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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第一章 プロメテウス編
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第31話 激闘の輝き


改めてラクシャシーとアスラと対峙する。確かに救うと決めた。

けどやっぱり、2人の威圧感は強化された筈のメカニカルワルキューレを持ってしてもなお、怯んでしまいそうになる。

ディアナさんの「当たれば即死」と言う言葉が脳裏をよぎる。

私が自身を奮い立たせる為、両手の剣を握りしめたと同時だった。


アスラが目にも止まらぬ凄まじい速度で私の目の前に接近してくる。

性能が上がったと言ってもやはり2人の方が攻撃性能は上。私は思わず冷や汗を流す。


──アスラの手刀が私の顔にめがけて解き放たれた瞬間……


アリアが割って入り、腕部のクローでアスラの手刀を下から弾いた。


「よう……アスラ。元気してたかよ。」

クローを振り上げたままアリアはニヒルに笑う。


「貴女は……ヘル。……私が破壊したはず。」

アスラは表情を変えてはいないが、以前自身が倒したアリアの再戦に驚いているようだった。


「へっ……!残念だったな! 私はそう簡単に地獄ヘルへは行けないんだよ!」

そう言いながらアリアは鋭くクローを繰り出す。

アスラは前回の戦いの再現とばかりに、その大きな手でクローを腕ごと掴もうとするが、アリアは拳を返しそれを防ぐ。


「何度も同じ手を喰らうアリアさんじゃないぜ!!」

そしてすかさず高速のクローを繰り出す。

アスラは腕を掴むのは難しいと理解した瞬間、6本の手刀によりアリアの連撃に対し反撃を始める。


「リリィ…!!お前達はラクシャシーを頼む!!」

アリアは連撃のさなか私に指示を出す。


「?……貴女の腕は2本、私の腕は6本。対抗は不可能。」

アスラは言葉を発しながらも手刀の超連撃を止めない。


「対抗だと?……へっ!!上回ってやるってんだよ!!」

アリアのクロー捌きが加速していく。たった2本の腕でアスラの6本の腕の連撃に喰らいついていく。


周囲に亀裂が生じ音速を超えた連撃は衝撃波すら発生する。


「……!」

「まだまだっ!!そんな速度じゃ……置いてくぞ!!」

アリアの連撃はメカニカルワルキューレによって強化された私達の反射神経すら超え、周囲からはもはやクロー捌きが見えなくなって来た。


「理解……不能………だけど」

アスラは魔力結晶の力を強制的に引き出すと徐々に押し返し始める。

生身のアリアのスタミナには限界がある。

アリアの連撃が再び目視出来る様になった時だった。


「っナギサ!!」

アリアが叫ぶとまるで新体操の様なアクロバティックな動きでナギサさんがアスラの前に急接近する。


「アリア!お前の矜持、しかと受け取ったぞ!!」

そう言いながらナギサさんはアリアと並び二振りのサムライソードでアスラの連撃に対抗する。

特訓のおかげか、ツーマンセルの2人の息はぴったりで、アスラは攻撃の隙を与えられず、ガードで手いっぱいだった。


「2人に……4本になっただけ……なのに……」

自身の足が後ろに後退していく事実にアスラはただ困惑していた。



アリア達がアスラと激しくぶつかり合っている時、私はラクシャシーと肉薄していた。


「あはは! 面白いじゃないさメカニカルワルキューレ共!!あのアスラが押されるなんてねぇ!

じゃあ、ヴァルキリー……お前は私が本気で壊してやるよ!」


「っ!!」

ラクシャシーの攻撃はどれも当たれば、それだけで戦いが終わってしまう最強の攻撃力。それを至近距離でいなさなくてはならない激しい攻防の末に、攻撃を防いでいた二振りの剣が遂に弾け飛ぶ。

吹き飛ぶでは無く、"弾けた"


──これまでなら死を覚悟する状況。だけど。


私は網膜表示に新たに追加された機能、

武器スロットから新たに右手にコンバットメイデンを、左手にビームガンを追加しそれらを瞬時に放つ。


ラクシャシーはバックステップで回避したが、突然私の手のなかに現れた剣と銃に困惑している様だった。


「手品? ……はっ、面白いじゃない! じゃあ、次はこれならどうだい!」

ラクシャシーはそう叫ぶと一気に空中に飛翔し、構えると胸部中央にエネルギーを増幅させ始める。あのエネルギー量、命中すればそれだけで私は蒸発してしまうだろう。


そこに

「「リリィ!」」

無人機達を相手にしていたディアナさんとメガイラちゃんが、自身らの遠隔武器を4基ずつ、計8基を私の前に飛ばしてくれる。

私の前でバインダーユニット達が輪となり回転し始めた。

彼女達が貸してくれたそれらを"収束バレル"として左手のビームガンを最大出力で放つ。


「いっけぇぇええ!!」


バインダーユニットを介して超収束されたビームは、ラクシャシーの最大火力と同等の出力に到達する。


赤黒いラクシャシーのビームと、リリィの翡翠のビームが激しくぶつかり合い、まるで太陽の様な輝きを生む。


私は右手のコンバットメイデンを「空間転送」で今回の作戦の要である別の"特装武装"へ換装し、光の渦の中へ飛び込む。


「はぁああぁ!!」




光の中から現れたリリィにラクシャシーは呆気に取られた。ラクシャシーは目の前に迫る敵に対しただ、"綺麗"……と、戦場ではまず思い浮かばないであろう感情を抱く。


リリィの瞳に宿る光。そこには殺意も怒りも無く、ただ真っ直ぐラクシャシーを見ていた。

もうちっとだけ続くんじゃ!

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