回のレギュレーションの一つは!!」

メガイラはノアに叫ぶ。


「えっ………あっ……」

ノアはメガイラの発言を理解し唖然とする。




───ハッキング等の搦手は、飛び道具等に限定する




「貴女は、その身体を武器として昇華させた。それは賞賛に値します。

しかし今、貴女はそれを飛ばした……つまり、貴女の飛ばした腕は、今、飛び道具となった!」


───メガイラの網膜が青く輝き

空中にホログラムが浮かび上がると、ノアの放った義手の制御権を奪ってみせた。


「貴女の義手と義足を開発したのはハカセと……そして私。

貴女から制御権を奪える距離は"最初"から分かっていました。」


メガイラは更に空中にエネルギーバインダーを展開。


「貴女が言ったんですよ。私は電子戦最強だ……と」


メガイラは片腕を無くしたノアを義手とエネルギーバインダーで囲う。

 

ノアは四方を見て、義足の出力を上げ一歩踏み出そうとして止まる。


───自身が動くより、メガイラの攻撃がこちらに届くのが早いと理解した。


逃げ道も勝ち筋も失われた事を悟り、静かに漏らす。

「……これは………勝てませんね。私の負けですメガイラ先輩。

貴女は……やっぱり強い。」


ノアは笑顔を浮かべると

片腕を上げ降参した。



───第一試合はメガイラの勝利で幕を閉じた。




試合のあと、二人は握手を交わしていた。


「メガイラ先輩。貴女がこの身体を作ってくれたから、私は今こうして戦えます。……本当にありがとう。」


「私こそ、ノアが私の作った手足を想定の120%の力で扱ってくれるから、とっても誇らしいです。……ありがとうノア」


メガイラちゃんとノアちゃんは互いに笑い合い、賞賛しあっていた。



……少しだけ、ハカセの思惑が分かった気がする。


これは性能を測るだけの試合じゃない。


そうだよね、ハカセ?

だってよ……シ◯ンクス……尺が


ちょっと忙しくて更新遅れます!すみません!

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