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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第三章 ティターニア編
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第128話 ミッションインジャングル


「はぁ……?このままずっと陸路ぉ?」

フィレアは任務の内容を聞いて苦虫を噛み潰したような顔をする。


「今回の任務内容が相手になるべく気付かれない様に行動しないといけないんだから文句言わないの」

それをディアナは嗜める。


「いやいや、ディアナさんこんなん誰でも嫌だよ!?」


フィレアは目の前に広がるジャングルを前に項垂れた。


「何だちっこいの。メカニカルワルキューレなんて鎧着てんのにこんなのも嫌なのか?」

ダルケンはパワードスーツの中からナイフを取り出すとヒルを踏み潰し邪魔なツタを切り裂いた。




「ただでさえ蒸し蒸しなのに、あんたみたいな暑苦しい筋肉ダルマジジイと一緒なのが余計嫌なのよ!!」


フィレアはウガーっと両手を上げ抗議するがルキアに勢い良く拳骨された。


それがよほど痛かったのかフィレアは唸りながら蹲ってしまった。


「……いくらなんでも筋肉ダルマジジイは失礼でしょ。」


ルキアはダルケン達アトラス側の兵士達に振り返ると頭をペコペコと下げ謝罪をした。


「おう……ルキアの嬢ちゃんも大変だな……」



フィレアが必要以上に嫌がる最大の理由は実はジャングルでも、筋肉ダルマ……ダルケンでも無かった。


一番は崇拝するアリアと別チームになったという事だった。


それを分かっているから"チームジャングル"のメカニカルワルキューレ側リーダーであるディアナはため息を零した。


「……まぁ、純粋にジャングルは私も嫌だけどね。」


そんな事をボヤいたディアナだったが彼女の高感度センサーが反応を捉えた


ディアナはサッと手を上げ全員の会話を終えさせる。


「……お喋りはここまでみたい。前方百五十メートルに動体反応。……これは鳥や獣じゃないわね」


ディアナの言葉に最も早く反応したのはダルケンだった。


「あぁ……こいつはおそらく……ティターニアの兵器だろうな。」


ディアナはアトラスのパワードスーツにそこまで性能の良いセンサーが内臓されていない事を知っていたため、純粋に関心した。


「センサーも無しに……凄いですね」


「ん…?あぁ……こんなもん、生きるだけなら要らねぇ技術だがな」


「ふふっ……心強いですよ。」


ディアナはあまり慣れない剣を構えると直ぐ近くの敵の動向を探った。



────



今回の作戦は三チームに分かれて異なる拠点に対し同時に行う奇襲救助任務だった。


陸路から行うチームジャングル


空から奇襲をかけるチームコンドル


そして水路から攻めるチームドルフィンだ。


どのチームも即席であり問題は山の様にあるが、どのチームも失敗のけして許されない危険な任務であった。


ちなみにチームの命名はやたらそう言った名前をつけるのに乗り気なメガイラが名乗りを上げた。



───



ディアナは指で後方のフィレアとルキア、そしてこれまで無言だったノアへ指示を出す。


草木に隠れながら敵を囲うのだとハンドサインで理解した。


「……で、俺達はどうするよ大将」


ディアナはダルケンからの冗談混じりの大将呼びに苦笑いを浮かべる。


そもそもアトラスとメカニカルワルキューレはこの作戦において対等な立ち位置のはずだった。


「……ルキアと一緒に行動を。彼女のビーム主体の装備はジャングルでは性能を活かせない……

アトラスの方々で彼女のサポートをお願いします」


「……良い指示だ、了解した大将。」

ダルケンはディアナの背中を叩く。


「……セクハラですよ」

ディアナは不敵に笑いつつダルケンに軽口を叩くと、ダルケンがアトラスの部下数人を引き連れルキアと共に敵影の背後に回って行くのを見送った。


「……手短に話すわよ。」


ディアナはダルケン達が後方に回り込む間に背後のフィレアとノアに具体的な作戦を説明する。


「前方百五十メートル先の目標はおそらく新型、ラプターの陸戦型マイナーチェンジ機でしょうね。あれがこちらに気付く前に挟み撃ちで撃破します。質問は?」


「……ありません。」

ノアは小型のエネルギーナイフを構えると姿勢を低くして目標に狙いを定める。


「……ここらの邪魔な木ごと吹き飛ばせば良いのに。」

フィレアも蛇腹剣を構えつつ小言を零す。


「……それじゃ敵に気づかれちゃうよ。フィレア」ノアは妹に正論をぶつける。


「ノア姉……分かってて言ってんだよ。」

フィレアはため息混じりに生真面目な姉にも愚痴を零した。



──自分達の存在がティターニアの拠点に気付かれれば捕まっている人達に何があるか分からない。


ディアナの頬を嫌な汗が垂れる



───戦闘が始まる刹那、ジャングルは異様な程の静寂に包まれていた。

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