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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第二章 外伝・メカニカルワルキューレ・モイライ 三姉妹の絆編
60/71

第60話 失敗


ハカセが齎してくれたデータによると、

作戦目標の多脚型移動砲台はラボから遠く離れた場所を現在複数の無人機を携えて輸送中との事だった。


ノアは先行するルキアの後を飛行する。


チラリと横を見ると、

あからさまに不貞腐れた様子のフィレアが、

それでも距離を保ちながら付いてきていた。


……本当は、来たくないはずなのに。


フィレアが、姉妹共々、自分たちを救ったハカセに対し、

子が親に抱くような、淡い愛着を抱いていることは、

ノアにも分かっていた。


きっと、ハカセの顔に泥を塗らないためについてきてくれたのだろう。


そこまで考えた瞬間、

ノアの視界が、ほんの少し暗くなった。


───私がお父さんとお母さんを助けられなかったから……


自分が、半端に姉妹達だけを助けたばかりに。


ルキアは、ずっと親がわりになって苦しみ、

フィレアは、母性を求めて彷徨っている。


……あの時、私が……


───私が、死ねば。


「ノア、アンタ今何考えてたの」


声の方に顔を向けるとフィレアが無表情でこちらを見据えていた。


「次、余計な事考えたら、その継ぎ接ぎだらけの身体、バラバラにしてやるから。」


……妹に怒られてしまった。

……そうだ。

これは任務だ。


今は、考えるな。


「……ありがとう、フィレア。」


「……ふんっ」



二人の会話に気付いたルキアは、振り返りもせず言い放った。

「無駄な会話は慎めラキシス、アトロポス。これは訓練でも模擬戦でもない。

任務遂行は我らワルキューレとしての責務よ」


「……失礼しました。クロート。」

ノアはまた前だけを見て飛行を続けた。


「……ちっ」

フィレアは舌打ちし、それ以降一言も話さなかった。



これ以後、作戦地点到着まで、三姉妹が言葉を交わす事は無かった。



三人が目標地点に到着すると眼下に小型無人機を引き連れた多脚型移動砲台を捉えた。


「……作戦目標を視認……これより、目標の破壊を始めます。」

ルキアが作戦開始の合図を出し、ノアとフィレアが小型無人機に向かう。


接近戦主体のノアとフィレアは敵機に肉薄していく。


これをルキアが上空からフォローしていく手筈だった。


──しかし……

二人が敵機に囲まれている様を見たルキアは今まで訓練では感じなかった感情に支配されていた。


───恐怖


大切な姉妹達を次こそ失ってしまうかもしれないと言う感情がルキアの中で溢れ、

ルキアの判断は、ほんの少しだけ遅れた。


「クロート!!」

ノアの叫びにハッとしたルキアは急いで弾幕を展開。

敵機体を薙ぎ払うが、それは本来撃つべきタイミングではなかった。

結果としてノアとフィレアの退路を断ち二人は無人機の攻撃に晒されてしまう。


「あっ……あぁ!!」

ルキアは思わずその光景にパニックを起こし、

更に二人を守るため、攻撃の火力を高めていく。

まるで"防壁"となったビームの嵐が辺りを覆う。

爆煙が立ち上り三人の視界が一気に狭くなっていく。


「ちょっ!?……バカルキア!?」

普段起こりえないルキアの暴走に、思わず動きが止まってしまったフィレアの背後から、敵の刃が振り落とされる。

フィレアは攻撃の気配に気付いたが、反応が間に合わない。


「フィレア!!」


───そこで、ノアが咄嗟に無人機とフィレアの間に割って入り


背中を切り裂かれた。


──守ろうとしたはずの背中が、目の前で崩れていく


「あっ……」


機体の放熱限界で射撃が出来なくなったルキアの視界に、

フィレアを庇い負傷し、今まさにフィレアにもたれかかるノアと、


自身が起こした爆煙に紛れ、攻撃目標を見失ってしまった事実が映し出された。




その時、紫のビームが上空から振り注ぎ、

フィレア達の周りの無人機を蹴散らした。



フィレアがノアを抱きかかえながら視線をビームの放たれた方向に向けると、

今まさに、自身の任務を終わらせ、三姉妹の元に駆けつけたディアナがいた。


「皆……ごめんなさい…………間に、合わなかった…」




───攻撃目標は未だ健在、三姉妹の攻撃を受け、特殊なステルス機能を展開したらしく、レーダーからは消失。



───任務は、失敗に終わった。

し、初期プロットでは、凸凹三姉妹のドタバタで可愛い感じを描く外伝の予定…だったんですぅ…み◯みけ的な…


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